はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

こより

2010-06-28 17:32:14 | はがき随筆
 海苔の木箱を開けると和紙が上下に添えてあった。和紙を見て、ふと、子供のころ習った「こより」を思い出した。卓袱台に細く切った和紙を父が親指と人さし指で滑らせると、紙はくるりとなり、両手の指で巻いて滑らせると紙は細い紐になった。それは針金のように細く真っ直ぐだった。          
 父は七夕の短冊を結ぶ紐だから、自分で作れるようにと、手を添えて何度も教えてくれた。縒りは甘いが何とかできた。笹竹に短冊をこよりで結ぶと風情を感じた。懐かしい思い出だ。
 久しぶりにこよりをひねり、七夕に短冊をさげてみようか。‥
  出水市 年神貞子(74) 2010/6/25 毎日新聞鹿児島版掲載

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