既に13回目を数えたSTUDIO27の製作記です。間違い探しゲームの様に悉く異なった形状やモールド、悉く各部と干渉するサスペンション周り、ロゴの数が足らないデカール等々そのあまりの面倒くささに開始当初はリタイアも考えたりしましたが、いよいよ完成も見えてきました。余程のエラーが出ない限りは、ほぼ間違いなく次で完成となるはずです
(←ホントか?)。
とか言いながら、イキナリのエラーです(笑)。排気管カバーっていうパーツがあるんですけど
、基本色はボディー色なので塗装済みだったんですが、耐熱塗装の艶消し黒を塗らなきゃなんないってことで、先ずパーツを磨いてからマスキングして塗り分けようとしたのですが、右側のカバーを研ぎ出し中にまたもやフローリングの床にポロっと落っことしてしまいました。パッと見た時何ともなかった様に思えたので、今度は左側を磨いていたら、またもポロッと・・・。で、これまた「ま、いか」って思ってたのですが、磨き終わってライトに当てて見ると、なんと両方とも塗装面にクラックが入ってしまいました。結構大きなクラックでして、誤魔化そうにもヘタすると塗膜が剥げるかも知れない様な割れ方だったので、やむを得ずこのパーツだけシンナー風呂に入れてやり直しをしました。余談ですけど、やり直しでも塗装中に左側のパーツが自重で持ち手から外れて再度落下してしまい再度シンナー風呂へ行きました(笑)。流石にここから自然乾燥で何週間も乾燥時間を取るのはモチベーション的に厳しかったので、クリアー塗装後は乾燥ブースか使いっぱなしで丸二日強制乾燥させて復活させました。
その他の細々としたところも着々と作業を進行させました。先ずシート&シートベルトですが、シート周りのディテールだけでも、エアクッション・肘当て・アームレストコンソール等々省略された部分があまりにも多いのが気に入らなかったのですが、既にディテールに凝る方面の仕上がりは諦めておりますので、そのままマットブラックを塗装しました。ディテールが良く出来ていたならカーボンデカールでも奢ってあげちゃうトコだったのですが、費用の無駄なので塗っただけ。凹形状なのでストッキング塗装もしにくいのでマットブラック単色です。シートベルトも、わざわざ布やサテンリボンで出来た物を作る様な手間を掛ける気が失せていたので、キットのエッチングを使用。ただし、塗装及びショルダーパット部分はは少々考えまして、エッチングのショルダーパット部分に薄手の両面テープを丁寧に巻いた上で、全てのベルトパーツをホルツプラサフ→アサヒペンのスウェード調スプレー
→フラットレッドと塗装をし、バックル等の金属部分の塗装をナイフで剥ぎ取って処理しました。
次にステアリング位置の修正。キットのステアリングマウントをそのまま使うとステアリング位置が異様に下がってしまいます。そこで、キットのパーツの穴が空いてる部分を周辺含めて丸ごと削り飛ばし、元よりも上の位置に穴を開け直します。
車載カメラは、どうも実車とはモールディングが異なってる様に思うのですが、形状はおかしくなさそうなのでそのまま塗装。ここはサスアーム等と同じくカーボンの目を入れてみました。あと、識別の赤ラインは塗装にて入れてあります。色はフォーミュラーレッドを黒の上に直塗装。蛍光赤でも良かったのかな?一応、付属デカールに合わせてはあります。
サスペンションアームですが、実車はフロントとリアのプッシュロッド、そしてステアリングロッドの付け根が金属で出来ています。これを表現するべく、今回はアルクラッドⅡのクロムを使用してみました。
アルクラッドⅡは、エアブラシ専用の金属表現が巧みな塗料。単価は一本1200円と高めですが、その表現しうる金属感は通常の塗料では不可能なリアルなものです。特に「ステン・スチール」「クロム」「アルミニウム」「ポリッシュドアルミニウム」「ペイルゴールド」の5色は、自動車模型のメカニカルな部分やメッキ部分の再現に重宝する色でもあります。
