わずかな期間を彩る花々を、どんな風に見たら、私の胸に咲き続けるのだろうか。
こちふかばにほいおこせよ むめのはな……の歌の、梅は、菅原道真が太宰府に左遷された時から今まで1114年も人々の胸に咲き続けている。
私は、梅や桜などの花をめでる時、どれほどの思いを花に込めて見ているだろうか。
私の胸に咲き続けている花はやはり、五木から子別峠近くの山道に咲いていた、紫の可愛い野菊。五木から八代へ子守に出され、峠で泣く泣く親と別れた子どもの形見草のように、今でも私には悲しげに思われる。
出水市 小村忍 2015/4/23 毎日新聞鹿児島版掲載
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