はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

あらっ不思議

2008-09-12 22:39:36 | はがき随筆
 何とただの1匹だにいない。どうしたの、どこへ行ったの。
 お隣に家が建つことになり畑を整地、砂利を打ちこみ、床の造作に入るや毎朝、アリの大群が台所に来て、砂糖をはじめ黒山のように占拠した。娘が盆前に防虫剤を買ってきたが、中のものを持ち出せず、食べて身一つのお出まし。ガスや電気のコードから侵入して盆以降も毎朝アリだかり黒山の占拠。身の毛がよだつ毎日。砂糖を隠し果物を始末してみたがだめだった。
 隣の土台に雨ががんぶりたまり、ちょっと涼しかった今朝、1匹だにいない。どこへ行ったのだろう。あれ程のアリが。
   鹿児島市 東郷久子(74) 2008/9/5 毎日新聞鹿児島版掲載

最新の画像もっと見る

コメントを投稿