絵話塾だより

Gallery Vieが主宰する絵話塾の授業等についてのお知らせです。在校生・卒業生・授業に興味のある方は要チェック!

2022年6月11日(土)イラストじっくりコース・寺門孝之先生の授業内容

2022-06-12 19:54:19 | イラストじっくり塾
本日は寺門孝之先生の今期2回目の授業でした。



まず初めに、寺門先生が依頼を受けているお仕事を例にして、
広告になった場合、画角の比率やロゴが入った場合に気をつけたい点を教えていただきました。

寺門先生は、演劇の広告ポスターのお仕事が多く、今までされたお仕事の話もお聞きしました。
詳しい内容はブログには書けないので、授業を受けた方の特権です。

課題の発表の前に、寸画のワークショップをしました。
今日のお題は「おや、いい風が吹いてきたぞ」です。



新聞などのカットイラストで使われるとして、完成したイラストレーションを6、7分で描きます。

「おや」という言葉が入っていますので、ちょっとした希望、灯びを感じれるイラストだといいですね。



どんなイラストが描けたか、発表していただきます。

・鯉のぼり
・サーフィン
・窓からの風
・告白
・風車
・洗濯
・紙飛行機




風ではなく、告白をしていい流れが来たという状況を「いい風」として描いています。
なかなかいいアイデアですね。

風そのものを描くのではなく、風をはらんだものを描くといいですね。

その言葉を説明するイラストになってしまいがちですが、そのものをちょっと補足する程度に抑えている、描きすぎないのもポイントです。


では課題の「カレー色の恋」を発表しましょう。



・香水
・ポルトガルの写真
・失恋
・カレーの材料
・カレー屋
・カレー色の月
・放課後の校庭

    

難しいテーマでしたが、皆さんのカレー色の恋が描かれていました。

映画のポスターになりそうなものや、ストーリーを感じるイラストが多かったです。

次回7月16日の課題は「紅白○○合戦」がテーマです。
サイズは大きめでチャレンジしてくださいね。


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絵本とイラストを学べる「絵話塾」からのお知らせです。
6月の絵話塾のガイダンスを下記の日程で行います。

各回5名で興味のある方は、ギャラリーVie絵話塾までお問い合せください。

皆さん待っています!

・6月18日(土) 11:00
・6月19日(日) 17:00
・6月25日(土) 11:00  17:00
・6月26日(日) 11:00

よろしくお願いいたします。
………………………………………………………
〒650-0022
神戸市中央区元町通3-2-15セントラルビル元町5F
ギャラリーVie 絵話塾 村上政行
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fax.078-332-5807
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2022年6月4日(土)イラストレベルアップコース・サタケシュンスケ先生の授業内容

2022-06-12 16:32:12 | イラストレベルアップコース
サタケ先生の授業は今日で7回目です。
これまでの授業では、お仕事が取れるようになってからのお話がメインでしたが、
今回のテーマは、クライアントワーク以外の収入についてです。



イラストレーターとしてのお仕事は、クライアントワークが全てではありません。
今は、自作のイラストレーションでお金を生み出し、生計を立てている人もたくさんいるんです。
それでは、ストックサービスNFT ARTグッズ販売の3つについて、お話をしていきます。



ストックサービスとは、イラストや写真、映像、3D、アニメーションなど、クリエイターが作った素材を登録し、
少額または定額で販売するサービスで、購入者にダウンロードしてもらうことによって収入を得るシステムです。
良いところは、①締め切りがないのでマイペースで制作できる。
②合間時間を活用できるため、副業として兼ねることができる。
③販売ランクがわかるので、売れ筋の傾向を研究することもできる。
④たくさん描くので練習にもなり、そのままポートフォリオに載せられる、実績づくりにもなる。
⑤土台さえ作っておけば、定期的な収入にもなる。 などが挙げられます。
ただし、現状ではサービスも盛り上がっていますが、コロナ禍で参入する人が増え、競争相手も多くなっています。

さらに、数ある中から代表的な幾つかのサービスについて触れ、著作権譲渡の有無や、登録の流れ、
保存形式やタグ付け、審査について、実際に使ってみて分かったことや特徴などを、それぞれ詳しく教えてもらいました。
ちなみにサタケ先生は、絵話塾でこのお話をしたくて、去年から実験的に活用しておられたそうで
実際の売上額や変動についても、例として示してくれました。(ありがとうございます)
ストックサービスでは長期的な戦略が必要ですが、うまくいけば、長年お金を生み出してくれる可能性があります。
先生の周りでもストックする人が増えていて、みんな楽しそうにやっているそうです。
お互いに励ましあったりして、健全で良い印象です。
老後のための自己投資や年金と考えて、やってみるのも良いかもしれませんね。



