富士の8合目で高山病にかかった妻と小5の次女を8・5合目の山小屋に残し、後ろ髪を引かれる思いで、中2の長女と山頂を目指した。満天の星空や岩陰の氷雪で寒気が増す。吐く息が白い。懐中電灯の灯りの列が上へと続く。金剛づえを友に頂上に着いたのは朝4時。5合目を出て9時間たっていた。300円のホット牛乳で体が温まる。日が昇り始めると数百人がご来光を拝み「万歳」をくり返す。娘のほおを涙がつたう。
この夏、富士の映像を見た次女が23年前の悔しさを告げると妻が「彼氏と再挑戦したら?」と軽くいなした。
出水市 清田文雄(68) 2007/8/31 毎日新聞鹿児島版掲載
はがき随筆 夏休み特集-9
この夏、富士の映像を見た次女が23年前の悔しさを告げると妻が「彼氏と再挑戦したら?」と軽くいなした。
出水市 清田文雄(68) 2007/8/31 毎日新聞鹿児島版掲載
はがき随筆 夏休み特集-9
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