絵話塾だより

Gallery Vieが主宰する絵話塾の授業等についてのお知らせです。在校生・卒業生・授業に興味のある方は要チェック!

2015年10月25日(日)絵本レベルアップコース・高科正信先生の授業内容

2015-10-30 18:35:42 | 絵本研究科
本日から開講しました絵本レベルアップコース(絵本研究科)の初回は
児童文学作家の高科正信先生です。高科先生は講義形式で授業を進めていきます。



まず簡単に皆さんの自己紹介の後、絵本についてのお話へ。

絵本は国内で年間どれだけ出版されているのでしょうか。
なんと一年で1500冊以上もの絵本、翻訳本、月刊絵本が出版されています。
毎日5冊読んでもまだ足りません!出来るだけ毎日1冊ずつでも読んでいくと良いです。

作品を作るうえで、自分にないセンスを取り入れるには
絵本、小説、エッセイを読み、映画を観て、展覧会で絵を見ることです。
これから、先生のおすすめの本や映画なども今後、授業で紹介していきますのでお楽しみに。



さて本題に入ります。
お話は、大きく分けると二種類あります。
日常(リアリズム)を描いたものと、非日常(ファンタジー)を描いたものです。
動物が人間の言葉を話す世界はファンタジーです。
子どもの文学にはよく動物が登場しますが、安易に描くのではなく、動物を登場させる理由を
しっかり考えたうえで登場させることが大切です。
高科先生の最新作『たぬきがくるよ』は、絵はイラストじっくりコースの講師でもある寺門孝之先生が担当されました。
高科先生はこれまでリアリズム作品を書かれてこられましたが、今回初めて動物が出てくる作品を書かれました。
りす、タコ、たぬきが登場するお話で、最後のたぬきのお話は少し怖いかもしれない…と先生。
ぜひ、お手にとってご覧下さいね。

今日の授業で紹介しました、動物が登場する本は下記です。
・『きつねの窓』…安房直子
・『グレイ・ラビットのおはなし』…作 アリソン・アトリー/絵 マーガレット・テンペスト/訳 石井桃子・中川李枝子
・『そして、ねずみ女房は星を見た』…著 清水真砂子
・『ごきげんいかが がちょうおくさん』…作 ミリアム・クラーク・ポター/絵 河本洋子/訳 松岡享子
・『わたしとあそんで』…文・絵 マリーホールエッツ/訳 与田準一
・『おやすみなさいおつきさま』…作 マーガレット・ワイズ・ブラウン /絵 クレメント・ハード

また、動物以外にもこんな絵本もあります。
・『わたしも』…文・絵 木葉井悦子
・『かしこいビル』…ウィリアム・ニコルソン 訳 松岡享子

『わたしとあそんで』では、子どもは一人でいる時にこそ成長の足跡を見せるのだと描かれています。
そして、生きているもの全てが共感し合える世界を静かに語りかけています。
また、この表紙絵は絵本界の「ジョコンダ夫人」と言われており、
真っ直ぐにこちらを見つめる女の子の姿がとても印象的な作品です。
作者のエッツは、他にも『もりのなか』『またもりへ』なども有名です。
作者の代表作はもちろん、他にもどのような作品があるか併せて知っておくと良いです。

『ごきげんいかが がちょうおくさん』では、
愛すべき変わり者のがちょうおくさんに、動物村の皆が色々なことに巻き込まれながらも楽しく暮らしていくお話。
皆の周りにもいるかもしれない存在だと思わせる作品です。

授業が進むにつれ知っている作品が増えていくように、と先生。
まだまだ知らない名作がたくさんあります。

次回は11月8日(日)で、テーマは「子どもの本にはなぜブタが登場するのか」です。
【課題内容】※締切は11月15日(日)
●テーマ「○○の××はなぜ△△」でお話の文章で書いてくる。
・例…キリンのくびはなぜながい、ぞうのはなはなぜながい、など何でも良いです。
●決まり事
・全てひらがなで書く
・低学年の子が読めるお話
・400字詰め原稿用紙に書く(タイトルは2行目、作者名は4行目の下の方、書きだしは6行目から)
・枚数は自由、短くても長くても良いが、話して聞かせるだけのボリューム
以上です。


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