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さらにステイサム祭り&アオシマDD51着弾

2015年08月23日 | ホームシアター&エンタメ

そうか、わざわざ延期にしてたのは、何かしらのスケジュールの遅延じゃ無くタイミングを合わせていたのか。

それにしてもデカい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マヂでデカい!!









 

値段が値段なのでと言えばソレまでだが、1/45って事で概ね完成寸法は把握していたつもりだが、こいつは予想外であった的デカさ!!!










 

まぁ、デカいのは嫌いじゃ無いですが、むしろ好きな方ですが、流石にカミさんに「車の部品でも買ったのかゴルァ!!」と突っ込まれたよ。完全に油断してた。

 

スマホと比較するとこのデカさ。「でもアマゾンのことだから、過剰にデカい箱の中にソレ程でもないものが申し訳なさそうに収まってるんでしょう?」と思いきや

 

違った。本当に中身もデカかったです。どうやら発売日は、北斗星の引退に合わせることにして、7月末から8月22日に変更したってのがホントの所のようですね。

っつーことで、取り敢えず着弾しましたが、中のレビューはまた今度(笑。あ、ネタ画像の方は、お仕事中ウッカリ開いちゃった方、ここの或る意味御約束です。

 

 

「ロシアン・ルーレット」

 これ、もう5年位前の映画なんだけど、棚の肥やしになってて今回の「祭り」でサルベージしてきた1枚。もうね、何も考えずにステイサムってだけで買ったらしく(笑

実はステイサムは思い切り脇役になってることに、今回鑑賞して始めて気が付いた次第。上の画像は海外で公開された原題「13」名義のポスターですが、

 

日本のBDのジャケットは、主役のサム・ライリーではなくステイサムをセンターに起用(笑。しかも裏ジャケットに至っては

 

ステイサムが大写しでミッキーロークが次点という扱いで主役はチョコッと写ってるだけというジャケ買い詐欺仕様の極悪版。わたしもまんまと騙されました(笑。

こういうツマランことしないで全うに売れば、結構面白いシチュエーションの作品でマトモに楽しめたのに、なんせ詐欺られてる分感想も辛くなるね。

 

 主人公のヴィンス(サム・ライリー)は、電気工事士をしながら家族と細々暮らす若者。貧しいながらも全うに暮らしていた家族は、突然の父親の大怪我を機に生活が一変。

父親の入院治療費を捻出する為に母は家を売り、父親は自分のせいで家族が苦しむことを嘆き、家族を支えるべくヴィンス自身も今後の身の振り方に苦慮していた。

 そんな或る日、ヴィンスが偶然耳にした大金絡みのやばそうな仕事を本来引き受けるはずだった男が、ヴィンスの目の前で突然死(急性薬物中毒)する。

ヴィンスは、死んだ男が引き受けるはずだった謎めいた仕事を、ヴィンスに成り代わって引き受けることにするのだが、それは17人の男達が互いに銃を向け合い、

合図と共に引き金を引く常軌を逸したロシアンルーレットゲームのプレイヤーだったのだ。

 

 上映時間90分少々、その内60分が或る屋敷の一室での狂気じみたゲームの描写に費やされる異色作。

主人公のサム・ライリーは、2007年に英国のバンドJoyDivisionの最後は自死したヴォーカリストのイアン・カーティスの半生を描いた「コントロール」で長編デビューした英国人俳優。

実際は三十路で子持ちのパパさんなのだが、その若き日のプリ夫を彷彿とさせる童顔のお陰もあって、巻き込まれた騒動に対する「そんなバカな」感を必要以上に醸し出している。

この「そんなバカな!?」感がキモの作品だけに、このキャスティングは上手いと思った。日本の配給会社の売り方は露骨すぎたけど、ジェイソン・ステイサムやミッキー・ロークという

色々な意味で「何かやらかしそう」なオッサン共に童顔の坊ちゃんが紛れ込んでしまってる構図が面白かった。

 

 共演のステイサムも、最初は「なんでこの作品に抜擢されてるんだろう?」と不思議にさえ思えていたのだが、「エグゼクティブ・ディシジョン」に於けるセガール活用法(俺ちゃん命名)であって、