NFT ART の「NFT」とは “替えがない、世の中に1点しかないものをデジタル上で作りだしたもの” で、原画と同じ価値があります。
NFTARTは、証明書付きのデジタルアート販売、暗号資産(仮想通貨)で取引されるもののことを指します。
世界的には2017年に、日本では個人参入しやすくなった去年から、一部で流行っているようで
大手の会社が資産として購入しています。(資産価値があります)
マーケットプレイスには「Open Sea」「ファウンデーション」などがありますが、
作家自身もウォレット(仮想通貨)に入っていないと利用できませんから、ハードルが高いと感じる人も多いでしょう。
日本の「Adam by GMO」は日本円も使えるので、芸能人やYouTuberがよく使っていることもあって、入りやすく安心感はあります。

ここで、授業のためにサタケ先生が実験的に出品した「Adam」の例を見せてもらいながら、仕組みなどを教えてもらいました。
NFT ART では、応援して買ってくれる人もいれば、転売で儲けようとしている人もいるのが特徴です。
どちらかといえばアーティスト向けで、イラストレーターとは世界線が違うので、注意が必要です。

後半は、グッズ制作のお話です。前半のお話よりイメージしやすく、馴染みがありますね。
自分の絵を、形を変えて買ってもらうので、原画を販売するより気軽にチャレンジできます。
今は、個人でもいろんなものを簡単に作れるようになりました。グッズを作る方法はいろいろあり、数量の加減もできます。
販売の方法もさまざまで、展覧会やオンラインストア、物販イベントなどがあります。



受け身になりがちなイラストの仕事(クライアントワーク)と比べ、自分の裁量で作ることができ、やっていて楽しいのでおすすめです。
イラストとの相性は抜群に良く、絵が描ければ、すぐにでも始められます。では、ライトなものから紹介していきましょう。



十分な売上が見込めないうちからのグッズ制作の課題は、初期費用と在庫です。
在庫を持たずに販売できる、リスクの少ない「SUZURI」(GMEと同じ会社)では、Tシャツやスウェットなどのオリジナルグッズが作れます。
良いところは、①在庫を抱えず、登録料や出品料が無料である。
②販売までの手順が簡単(早くできる)で、価格設定も自由にできる。
③発送や決済は業者任せで、個人情報も非公開なので、ノーリスクで販売できる。 ことなどです。
同じようなサービスで、アイテムのラインナップが少しずつ違うものもあるので、用途に応じて使い分けましょう。

もう少し踏み込んで、オリジナル感が強くなったものを1点からでも制作できるサービスもあります。
アイテムは、タンブラーや文房具、カーペットなど多種多様で豊富なラインナップから選べます。
原価が高く大量生産向きでなかったり、発送を自分で行う手間もあることから、記念品やプレゼントに向いています。
自分がサンプルで欲しい時にも活用できますね。

マスキングテープやトートバッグ、スタンプ、缶バッジ、本など、ある程度数を作る場合は、
専門メーカーで作ると、早くて安く作れて、細かい設定もできます。
ここぞという時の、展覧会やイベントのグッズにも良さそうです。

もっと安く作りたい、グッズで売り上げたいという場合は、
シルクスクリーンや3Dプリンター、レーザープリンターなど、専門的な工房や機材を借りて、自分の手で作ることもできます。
手間ひまはかかりますが、材料を持ち込み、細かい所まで自分好みに仕上げられます。希少性も生まれますね。 

海外と取引するケースも含め、それぞれ具体的なメーカーやお店をたくさん紹介してもらいました。
自分でグッズが作れるようになると、ワークショップの仕事にもつながります。



本業の絵とのバランスをよく考えながら、
作ったグッズをどこで販売すれば良いか?グッズ向きの絵は?グッズ展開などなど、他にも情報が盛りだくさんでした。 

今日のワークショップは、同じ題材で、自分の中で焦点を変えて表現します。
お題は『桃太郎』です。




誰に読んで欲しいのか、ターゲットによって見せ方やアピール方法、切り取り方が変わってきますね。
新しい切り口で、想像力を働かせてビジュアル化してみましょう。
例えば、お爺さんお婆さんから見た誕生の喜びにフューチャーする、
ONE PIECEのような旅の行程をメインにする、鬼との壮絶なバトルシーンを見せるなど、
ちょっと違う桃太郎の絵本の表紙を描いてみましょう。
別の話ではなく、子供がいつも読んでいる桃太郎を、自分なりの視点で絵にします。
絵を見て気になると思わせても良いし、こんな話だった?と思わせるのも面白いですね。



皆さんそれぞれの解釈で捻り出していて面白いですね。
ではお互いに見て見ましょう。人の絵を見るときに一番学びがありますよ!



