はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

麦秋

2008-06-01 22:38:52 | はがき随筆
 近所の畑で小麦が色づき始めた。名作映画「麦秋」のラストで、黄金色の麦の穂が風に波打つ畑道を、花嫁の行列が行くシーンが思い出される。
 「昔の農家では、春嫁は麦の刈り入れの働き手にするため。秋嫁は米」というのは、その映画で知った。終戦直後には、中学生にも収穫を手伝わせる農繁休暇があったように記憶する。
 初任値の種子島にも麦畑が多かった。学校を休みがちな子がいて、休みの日に訪ねていくと、上手な鳴きまねでメジロを呼び寄せていた。
 集団就職で島を出た彼と数年前、38年ぶりに再会した。
   鹿屋市 上村 泉(67) 2008/6/1 毎日新聞鹿児島版掲載

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2 コメント

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いいですね~! (michi)
2008-06-02 18:18:16
ほのぼの昔の生活が思い出されます。
今、同じ事やっていてもそう思いませんが、
昔はどうしてそんなに懐かしく、愛しく
感じられるのでしょうね!
いい時代でしたね。
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遠い日が懐かしい! (アカショウビン)
2008-06-04 16:59:43
michiさま
コメントありがとうございます。

何もなかったあの頃は、人々の心の中に優しさ
がいっぱいあったように思います。
恵まれすぎて、満たされない今の私たち…。
寂しいことですね。
ほんとうにいい時代でした。
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