窮地に陥る主人公を鉄拳で護るどころか、犬にも劣る姑息な思考の持ち主で、病気で余命幾ばくも無い実兄の治療費をくすねるばかりか、

兄には「どうせ死んじゃうなら一花咲かせな」的に煽りを入れて、ロシアンルーレット・ゲームのプレイヤーとして送り込んでるというキャラクターを演じていて、

本来はか弱き主人公をステイサムやミッキー・ロークが助けることが多いのを逆手に取って、端から彼らが万が一にも自分を助けてくれることは無いという絶望感の演出に一役買っている。

 

 個人的には、ラストも含めて凄く面白かったのだが、先述の日本の配給会社の姑息な売り方もあって、正直観る人によって天と地ほども評価が二分する作品かと思う。
13 - Trailer

 

「ハミング・バード」

 「堕天使のパスポート」でアカデミー脚本賞にノミネートされたこともある小説家のスティーブン・ナイトが初めて監督に挑んだ長編映画。

 過去に大罪を犯した男が、2人の女性との出会いを通じて自分なりの贖罪を考えるようになるというヒューマンドラマ。一応(笑。

 

 主人公のジョゼフ・スミスは、元はアフガニスタンに派兵されていた英国陸軍兵士だったが、今では落ちぶれてホームレスと成り果てていた。

落ちぶれた男にはロン毛が似合うのかは知らんが、前回紹介した「バトル・フロント」と同じく序盤はロン毛のステイサム。或る夜、ホームレス生活で出会った1人の少女に匿われながら、

名前をジョーイ・ジョンソンと名乗っての隠匿生活をしているところに、町を牛耳るギャング配下のチンピラに絡まれ命からがら逃げ出すショボい主人公。

追いつかれ殴られ蹴られ、それでも何とか逃げ延びた先は、とあるアパートの一室であった。その部屋の持ち主が金持ちで、しかも半年先まで海外出張していて戻ってこないことを知ったジョゼフは、

当面この部屋の主にすり替わって生活をする事にした。そこに何たる偶然か、銀行から新しいキャッシュカードが送られてきて、しかも暗証番号まで直ぐに解っちゃったもんだから、

早速お金をATMでズルッと引き出して豪遊(笑。しかし、とある事情でアル中なジョゼフは直ぐに豪遊に飽きて酒に溺れ、いつしかホームレスの為の配給所に来てしまう。

 

そこには、ホームレスの為の炊き出しをしながら献身的に彼らと接する修道女のクリスティナが居た。実はジョゼフは、ホームレス生活の中で負った負傷が悪化し感染症を患っていたのだが、

そのことをクリスティナに告白し、治療の為の抗生剤の入手を依頼する。そして、あの日生き別れた少女の行方を知りたいと、クリスティナに情報の入手を依頼するのだった。

 

 抗生剤を入手し、日毎に回復していくジョゼフ。そして彼は、この成りすまし生活からの独り立ちの為に身を鍛え直し、いつしか中国人実業家お抱えの用心棒になっていく。

そんな折、クリスティナから、生き別れた少女がギャングに拉致され娼婦にされ、挙げ句に客に殺され川に捨てられていたことを知らされたジョゼフは、怒りに震え復讐に立ち上がるのだった。

 

