久連子鶏(くれこどり)は、私には不思議な色の鶏に思えた。
熊本県の秘境・五家荘の一角に久連子という寒村がある。五木を過ぎ、つづら折りの崖道を恐る恐るたどってやっと到着。
丘の下、朽ちた廃校が目につく。村人は「里にはもう学童はいない」と寂しそうだった。だが、妻と見た平家の落人が伝えたという久連子鶏だけは10余羽、ひっそりと餌をつついていた。
約800年も継がれてきたという鶏。尾羽の渋い茶色の光沢は久連子の村人や、最近まで分校で学び、泣き、笑ったであろう子供たちの生活の時の流れをどこか映しているようだった。
出水市 小村忍 2013/1/4 毎日新聞鹿児島版掲載
熊本県の秘境・五家荘の一角に久連子という寒村がある。五木を過ぎ、つづら折りの崖道を恐る恐るたどってやっと到着。
丘の下、朽ちた廃校が目につく。村人は「里にはもう学童はいない」と寂しそうだった。だが、妻と見た平家の落人が伝えたという久連子鶏だけは10余羽、ひっそりと餌をつついていた。
約800年も継がれてきたという鶏。尾羽の渋い茶色の光沢は久連子の村人や、最近まで分校で学び、泣き、笑ったであろう子供たちの生活の時の流れをどこか映しているようだった。
出水市 小村忍 2013/1/4 毎日新聞鹿児島版掲載
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