はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

昔のおはなし

2018-08-23 15:46:25 | はがき随筆


 豆腐売りのラッパが聞こえると鍋を持って表へ急ぐ。昔は自転車の荷台か、リヤカーを引きラッパを吹いてまわってきていた。今スーパーに並んでいる食料品のすべてば昔は量り売りだった。醤油、油、酢なども空き瓶を持って買いに行っていた。菓子類も袋入りなどなくて全部裸で硝子瓶の中に入っていた。煎餅や飴玉は量り売り。べっ甲飴が1銭で2個、買いに行くと店のおばさんが手も洗わずに硝子瓶の中からつかんで新聞紙に包んでくれた。今は衛生面も煩わしくなっているが昔の子供はそんな生活の中で元気に育っていた。
 宮崎市 田上蒼生子(99) 2018/8/23 毎日新聞鹿児島版掲載花束

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