 詳しい点を極力回避しながらストーリーを紹介すると上記のようになるんだけど、実際は単なる復讐モノじゃないんですよね。

アフガン時代には勇敢で屈強な兵士だったジョゼフが何故ホームレスになったのか。

クリスティナが何故修道院のシスターになったのか。

ジョゼフを拾い多額の報酬を引き替えにダーティな仕事を引き受けさせる中国人実業家の本性。

何故ジョゼフを支えた若き少女は殺されなければならなかったのか

どこか「太陽がいっぱい/Plein Soleil」っぽさの感じられる物語でありながら、その本質はアフガンでの悲劇とそれに伴うジョゼフの犯した過ちから、

修道女クリスティナにまるで神に許しを請うようにジョゼフをして思い馳せさせるが、一方の修道女クリスティナも実は大きな過ちを犯した過去があり、

お互いがお互いの背負いし罪を自分で背負う覚悟を決めながら、実は背負いきれずにお互いに赦しを請い続けているという物語こそが本作の本質かと思う。

Redemption Official Trailer #1 (2013) - Jason Statham Movie HD
 

こーれは正直アタリだったな~。ステイサムに多い無敵アクション脳筋バラエティかと思ったら、全然違ってヒューマンドラマ&儚い恋物語ときたもんだ。

しかも、これが良く出来たストーリーだし、アクション俳優とモデルさんという組み合わせにも関わらず、どっちも堂々の演技力だったわ。

 

「エクスペンダブルズ3 ワールドミッション」

 さて、今回のステイサム祭りのトリは、豪華脳筋俳優大競演の「エクスペンダブルズ」シリーズ第3弾。実はこれ、シリーズ3作中予想以上に興行成績が振るわなかったらしい。

流石にもう飽きられたのか、それとも公開前に何処ぞの阿呆が垂れ流した流出動画の影響かは知らないが、ともかくもスタローンが認める不甲斐ない成績だったとのこと。

 キャスティングは、前作からの引き続きがシルヴェスタ・スタローン、ジェイソン・ステイサム、ドルフ・ラングレン、ランディ・クートゥア、テリー・クルーズ、ジェット・リー

更に前作から引き続いてアーノルド・シュワルツェネッガーも出て来ます。この人、俳優業復帰したのもあるのか一作毎に出演シーンが増えてる気がする(笑

で、今作新たにキャスティングされたのが、先ずはウェズリー・スナイプス。冒頭いきなり彼を脱獄させるミッションから映画がスタートするんですが、

2010年に脱税で起訴された上に実刑判決を受けて実際に最近まで収監されていたスナイプスに囚人ドクター・デス役をさせるというセンスがイカす(笑。

 また、アントニオ・バンデラスも登場。脳筋か否かは微妙だが、結構バカアクションには登場履歴がある(「デスペラード」、「暗殺者」等)のも事実で、

今作では喋りだしたら止まらないマシンガントーク野郎で少々ヤンデレ入ってる元軍人というヘンテコなキャラクター”ガルゴ”に扮してます。このキャラがスンゲェ面白い。

それから、前作までCIAの守銭奴ハゲを演じていたブルース・ウィリスは御約束のギャラ交渉決裂で降板したらしく、今作ではウィリスの演じていたキャラに代わって

ドラマーというCIAの重鎮がエクスペンダブルズチームとの渉外を担うんですが、その役が何とハリソン・フォード。脳筋俳優か!?

更に、今回悪役として登場するのがメル・ギブソン。メルギブと悪役って、偶々こないだ観た「マチューテ・キルズ」のトンデモ大ボスの役が自分的には記憶に新しいんですが、

今作ではあんなドアホなバカボスではなく、主人公と因縁深い冷徹な男として登場してます。

 一方で、先述の通りブルース・ウィリスやチャック・ノリスが降板、ヴァンダムは前作で死んだ敵ボスの双子の兄弟役で再登場って話もあったが取り敢えず今回は無し、

更にはジャッキー・チェンもチョイ役では無く結構重要な役どころでの出演オファーが掛けられ話もうまいこと進みそうだったが最終的にスケジュール調整が難しいこととなり今回は無し、

その代わりって訳じゃ無いけど、今回はオッサンだけじゃ無くロスがスカウトしたという設定で、ケレン・ラッツ、ビクター・オルティス、ロンダ・ラウジー、グレン・パウエルの若者4人が

新たにキャスティングされました。特にビクター・オルティスとロンダ・ラウジーは立派な脳筋アクターでリアル格闘家(笑。

 特にロンダ・ラウジーはオッサン臭くて映像から臭いまで漂わなくて助かった的なキャスティングばかりだった本作に、おそらく初めて出てくるうら若き紅一点。

ところがところが、実はこの人UFCの女子バンダム級最強と言われる女性格闘家なんですね。登場シーンでも酒場のウェイトレスかと思わせて実際は用心棒だったという設定(笑