本の絵のお仕事は、一案で決まらないこともあります。
ベタなベースの案があって、そこを外した案とか、奥深く掘り進んだ案とか、
提案力という意味では、あらゆる方向からアイデアを捻り出せる力があると強いです。
イラストレーターとして求められるところでもあり、腕の見せどころであり、仕事をしていて一番大変なところでもあります。
考える練習になりましたか?
頼まれた時すぐに、何パターンかの案を思い浮かべるクセをつけておきたいですね。



次回はサタケ先生最後の授業なので、絵を持ってきてくださいね。先生に聞きたいことや、見て欲しい所など考えてきてください!

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2022年5月28日(土)イラストレベルアップコース・山内庸資先生の授業内容

2022-06-04 13:33:52 | イラストレベルアップコース
今日の授業では実技をします。皆さん、デッサンをしたことはありますか?
(描いたことのある生徒さんも、もちらほらみられますが、しっかり学んだ方はお一人でした。)


今活躍している若いイラストレーターは、芸大出身者が多いんです。基礎ができているので、応用が効くんですね。
山内先生も芸大生の時は、1枚3時間で日に3枚、年間千枚位描かれていていたそうです。
デッサンは、単に絵を上手く描くことだけが目的ではなくて、体に、頭に、物の形を覚えさせる工程でもあります。
手を動かして脳にインプットするんです。
例えば『りんご』をモチーフにイラストを描くとき、質感や色、光と影が思い浮かび、それをデフォルメして描ける人と、そうでない人とでは差が生まれます。
これまでは、インプットやアウトプットのお話がメインでしたが、今度はベースを固めていきましょう。
今日やったデッサンの授業を思い出して、時々描いてほしいと思います。そして、それぞれのイラストに活かしてほしいですね。

まずは、デッサンの基本について学びます。
デッサンの線の種類には、色の濃淡を表す線、質感を表す線、光と影を表す線があります。
これらの線をFから6Bの硬度の違う鉛筆を使って描き分けていきます。
更に硬いHを使う人もいますね。この中では6Bが一番柔らかいですよ。
硬いものは硬い鉛筆で、柔らかいものは柔らかい鉛筆で描きましょう。
後は影です。ハイライトとハイダークの部分があって、ハイダークの部分(このペットボトルで言うとこの部分です)に最も柔らかい鉛筆で描きます。
最も明るい光の部分は、消しゴムの角で消して表します。
他にも、鉛筆の先を立ててエッジの効いた線を表したり、寝かせて腹を使い、面を表すこともできます。


では、画材を配ります。
画用紙、HB・B・2Bの鉛筆、練り消しゴム・消しゴムが一人ずつに配られました。
紙はケント紙が良いです。真っ白な紙よりやや黄みがかっている方が上手に見えて、気持ちが乗るからお薦めです。
鉛筆もメーカーによって書き味がちがいます。
他に、羽ぼうきがあると、消し屑を払う時に、画面が擦れて汚れず便利です。
紙を寝かせて描くと遠近ができてしまうので、本来は立てて描くための画板も使います。
それから鉛筆はカッターで削ります。6角形の角を削り落としていきます。今日は鉛筆削りですが。


それでは描いていきましょう、モチーフは水の入ったペットボトルです。
基本、大体等倍から1.5倍の大きさで描きます。
描く位置は、一度決めたら動きません。大きさが狂ってしまいますからね。
では、鉛筆を立てて持ち、腕をピンと伸ばし、物差しのようにして、芯の先から親指の間で長さを取って測りましょう(写真参照)。
測るときは片目です。
まず高さを決めていきます。次に中心線を引きます。横幅も測っていきます。
比率は細かく測れば測るほど正確に形が取れます。
初めの形を取るときは、弱めの筆圧で描きましょう。
ラベルの回り込みの角度や位置にも気をつけて‥
  

形は、ある程度描けましたか?皆さん、良い感じに描けていますね。
測れたら、中を描いていきます。柔らかい鉛筆で描き込みます。
影は形に沿った線の流れを意識して、グラデーションにしましょう。
線の粘土をこねて、立体を立ち上げていくイメージです。よく見て立体にしていきましょう。
ペットボトルのアウトラインは、実際には存在しないものです。完成したものは、影の集合体で形作られ、境界線は、奥行きになります。
初めは大掴みに、デッサンが進むほど細かい線を意識しましょう。
机の影や、映り込みの影、反射も書き込みましょう。
影がわかりにくい場合、目を細めて見ると、細部に惑わされず、面で捉えやすいですよ。
質感や透明感の出し方は、よく観察して、ディテールを書き込んでいきましょう。回り込んで裏に見えるラベルも描きましょう。
   

