土曜日,現在世田谷区で造成中の日本庭園の見学会にJLFの企画で行ってきました.
ここは,東急二子玉川駅から徒歩15分くらいのところにある大型都市公園で,約半分の面積が来年3月頃オープン予定だそうです.
すぐそばには多摩川が流れ,周辺には国分寺崖線の緑があり,遠く富士山や丹沢山系が望める場所でもあり,東京でも自然環境豊かな土地柄です.
来春オープンするエリアの目玉である日本庭園は,2010年12月に公募型プロポーザルによって,JLFの世話人でもある戸田芳樹風景計画の戸田先生と高崎設計室の高崎先生に決定されました.
プロポーザルという言葉がよくわからなかったのですが,コンペ方式が設計案自体の評価を行うものに対し,プロポーザルは技術的に高度な業務の際に具体的な課題と解決策を含めた企画提案をして,評価するものだということです.
今回は日本庭園と言うことで,石組みなどの高度な技術力が必要になるため,設計者と庭師・石組師が一緒に参加する形式となったそうです.
全体像はまず,工事の看板で,こんなふうに表示されています
.
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完成したら無料で子供からお年寄りまで,車いすの人も楽しめる公園になる予定だそうです.
赤線で囲まれた部分が今回見学した日本庭園を含む来春オープンのエリアです.
青い池の周辺が,滝~流れ~池,東屋,苔の庭などが造られていくところです.
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現場を見る前に,まず,模型で全体の構想を説明してもらいました.
戸田先生と高崎先生は庭園を造るにあたって,京都の庭ではなく,関東ならではの日本庭園を造ろうと考えたそうです.
そのため,この公園~遠景の山々までの景色を大・中・小の自然,山~里~庭としてとらえ,富士山~多摩川~国分寺崖線を表現していこうと考えているそうです.
滝石組みは多摩川の切り立った岩から流れ出てくる源流のイメージ,流れから縦長の池は多摩川の開放的な景色を表し,その視軸と垂直に交わる軸には西に向かって富士山が見える景色を表現しているそうです.
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この左の2つの築山が2カ所から見える富士山になるとのことです.
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実際の景色では建物があるため本物の富士山は見えないそうですが・・・
滝~流れの景色は多摩川のいくつかの景観を象徴的に取り入れるそうです.
どんな景色をどのように表現されるのか,完成したらまた説明していただきたいものです.
また,植栽や石についても関東のものにこだわっているとのこと.
石組に使用する主な石は根府川石,榛名石,筑波石,ミカホ石(三波石によく似た青石),フジボクの5種.
また,現在よく使用されている現代的な石も作庭に使っていくそうです.
植栽はスダジイ,苔は東京の地ゴケにこだわったそうです.
デザインとしては,ユニバーサルな日本庭園をひとつのテーマにして,弱視の人が5種の石や苔を実際に触ったり,車いすの人の目線から,水の表情が楽しめる仕掛けも考えているということです.
早速みんなでヘルメットを被って現場へ.
大きなクレーンがいるところが滝石組の現場です.
右手の白っぽいコンクリートの所は池になる予定の場所です.
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左端の滝から池に向かって流れが造られています.
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池の方に降りてみると,横の敷地に建つタワーマンションが何とも言えず邪魔
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ただ,これから植栽をしていくことで目線を誘導していけばここまで気になることはないかもしれませんが・・・
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盛り土の向こうには築山で表現された富士山
ちょうど夕日が沈んでいく方角だそうです.
なんだか,雄大な自然を感じることが出来そう・・・
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この築山は,公園の外から見る人に,ここに日本庭園がありますと伝える意味もあるそうです.
日本庭園は景色のモチーフを取り入れることにより庭園の中に自然を表現し,庭園の外の景色とのつながりを意識することで,さらに景色の一部となるような世界が造られていきます.
回遊して変化する景色を楽しみ,視軸による計算された景色の解放,集中,スケール感,水の景色による光・風の変化,時間軸のようなものを感じることが出来る「庭」です.