ただし、この塗料には欠点もありまして、塗膜が非常に弱く塗装後は触るのも避けたくなる様な弱さであること、そしてメタル粒子以外の含有量が極端に少ない為に経時劣化(要するに酸化)が起きてしまう事、アルコール系塗料故にラッカークリアーは勿論エナメル塗料でさえオーバーコート不可という店などが欠点です。また、欠点と言う程ではありませんが、メタリック粒子が多い為に口径の細いエアブラシだとノズルの通りが悪いです。口径の大きなブラシで尚かつ低圧で吹くのが綺麗に塗るコツです。
今回はクロムを使ってみましたが、ちょっとキラキラしすぎなのでステン・スチールでも良かったかも知れません。尚、この塗料を吹く前に下にはエナメルのブラックを吹いてから吹くように指示されていますが、別にエナメルでなくてもグロスブラックなら何でもOKです。kのブラックは艶があればある程良いのですが、ワザワザ磨くのも面倒なので吹きっぱなしでも艶が出やすいモデラーズのリアルブラックを下塗りに使用しました。
さて、お次はボディ磨き。ウィングやミラーやパージボードなんかは最終組立て時に磨けばいいのですが、ボディは先に磨いておかないと作業を進める事が出来ないので先に磨いておきます。今回の作業に至るまでに、既に一回デカールの段差取りと塗装表面の均しの為の磨きを入れてから、更にクリアーを吹いてあります。で、今回磨き作業に使用したのは
#2000のフィニッシングペーパー、田宮コンパウンド粗目、モデラーズコンパウンド、ハセガワセラミックコンパウンドの面々。これを、磨き用クロスやバフスティック、それに綿棒を利用して磨きます。F2003GAは、空力附加物が多いだけではなく、車体のエンジンカウル周りの形状が非常に複雑なので、クロスだけでは磨けない部分が出てきたり凸部ばかり磨いて下地を出してしまう虞があります。そこで、プロホビーのバフスティックを使うのですが、今回は更に赤ちゃんの耳掃除用綿棒も使いました。
この綿棒ですが、普通の綿棒と違って綿の部分が大きいのですが
、赤ちゃんのお風呂上がりに使う為の綿棒ってことで、大きいのに反して非常に柔らかく、今回のF2003GAで言うと、インダクションポッド入り口の下部付近の彫り込まれた部分や給油口付近の凹凸の激しい部分に簡単に馴染んでくれるので使い易くお奨めです。また、必要に応じてWAVE製のモデリング綿棒なるものも適宜使用しております。
先ず、#2000のフィニッシングペーパーで特にデカール周辺の段差部分を入念に均します。この時、サイドポンツーン上面やノーズ上面など完成後に光が当たりやすい平面部分には、ペーパーを消しゴムに当て木として巻いてから使用すると、均し損ねてウネリを作る様な事態を避ける事が出来ます。全体を均した水洗い。
次に田宮コンパウンドの粗目で磨きます。粗目って言うだけあって、みるみるうちに艶が出てきますが、やりすぎると下地まで簡単に届いてしまいます。ペーパーで均した際に付いた大きな傷を削り取るのが主目的で、艶を出すのが目的ではないので掛けすぎに注意です。ボディ各部のエッジやコブ等の下地が露出してしまうリスクが大きい部分には予めマスキングテープを貼って保護してから磨きました。程良く艶が出てきたら水洗い。
次にモデラーズのコンパウンドを、仕上げ磨き用クロスを使用して磨いていきます。私が愛用しているのはハセガワの磨き布二種類。同社からはハセガワブランドとして銀色の仕上げ様クロスと、上の画像に映っているトライツールブランドの青い仕上げ様クロスがありますが、この作業では銀色の方を使っています。この作業では、バフスティックや各種綿棒を駆使して、なるべく隅々まで磨いておきます。先の粗目の時にマスキングテープでカバーした部分も、テープを剥がして磨いておきます。時々光に照らしてみて、概ね磨き傷が無くなれば作業終了。今回の場合、エンジンカウル上のミニウィングを先に接着しておいた為に、この周辺が非常に磨きにくかったですねぇ。