かねうりきちじの横浜・喫茶店めぐり

珈琲歴四十年の中の人が、珈琲豆荷揚げ量日本一を誇る横浜港のある町の喫茶店でタンザニア産コーヒーを飲み歩きます

え~、こんないいもの持ってるの?

2012年08月01日 | 旧ブログ記事(文化財関係)
青磁とは、磁器の一種で釉薬(ゆうやく、うわぐすり)に含まれる鉄分が青く発色したものをいいます。
 ※岩石である陶石(とうせき)を細かく砕いて練り上げた後焼いたもので、吸水性がないものを磁器、
  粘土を原料として焼いたものでやや吸水性があるものを陶器といいます。


磁器といえば、有田焼あるいはマイセンを思い浮かべる方が多いかもしれません。

ただ、世界史的に見れば、その最高峰のひとつが、宋の時代に造られた宋磁(そうじ)であることは異論のないところでしょう。

 青磁下蕪瓶(国宝)

NHK大河ドラマ“平清盛”の時代、中国は宋という王朝でした。

その時代に焼かれた磁器を特に宋磁といいます。

美しい器は、見るだけでうっとりしますが、たまに面白いエピソードもあります。

それがこの器。

 青磁茶碗 銘 馬蝗絆(ばこうはん 重要文化財)

どんなエピソードかというと・・・・・

 「この茶碗はかつて室町時代の将軍足利義政が所持していたおり、ひび割れが生じたため、
 代わるものを中国に求めたところ、明代の中国にはもはやそのようなものはなく、鎹(かすがい)で
 ひび割れを止めて送り返してきたという。この鎹を大きな蝗(いなご)に見立てて、馬蝗絆と
 名づけられた。」(『神品とよばれたやきもの 宋磁展図録』より)


というもの。



たしかにひび割れが鎹で留められています。

こうしたエピソードがあると、親近感を覚えてしまいます。

それはやはり、ヒトとモノとのつながりがあるからなのでしょうか。