はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

西郷どんのみっ

2018-04-23 20:28:37 | はがき随筆


 明治7年3月、初代司法卿江藤新平が佐賀の乱で敗れた後、鰻温泉逗留中の西郷どんに面会し決起を求めたがケンカ別れとなった。悄然となる江藤を心根優しい西郷どんは指宿の港まで送ったと言う。維新の重要人物の訪問と別れが交錯する道。世のため人のため、命もいらず、名もいらず、……。1カ月半後、江藤は四国でさらし首、その後西郷どんは城山で自決。両雄どんな思いでこの道を歩いたことか。木漏れ日の下、老木の前に立ちつくす。ウグイスの初鳴きが森の奥遠く近く……。
 ウグイスの 初音哀しき 西郷どんの道
  鹿児島県 指宿市  有村好一  2018/4/12  毎日新聞鹿児島版掲載

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