早朝、山あいの谷の清水くみに行った。昨夜の十五夜の月が沈みきれず、重なった尾根の間に、昨夜の輝きの疲れがとれぬかのようにぼおーんと浮かんでいる。近づいてくる厳冬を教えるように夜明けの風が肌に冷たい。木洩れ日のさす細い小道を小滝へと向かっていると、道の両側に沿って、朝もやの中に黄色く咲き誇る石蕗の群生に出合った。その妖艶なたたずまいの余りの美しさに感動し、霧に包まれた舞台で群舞しているようなつややかさに、木立の世界の妖精に、しばし我を忘れ、たたずんでいた。
朝靄(あさもや)に石蕗の花艶(なまめ)かしけり
鹿児島市 春田和美(71) 2007/12/11 毎日新聞鹿児島版掲載
朝靄(あさもや)に石蕗の花艶(なまめ)かしけり
鹿児島市 春田和美(71) 2007/12/11 毎日新聞鹿児島版掲載
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