お湯は冷ましてから使う・・・って言いますが
◆一体何度まで冷ませば良いの?
これは、茶葉によって様々で一概に言えないってことが分かりました。
概して、玉露や高級煎茶ほど湯温は低い方が美味しく淹れられるようです。
◆ではどうして冷ます必要があるの?
お茶の味は<うま味・甘味>と<苦味・渋味>のバランスで決まります。
これらの素<アミノ酸類>と<カテキン類・カフェイン>の溶け出す温度が
違うために‘温度’が重要になる訳です。
<アミノ酸類> 低温でも直ぐによく溶け出します
<カテキン類> 低温では溶出しません 溶出はジックリ
<カフェイン> 低温では溶出しにくくジワジワ 高温では直ぐに溶出
ですから、低い湯温で「うま味・甘味の強い&苦味・渋味の弱いお茶」
となり、高い湯温で「苦味・渋味の強いお茶」となる訳です。
では、‘隠れ茶’の場合は?
‘隠れ茶’の生育場所は、写真でお分かりのように高冷地です。
春の日差しを少しずつ受け、ゆっくり生長し新芽もとても繊細な
みる芽(静岡方言)です。玉露は人工的に遮光してみる芽にし立て
ますが、梅ケ島では霧や環境で自然に遮光がなされています。
ですから、淹れ方はほとんど玉露と同じ=低い温度 となります。
味の決め手【温度】【浸出時間】は、いろいろ試してみて、
あなた好みの “私の淹れ方”を発見してみてください。
ちなみに、私の‘隠れ茶’の淹れ方は
【50度に冷まして70秒待って】で旨味・甘味をしっかり
感じつつカテキンの渋みをほのかに感じ、山の香とみる芽の香を味わ
いながらとても美味しく飲んでます。あ~幸せ!
(デモ、まだ慣れないので、水温計とストップウォッチが必需品です!)
水は「軟水」が香と味を壊さないと言われていますので、日本の水道水
を浄水器を通して、または日本の水のペットボトルを使います。
「すすり茶」「ずり茶」などと呼ばれるのみ方は、コーヒーで言うエスプレッソ風味!
インドネシアで現地の方々がトラジャやアラビカコーヒーを味わう方法と同じで、湯飲みに茶葉を直接入れてお湯を注ぐだけ。香・味ともに濃厚な美味しい煎茶が味わえます。
でも淹れ方にはちょっとしたコツがあります。
①茶葉2グラム程度を湯飲みに入れる
②45度に冷ました湯を(通常は50度~60度ですから、かなりぬるいお湯です!)湯飲みの1/3まで入れる
③もしあれば蓋をして、なければ大きさの合う皿を代用して2~3分待つ
④蓋で茶葉を抑えながら少しずつすすり飲む
⑤2煎目は湯を入れたら一呼吸おいてから飲む
⑥3煎目は熱めの湯で淹れ直ぐに飲む
茶葉本来の味が濃厚に味わえるのみ方。
ぜひお試し下さい。
まるで‘隠れ茶’の販売開始に合わせたかのようにBRUTUSでお茶の特集をしています。
そして、その037ページには、隠れ茶の仕上げ加工をして下さった「小島康平商店」さんの記事が載ってます。
仕上げ加工とは、製茶最後の香、味を決める重要な役割。
女性で例えるとう~~ん。お化粧もバッチリ決めた後、更に雰囲気や印象をがらりと変え得る技・・・「ヘアースタイリストみたいな物」かな? (他のご意見あったらお寄せ下さいね)
実際に「隠れ茶の仕上げ」を手がけたのは記事中の鈴木氏ではなく、その師匠であり、山のお茶にとてもお詳しい康平社長です。
例年の山の香に加え、火入れ香をつけた仕上げになっているように私は感じます。
夏を越して熟成させ、10月頃に飲むことを薦められました。
『アミノ酸がグ~~んと増え、苦味が薄れ角が取れ、奥深さは残したまま甘みをより感じるようになる。香は花のような香がついてくる』のだそうです。
徳川家康もこのように熟成させて飲んでいたそうです。
何だか難しいので、10月に飲んでみて、味わって確認してみましょう~♪
康平社長は70度以下でゆっくり甘みを出して飲んでくださいとおっしゃってました。私は60度で淹れてみましたがこれも美味しかったです。
茶商さんのなかに、梅ケ島のお茶熱烈ファンが多いことを知りました。次回はこのお話しましょうか☆