「生きていこうよ、母ちゃん」
「うん」
「100歳を超えてもいいから、生きていこうねえ」
夫が突然そう言った。私はその時、いろんなごたごたで落ち込み“死”について、じっーと考えていた時だった。その言葉で、ハッと我にかえった。
「お母ちゃん、精神的にまいらないようにしろよ」
半身マヒの夫が、ゆっくりと右手を差し出した。
握手をしたら、世界中のだれよりも温かく大きな手で「味方の手」だった。死は遠のき、安心が残った。
鹿児島市 萩原裕子 2012/7/28 毎日新聞鹿児島版掲載
「うん」
「100歳を超えてもいいから、生きていこうねえ」
夫が突然そう言った。私はその時、いろんなごたごたで落ち込み“死”について、じっーと考えていた時だった。その言葉で、ハッと我にかえった。
「お母ちゃん、精神的にまいらないようにしろよ」
半身マヒの夫が、ゆっくりと右手を差し出した。
握手をしたら、世界中のだれよりも温かく大きな手で「味方の手」だった。死は遠のき、安心が残った。
鹿児島市 萩原裕子 2012/7/28 毎日新聞鹿児島版掲載
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