絵話塾だより

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2024年11月16日(土)文章たっぷりコース第6期・第1回目の授業内容/高科正信先生

2024-11-22 18:59:23 | 文章たっぷりコース

ずいぶんと秋らしい気候なったこの日、文章たっぷりコース第6期が始まりました。
最初は高科先生から、自己紹介を兼ねて文筆家になった経緯と、著作物について。
続いて受講生の皆さんが、なぜこの教室で学ぼうと思ったかなどを語っていきました。

そして先生から、フランスの詩人ルイ・アラゴンの詩「ストラスブール大学の歌」の一節を教えていただきました。
「教えるとは、希望を語ること
 学ぶとは、誠実を胸に刻むこと」
これからの約一年間、楽しく受講できますように。そして、1回1回の授業が実りのある時間になりますように。

このコースでは、毎回教科書となる本を使って学んでいきます。
今期は、『「書く力」私たちはこうして文章を磨いた』(池上彰・竹内政明 著/朝日新書) を使います。
この本は、NHKで記者やキャスターを務めたジャーナリストの池上さんと、読売新聞のコラム「編集手帳」を長年担当していたコラムニスト竹内さんが、自らの経験から「どうしたら良い文章が書けるのか」を対談形式で語り合うものです。

この日は教科書に入る前に、新聞のコピーを見ていきました。
11月13日付けの朝日新聞「想 夜明けに出て行く船」(詩人の小池昌代さんによる)と、11月1日付けの「天声人語」です。
前者は昨年亡くなった詩人で作家の三木卓さんについて、後者は絵本『おしいれのぼうけん』(古田足日・田端精一)について書かれていました。どちらも簡潔で分かりやすく、魅力的なものに思えました。

それから『書く力』を、始めから読んでいきました。
 ・池上さんによる「はじめに」
 【第一章】構成の秘密 ─「ブリッジ」の作り方
 ・まずはテーマを決める ─ テーマと自分をつなぐブリッジを見つける①
 ・「身近な話」には魅力がある ─ テーマと自分をつなぐブリッジを見つける②
 ・「連想ゲーム」トレーニング ─ テーマと自分をつなぐブリッジを見つける③
 ※「はじめに」に出てくる、吉野弘の詩『祝婚歌』(「ポケット詩集①」田中和雄編/‎ 童話屋) の全文も読みました。

竹内さんによれば、起承転結などにとらわれる前に、「何が書きたいか」をはっきりさせることが重要であると。
書くべきことが見つかれば、まずはよく知っている自分の身近なところ(小さな話)から書き始めて、大きなテーマに至るブリッジを探し、最後は普遍的なものに持って行ければ、読者の興味を引く魅力的な文章になるそうです。
そのトレーニングとして、連想ゲームを行うのが有効で、例えば「三題噺」を書いてみると想像力が鍛えられると言っています。

文章を書くことに関するさまざまな書籍が出ていますが、書くことに正しい答えはなく、いろんな書き方があります。
日々の暮らしていく中で、何でもないことに目を向ける。目を見はる。
何でもないことに耳を傾ける。耳をそばだてる。 そんなことが重要なのかもしれません。

休憩をはさんで後半は、前出の(「ポケット詩集①」田中和雄編/‎ 童話屋)から
長田弘の『言葉のダシの取り方』を読んでいきました。
かつおぶしと言葉を重ね、どうしたら良いダシが取れるのかを手順を追って説明していく詩です。
材料を選び、手順を追って、ていねいに、タイミング良く、作業を進めていく。
注意すべきは、自分の言葉を使うことだ…という具合に。とても分かりやすいです。

その後は、写真家・内藤忠行のサウンドアルバムDRY AND WET』(Trio Records)の「WET サイド」(レコードのため片面ずつ違う内容)をしばらく聴き、思ったこと・感じたことをその場で書いてみるというトレーニングをしました。
即興で思いついたことを素早く書くのは、結構難しいものです。
どのくらい長く聞き続けるのか、どれくらいの長さの文章を書くのか、よくわからないまま進めていくのは、初回にしてはかなり難易度の高い作業でしたが、皆さん黙々と紙に向かってチャレンジしておられました。

そこで今回の課題は、「わたしがいちばん○○だった時」です。
このテーマについての文章であれば、タイトル・形式・長さなど、何でも自由に書いてください。

ただし、提出するのは必ず縦書きの400字詰め原稿用紙に書いたものでお願いします。
パソコンで書く場合も、同じ様式でプリントアウトしてください。

タイトルは2行目の上の方から、名前は4行目の下の方に、本文は6行目から書き出すようにしてください。
文章を書くときは必ず傍らに辞書を置き、分からないことがあれば調べてから書く習慣をつけてください。

いろいろな辞書がありますが、たとえば各新聞社が出てしいる記者が記事を書くときに使う「用字用語集」は、漢字、仮名遣い、送り仮名の付け方、記号の使い方、慣用句、差別語の例など、言葉に迷った時に確認するのに役立ちます。
教室には『記者ハンドブック 第14版: 新聞用字用語集』(共同通信社) を用意していますので、参考にしてください。

では、課題「わたしがいちばん○○だった時」の作品は、次回11月30日(土)の第2回目の授業の時に提出してください。
提出した作品は、高科先生が読んで添削(アドバイス)を書き込み、第3回目の時(12月21日)に返却してもらいます。
このクラスの授業はこのようにして進めていきますので、よろしくお願いいたします。

 


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