それでは、手を止めて、皆さんの絵を見て周りましょう。
よく観察できている人、描き込みができている人、透明感が出せている人、
山内先生が作品を丁寧に見ていきながら、それぞれの良いところを紹介していきます。
上手な人のデッサンを見たり、描き方を真似したりすると、勉強になりますよ。
   

1回の授業でデッサンの全てを伝えることは難しいですし、1回でうまく描ける人はいません。
今日はまず、デッサンの取り組み方を覚えてもらいました。

イラストの仕事は、ずっと描き続けるので、集中力、忍耐力を上げることも大事です。
物の見方が深まり、観察力もついて、新しい発見もあります。
1時間でも良いので、毎日やると変わります。習慣化していけば、見えてくるようになりますよ、練習あるのみです。
いろいろ描いていくと、ストックが溜まっていくはずですから、たくさん描いた方が良いですよ!
デッサンが描けるからこそ、形をシンプルにしたり、崩しても美しく保てるんです。
ドローイングやスケッチの瞬発力とデッサンの理解度を深めていく力、どちらも重要です。
兼ね備えられると、シンプルもリアルも描けて、幅が広がりますよ。

今日の実技は皆さんとても集中していましたね。どの絵からも熱量が感じられました。きっとそれぞれに、気づきや学びがあったのではないでしょうか。

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2022年6月1日(水)絵本わくわくコース・高科正信先生の授業内容

2022-06-02 15:16:08 | 絵本わくわく塾
毎年、話されるテーマが違うのですが、今期は子どもの本についての話をしていただき、
今期最後の授業は「さよなら子どもの時間」がテーマでした。

12世紀の古文で『梁塵秘抄』があります。

 遊びをせんとや生まれけむ
 戯れせんとや生まれけむ

 遊ぶ子どもの声聞けば
 我が身さへこそ揺るがるれ

また岡本夏木の『幼児期』の中でも
「わが身まで揺り動かされるのはなぜか。
それはわれわれ自身の中にも遊びへの強う要求と感情があり、
それが子どもの声によって強い共感へとかりたてられるからです。
このことはまた、われわれ大人自身の中にかつて子どもであった自分を宿し続けていて、
その内なる子どもが大人の自分をゆるがすことも示しているといえます」
と、大人になっても「子どもを生きる」ことはできる。と、書かれています。



『深呼吸の必要』 長田弘 (晶文社)を、紹介していただきました。
 子どもはいつ子どもでなくなるのか?
「あのときかもしれない」の中で、こんな時に子どもでなくなるのではないかと丁寧なことばで綴られています。

映画もご紹介いただきました。
映画『スタンドバイミー』では、12歳の4人の少年が体験した物語。
大人になって別の世界で暮らす4人。12歳の夏はもう二度と戻らない。
愛がテーマになった名作です。


本日は子どもは自由で素晴らしい感性の持ち主だ!と、いう絵本を紹介していただきました。



『ぼくのくれよん』   長新太 (講談社)
『おばあさんの青い空』 片山健 (偕成社)

『おばあさんの青い空』の主人公コジさんは、スズキコージさんのことだそうです。



長新太・片山健・木葉井悦子・スズキコージ・荒井良二などの絵本作家は、自分の中に子どもを持っていて、子どもを生きることで絵本を作ることが出来る絵本作家です。
そんな荒井良二さんも「子どもが描く絵にはかなわない」と、おっしゃっていました。


高科先生の授業では毎年話すテーマが違いますので、来年はどんなテーマでお話されるのか楽しみです。
ぜひ来年もスポット受講で受けに来てくださいね。


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絵本とイラストを学べる「絵話塾」からのお知らせです。
6月の絵話塾のガイダンスを下記の日程で行います。

各回5名で興味のある方は、ギャラリーVie絵話塾までお問い合せください。

皆さん待っています!

・6月5日 (日) 14:00  17:00
・6月11日(土)  11:00
・6月12日(日) 11:00
・6月18日(土) 11:00
・6月19日(日) 17:00
・6月25日(土) 11:00  17:00
・6月26日(日) 11:00

よろしくお願いいたします。
………………………………………………………
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神戸市中央区元町通3-2-15セントラルビル元町5F
ギャラリーVie 絵話塾 村上政行
mail:kaiwajuku@galleryvie.jp
URL:https://www.galleryvie.jp/
tel.078-332-5808
fax.078-332-5807
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