はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

うれしかった

2013-09-30 20:04:11 | アカショウビンのつぶやき
2013年09月30日 毎日新聞「はがき随筆」掲載

 かげろうがのぼる道、そのわきに麦わら帽子をかぶった男の子2人、手を挙げて立ち止まっている。私は車を止める。 

 手をつないで渡り終えた。すると、向き直って一緒にぺこっと頭を下げ、虫取り網を振りながら路地の奥へ駆けていった。上の子は年長さんくらい。

 懐かしい麦わら帽子と虫取り網、子どものころ競い合ったセミ捕りの日を思い出す。 

 思いもしないぺこっの礼、なぜか無性にうれしかった。急いで窓を開け「こけるなよ」と声を掛け手を振る。頭を下げた子どものしぐさ、家でいいしつけをされていると思いながら見送った。

岩国市 会員 片山 清勝 岩国エッセイサロンより転載

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
アカショウビンさん (tatu_no_ko)
2013-10-01 08:14:03
いつも転載有難うございます。
真夏の投稿でしたが、この時期の掲載になりました。
二人の子どもの思っていないしぐさに、気持ちいい夏の日でした。
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tatu_no_koさま (アカショウビン)
2013-10-07 18:03:14
コメント有難うございます。

青信号の横断歩道でも、車がひっきりなしに曲がって来ると、渡るべきか…と、迷う事が多々あります。

止まって下さるドライバーさんには、軽く頭を下げて渡りますが、子どもさんが、振り返って車にお辞儀してるのを見ると、素敵だなあと心が温かくなります。
果たして大人の私は…
と反省させられています。
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