はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

恩師に感謝

2012-11-20 17:31:54 | はがき随筆
 私が7歳の時、父の貴重品である書道用大筆を遊び道具にしたので父が激怒した。
 「誰だ」。私に向かって叱責。「怖い」。夢中で土間に飛び降り、夕暮れ時の庭に逃げた。
 「どこへ?」。床の間の近くの雨戸が開いていたから、部屋に上がりほっと一息。私の早業に怒り心頭の父が笑顔になった。
 その後、中学・高校で父から書を習い、さらに日展審査員のK先生に師事。大筆は私の必要品となり、現在まで数多い生徒たちとの出会いがあり、恩師はすでに他界。
 思い出は脳裏に深く刻まれ、感謝の気持ちでいっぱいだ。
  肝付町 鳥取部京子 2012/11/18 毎日新聞鹿児島版掲載

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