Ronda Rousey Highlights

リアル格闘家女優もやってる人と言えば、「エージェント・マロリー」「ブライド・ウェポン」のジーナ・カラーノが挙がるんですが、ジーナの主戦場はUFCでは無い為、

目下ソッチ方面でもラウジーvsカラーノの実現が総合格闘技ファンの期待している夢の一戦と言われてるらしい。

 

 新旧織り交ぜた脳筋アクターによる夢の共演でストーリーなんかどうでも良かった筈なんですが、何故か今作はストーリーも結構面白く出来ている。個人的には3作の中で一番面白かった。

にも関わらず興行成績不振だったのは、やはり最初ほどのインパクトが無くなってしまったことが大きいように思うんだけどどうだろう。スタローンが本作に於ける反省点として挙げていたのは、

脳筋アクターの夢の共演を世代を超えて楽しんで欲しいとか考えちゃって、あろうことか(笑)レーティング規制回避の為に過剰なバイオレンスシーンを悉くヌルくしちゃった事だそうで、

お陰で過去作が見事R指定だったのに今作はPG-13で日本では制限無しの全年齢鑑賞可となった。これはスタローンも「我ながらバカなことをしたもんだ」と思ってるらしい。

 

 オッサン的に今作でも最も感激したのは、やはりハリソン・フォードが軍用ヘリで空中乱舞する姿を拝めたところですね。SWのハン・ソロのファルコン号のアクロバット飛行と

地獄の黙示録のウィラード大尉のキレっぷりを足したようなキャラクターは良かったと思います。ウィラード大尉はマーティー・シーンが演じたけど実はハン・ソロ役のスケジュールで

ハリソン・フォードがオファーをされつつも受けることが出来なかったキャラクターなんすよね。この空中戦シーンでは、いっそワルキューレの騎行を流して欲しかった。

 The Expendables 3 (2014 Movie - Sylvester Stallone) - New Trailer (#3)

 で、これで一応ステイサム祭りは終演を迎えたのだが、実はステイサム出演作(カメオ&友情出演除く)だとまだ「SAFE/セイフ」「カオス」「デス・リベンジ」ってところが未見なんですよね。

「デス・リベンジ」は俺ちゃんの観ちゃダメセンサーが振り切ってるのでヤメとくけど、「SAFE/セイフ」と「カオス」が残ってる。ワイルドスピードの新作がBDで出る頃(つってもすぐですがw)

この辺りも補完したいところである。

 

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夏だ!盆だ!!ステイサム祭り

2015年08月18日 | ホームシアター&エンタメ

 今年の正月明けに埼玉スーパーアリーナで開催されたベビメタの「新春キツネ祭り」のブルレイデロリアンが着弾。

 

 これ、どういう訳か、BABMETALのFC限定販売となっていて、一般販売はされないらしい。実はBABYMETALのグッズ関係は表の販売網と裏の販売網ってのがあって、

結構重要な商品がFC限定の裏販売網でしか売られないというケースが多い。特に最近では、昨年3月の武道館ライブの2日目「黒い夜」のCD版はFC限定BOXのみの販売だったし、

昨年9月の幕張メッセのライブ、そして今回発売の「新春キツネ祭り」はFC限定販売のみ。しかも、FCなら誰でも買えるって訳じゃ無く、以外と早い段階で完売となってしまうのだ。

これ、希少性や秘匿性を狙っての展開としても、ちょっとやり過ぎな感じが否めない。

 特に、ビジネスモデルとして考えた場合、数を多く用意しすぎてデッドストックと化してしまうのも問題だが(実際、武道館ライブのFC限定BOXは結構ダブついていたらしい)、

あまりに早く完売した上に、ネット上で「買い逃した~」という声の多さや、ヤフオクで早々に高値転売されてる状況を考えると、コレはコレで商機を逸してるのは間違いなく、

先ず以て物販で利益を出すことは、曲がりなりにも株式を市場公開している上場企業の手法としては褒められた物ではないと思うんだけどな~。

 ももクロ陣営はこの点に関しては非常によく考えていて、或る程度の受注生産的なシステムを導入し、多少入手まで時間を要する代わりに、

FC会員なら概ね欲しいグッズをある一定期間であれば漏れなく買うことが出来る様になっている。勿論コレにも限界があるので、「何時でも誰でも」が徹底されてる訳では無いが、

