「ええっ、何~?」。一瞬、私は正にキツネにつままれたような表情をしたのだと思う。「私はどこにいるんだ」。時々頭がフワッとすると言って、確か脳神経外科の診察室をノックしたはず。すると、医師が言った。「目を閉じて、その場で足踏みしてみてください」「ふらつくかもしれない、でも落ち着くんだ」。自分に言い聞かせた。「はい、目を開けて」。私は見事に90度左回転して、診察室の別の風景を見ていたのだ。
「左耳の三半規管の異常でしょう」。してやったりとばかりに、医師が目配せしたと、後で妻から聞いたのだった。
霧島市 久野茂樹 2014/6/23 毎日新聞鹿児島版掲載
「左耳の三半規管の異常でしょう」。してやったりとばかりに、医師が目配せしたと、後で妻から聞いたのだった。
霧島市 久野茂樹 2014/6/23 毎日新聞鹿児島版掲載
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます