やまめの庭つくり

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大磯 庭園めぐり2

2010-02-11 | 庭園見学
旧島崎藤村邸に行きました.

大磯駅から近いです.

島崎藤村といえば,高校時代に本を手にした覚えがあります.
が,内容を覚えていません・・・yellow12

島崎藤村邸は,大磯駅から徒歩5分,
145坪の敷地に24坪の家と,13坪の書庫(だった建物で,現在はご親戚の方の住まい)が建っています.

お金持ちの大きな別荘と違ってこの程度の規模は「町屋園」と,地元の人に親しみを込めて呼ばれていたそうです.

これら貸別荘は地元の裕福な商家などが建てていたそうで,藤村邸はお菓子屋さんが3棟建てたものを貸し出していたとのこと.

このお菓子屋さんは,政財界の人たちのお茶会にお菓子を届けていたそうなので,かなりの数寄者だったようです.

別荘の一角,京間の四畳半は,天井を低くし,下地窓や,利休が愛用したハギの窓,雨戸の戸袋のひょうたん模様の切り込み,垂木はなぐり仕上げ材と丸太を交互に使用し,軒裏の化粧天井にしの竹の吹寄せで軽やかな感じにするなど,随所に凝った作りがなされています.



このあたりの別荘は,縁側が広いのが特徴で,藤村はそこに薄縁を敷いてお客さんが過ごしやすいようにしていたとか.



大家のお菓子屋さんは藤村の大ファンだったそうで,夏になると台所でお手製のくずきりなどを作ってあげたとか.

いいですね~symbol4




庭の植物も当時のまま,ほとんど変化していないとのことでした.

大磯は空襲にやられなかったことと,樹の手入れがきちんと行われていることで,庭の雰囲気は往時のままだそうです.

最後に入り口のシダが生えた屋根付きの門についてのお話.

少しだけ低く作られていて,ややかがんで出入りする姿勢になります.



これには意味があって,訪れたお客さんが充分にもてなしてくれてありがとう,と軽く会釈しながら出て行かれる,そんな姿勢をお客さんに自然に取ってもらえるくらい満足していただきます,そのくらい素晴らしいおもてなしをしますよ,という意味があるそうです.



門の高さにそんな意味があったことを初めて知りました.