はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

結婚式

2008-03-15 22:10:50 | はがき随筆
 青く深い藍色の海。白い砂浜の沖縄は緑がまるで初夏のようだ。海辺の教会は空につながる透明なガラス張りで、長く一人だった息子がすてきなお相手に会うことができて挙式の時を迎えた。親ときょうだいに見守られて晴の門出。牧師さんの導きで燭台のロウソクに2人で点火。「お父さん、ひろしの結婚式が始まりました」。私は空を見上げ、夫とおぼしき雲へ語りかけた。そして2人の子どもの結婚式へ出席していない夫を哀れんだ。「よかった」と雲が応えた。ありがとう、これでよかった。すそを長く引く花嫁にうっとり見とれ、他は全然……。
   鹿児島市 東郷久子(73) 2008/3/15 毎日新聞鹿児島版掲載

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2 コメント

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素晴らしいですね! (michi)
2008-03-16 08:14:06
本当によかったですね!おめでとうございますと
申し上げたい心境です。我家の長女ももう30歳に
なってしまいましたが、そのけがなくって、焦ってしまいます。はやくこのような時が来ればと密かに
願っています。
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あら まあ お宅も… (アカショウビン)
2008-03-16 22:58:02
michiさま
いつかこの日が来ることを
切に待っている母です。
親の心子知らずでしょうか。
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