後付けする人が殆どってのも頷けます、次にこの手のミニウィングがある車体を作る場合には、私も後付けにしようと思いました(笑)。とにかく何度も言うように磨きにくいボディなので、このモデラーズコンパウンドでの磨き作業は、90年代前半のF1(F642とかMcMP4/7とかね)のキットのボディ磨きに比すると3倍位時間がかかってしまいました。磨き終わりましたら、このモデラーズのコンパウンドにはWAX成分が含まれていて、傷を削って消すだけではなくWAX成分が埋まる事でも傷を消してしまう為、削りカスだけではなくこのWAX分を除去する為に中性洗剤で入念に洗いました。
ここまで済んだら、コクピット内壁やサイドポンツーン内側等の部分に、エナメルや水性アクリルのフラットブラックを塗装します。どちらの塗料もボディーに塗装したラッカー塗料を侵さないので、エアブラシを使って多少のはみ出しは気にせずブリブリ塗ります。で、乾いたら、はみ出した部分を専用溶剤で拭き取ってやります。なぜこの時点で塗るのかですが、磨く前に塗っちゃうと、艶消し塗料は表面が荒れる事で艶を消しているのですが、その荒れにコンパウンドなどが付着すると、食い込んでしまって洗っても落ちてくれなくなるからですな。
最後に、ハセガワのセラミックコンパウンド。フジミのS13シルビア製作の時に初めて使いまして、非常に気に入ってしまった仕上げ磨き用コンパウンド。これを、ハセガワトライツールの磨き用クロスを併用して磨きを入れていきます。ペーパーで出来たような傷はナカナカ消えないのですが、コンパウンドがけで出来たの磨き傷を消すのには重宝します。モデラーズのコンパウンド含有のWAX消えたと思い込んだ傷が、中性洗剤で洗う事でWAX成分が流れてしまい再び顔を出すのですが、それを消していくのがこの作業の要旨となります。
で、磨き上がったボディです。
此処まで来ればあと一息です!とか言いながら、実はボディの磨き中にエラーが出ました(笑)。磨くのに熱中してる時に、熱中しすぎてうっかりボディの後部を机の上に置きっぱなしにしていた瓶に軽くカツンとぶつけちゃいました。「ヤベ!?」と慌てて確認すると、軽くぶつけただけだけなのに、塗膜が割れてしまった部分を発見!
クラックは下地まで突き抜けて少々派手目に入ってしまいましたが、クラックが入った部分の形状が元から複雑な凹凸になってるので、思った程目立たないのが不幸中の幸い。ん~、でもヤル気度は一時的に0近くまで落ちました。スペアデカールの確保が非常に非常に非常に困難なキット故にシンナー風呂気にする訳にも行かず、剥がれ防止の為にプライマーをクラックに流し込んで、上からクリアーを筆塗りして乾燥後研いでおきました。
で、ふと思ったのですが、このキットを製作中に何度と無くパーツを落下させた私ですが、今回紹介したボディー後部のクラックや排気管カバーのクラックの様に簡単にクラックが入った場合と、メタルのパーツが歪む位の衝撃にも関わらず塗装が無事だったサスアーム・前後ウィングの様な場合とで、結果が真っ二つに分かれてしまった理由はなんだろう?と。で、思い返してみて気付いたのですが、落っことして割れた部分の下地には共通して現行ソフト99のプラサフを使用しています。一方割れなかったパーツの下地は旧ソフト99プラサフか又はホルツのプラサフを使用しております。もしかすると、割れたのはフィニッシャーズのクリアーの塗膜の硬さが原因と言うよりも、現行ソフト99の食い付き悪い癖に塗膜はパリパリに硬いって特性に原因があるのかも知れませんですな。まぁ、そもそもの要因は、私がパーツを床に落っことしたって事にあるんですけどね・・・・。で、遅まきながら、模型製作に使ってるデスクの下に、今頃になってパイル地のフカフカマットを敷きました。これで、今後パーツを落っことしても大丈夫っす♪
(そういう問題ではない)