そんな日本庭園がどんな風に実際造られていくのか,その過程に少しでも触れられた貴重な体験でした.
明日は,滝石組みの現場の様子をアップしたいと思います.
ここは,東急二子玉川駅から徒歩15分くらいのところにある大型都市公園で,約半分の面積が来年3月頃オープン予定だそうです.
すぐそばには多摩川が流れ,周辺には国分寺崖線の緑があり,遠く富士山や丹沢山系が望める場所でもあり,東京でも自然環境豊かな土地柄です.
来春オープンするエリアの目玉である日本庭園は,2010年12月に公募型プロポーザルによって,JLFの世話人でもある戸田芳樹風景計画の戸田先生と高崎設計室の高崎先生に決定されました.
プロポーザルという言葉がよくわからなかったのですが,コンペ方式が設計案自体の評価を行うものに対し,プロポーザルは技術的に高度な業務の際に具体的な課題と解決策を含めた企画提案をして,評価するものだということです.
今回は日本庭園と言うことで,石組みなどの高度な技術力が必要になるため,設計者と庭師・石組師が一緒に参加する形式となったそうです.
全体像はまず,工事の看板で,こんなふうに表示されています
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完成したら無料で子供からお年寄りまで,車いすの人も楽しめる公園になる予定だそうです.
赤線で囲まれた部分が今回見学した日本庭園を含む来春オープンのエリアです.
青い池の周辺が,滝~流れ~池,東屋,苔の庭などが造られていくところです.
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現場を見る前に,まず,模型で全体の構想を説明してもらいました.
戸田先生と高崎先生は庭園を造るにあたって,京都の庭ではなく,関東ならではの日本庭園を造ろうと考えたそうです.
そのため,この公園~遠景の山々までの景色を大・中・小の自然,山~里~庭としてとらえ,富士山~多摩川~国分寺崖線を表現していこうと考えているそうです.
滝石組みは多摩川の切り立った岩から流れ出てくる源流のイメージ,流れから縦長の池は多摩川の開放的な景色を表し,その視軸と垂直に交わる軸には西に向かって富士山が見える景色を表現しているそうです.
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実際の景色では建物があるため本物の富士山は見えないそうですが・・・
滝~流れの景色は多摩川のいくつかの景観を象徴的に取り入れるそうです.
どんな景色をどのように表現されるのか,完成したらまた説明していただきたいものです.
また,植栽や石についても関東のものにこだわっているとのこと.
石組に使用する主な石は根府川石,榛名石,筑波石,ミカホ石(三波石によく似た青石),フジボクの5種.
また,現在よく使用されている現代的な石も作庭に使っていくそうです.
植栽はスダジイ,苔は東京の地ゴケにこだわったそうです.
デザインとしては,ユニバーサルな日本庭園をひとつのテーマにして,弱視の人が5種の石や苔を実際に触ったり,車いすの人の目線から,水の表情が楽しめる仕掛けも考えているということです.
早速みんなでヘルメットを被って現場へ.
大きなクレーンがいるところが滝石組の現場です.
右手の白っぽいコンクリートの所は池になる予定の場所です.
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池の方に降りてみると,横の敷地に建つタワーマンションが何とも言えず邪魔
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盛り土の向こうには築山で表現された富士山
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ちょうど夕日が沈んでいく方角だそうです.
なんだか,雄大な自然を感じることが出来そう・・・
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この築山は,公園の外から見る人に,ここに日本庭園がありますと伝える意味もあるそうです.
日本庭園は景色のモチーフを取り入れることにより庭園の中に自然を表現し,庭園の外の景色とのつながりを意識することで,さらに景色の一部となるような世界が造られていきます.
回遊して変化する景色を楽しみ,視軸による計算された景色の解放,集中,スケール感,水の景色による光・風の変化,時間軸のようなものを感じることが出来る「庭」です.
そんな日本庭園がどんな風に実際造られていくのか,その過程に少しでも触れられた貴重な体験でした.
明日は,滝石組みの現場の様子をアップしたいと思います.