本日のイラストじっくりコースは、寺門孝之先生の今期最後の授業です。
稲垣足穂の『一千一秒物語』を読んで、浮かんだことを作品にしてくる課題が出ていました。
ほとんどの方が稲垣足穂を知らなかったのですが、今回の課題をきっかけに『一千一秒物語』を読んだ方が多かったです。
では、発表していきましょう。
月が主人公なのだが、足穂の世界は夢の中の出来事のように感じられたので、月を脳に見立てて描いたイラスト。
月は丸と三角と考えると、月の丸いカーブをパッチワークしているが、四角の布の角が三角にも見える。
夜の静かな様子。一度描いてからブルーの色を上から重ね塗りしている。
クッキリしていない曖昧な色が、足穂っぽい。
足穂に寄せて描くのではなく、『一千一秒物語』を読んで浮かんだイラスト。
自分自身が月という分かりやすいイラスト。タバコの煙で違和感を出している。
点描画で、ノスタルジックで陰のイメージとハードボイルド感があっていい。
立体・光・音・動きを一度の見れる、おもちゃ箱のような足穂っぽい作品。
今回は、稲垣足穂の世界を作品にしましたが、どう表現するかのアイデアがそれぞれ違っていて、とても楽しい合評になりました。
休憩中も他の人が発表した作品に興味津々で、みんな近くに寄ってじっくりと見ていました。
休憩が終わってからは、構図の質問があったので、今回の作品でどう構図を考えたかを、皆さんに聞いてみました。
余白を持たせたり、モチーフ全体を描くのではなく、端をカットするのはいいセンス。
テレビや映画のサイズではなく、縦長に描いてみてもいい。
このイラストなら、上に余白を作ると、月が降りてきたように見えるし、
反対に下に余白があると、紳士が月へ行ったように見えます。
構図の使い方で、イラストに想像する部分が増えますね。
装画や広告の仕事をする時は、ロゴが入るので、先にロゴが入るスペースを考えて描きます。
他に、アニメーション寄りのイラストが増えていることの話もお聞きしました。
浮世絵に描かれる女性と、中原淳一や竹久夢二が描く女性は全然違います。
その時代での美意識が変わっていくことで、女性像も変わっていってるという話でした。
漫画やアニメーションは日本の文化なので、拒絶するのではなく受け入れてみるといいよ。と寺門先生はおっしゃっていました。
他にも、寺門先生が装画の仕事をするきっかけの話などもお聞きして、展示をしたりコンペに出したりすることも大事だと、再認識しました。
今回、稲垣足穂の作品を読んで、描きたいネタがたくさん出てきたという方もいました。
稲垣足穂の世界をイラストにして、そこから半回転させて夏目漱石に寄せる。
寺門先生からは、いつも深いお話とアドバイスで、普段使わない脳に刺激を受けました。
1年間、ありがとうございました。
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