少なくともBABYMETAL陣営よりはずっとユーザーフレンドリーな姿勢だ。実はこの点は、今年の株主総会でも随分突っ込まれたらしい(流石にオッサンファンが多いBMだけの事はあるww)が、

今のところそうした意見を反映する気は陣営には無いらしい。

 

  で、早速「新春キツネ祭り」を鑑賞したのだが、今回のBDは音響的に今までのBDに比べると良く出来てるように思う。やはりMETAL系のライブなのだから、

このBDくらい低音がドカドカ出てくれないとイカンですな。本作に比べると、やはり前作までは低音が出ていなかったのがよく判る。

 一方で映像の質は相変わらずイマイチ。所謂アイドルのコンサートとは少々異なる演出が為されるBABYMETALのライブでは、必然的に場内が暗い場合が非常に多く、

一方で撮影してるカメラ機材が暗所撮影にマッチしてるとは言い難い機材が使用されてる印象で、全体的に黒浮き白飛びが目立つのだ。折角のBDでコレは少々残念。

但し、輝度の高いシーン(メンバーや神バンドのアップ等)での解像感は、滴る汗まで見事に映し出していて解像感は非常に高かった。

  そうそう、キツネ祭りと言えば、3月にWOWOWで先行放映されていたのだが、今回のBDではその時カットされた楽曲も当然ながら全部入っていて

今回、まだ音源化されてない楽曲の一つ「あわだまフィーバー」を漸く拝むことが出来た。どーでもいいですかそうですか。

 どーでもいいついでに、WOWOWで先日サマソニの生中継が放送され、番組の公式ページにも「BABYMETAL」の参加が画像付きコメント動画付でアナウンスされ、

当日は東京も大阪もオーディエンスが多すぎて安全の為入場規制が掛けられたほど賑わったにもかかわらず、放送では殆どスルーだった件。もうね、有料放送だけに詐欺ですわ。

どーでもいいですかそうですか。来月の総集編や再来月からのアーティスト別に期待。

 BABYMETAL サマーソニック2015 in東京 あわだまフィーバー

 

 

「バトル・フロント」

一本目は、「エクスペンダブルズ」でスタローンのお眼鏡に掛かっちゃったらしいステイサムを主演に起用した、スタローンが製作と脚本を手掛けたサスペンスアクション。

製作サイドに回ったときのスタローンの手腕には歴史的にラズベリーな香りが付いて回るのだが、実はかの「ロッキー」も「ランボー」もスタローン自身の脚本で製作されているのは有名。

時として物凄い魅力を発揮することがある脚本家という側面を持っていると言っても言いすぎではないと思う(ロッキーもランボーも一作目の評価は映画史に名を残すレベル)。

キャスティングはステイサムの他、ジェームズ・フランコ、ケイト・ボスワース、そして意外なところにウィノナ・ライダーとなっとります。

 

 主人公フィル・ブローカー(ステイサム)は、ロン毛が異常なほど似合わない麻薬密売組織の一員。ボスからは、ボスのバカ息子以上の信頼を得ていたのだが、或る夜の大きな取引の寸前に、

警官隊に踏み込まれてしまい、組織は壊滅的な打撃を受けてしまう。だって、ロン毛のフィルは潜入捜査官だったんですな。

っつーことで、悪党共が多少の雑魚警官の犠牲を伴いつつも次々お縄になる中、ボスとバカ息子親子が逃亡を図ります。しかし、ロン毛(←しつこい)のフィルが二人の逃亡を許さず

遂に逮捕寸前まで追い詰めた時、警官隊に囲まれた「動くな!」と威嚇された時にバカ息子がポッケに手を突っ込んじゃったもんだから、47発の銃弾を浴びちゃって死んじゃいます。

息子を目の前で殺されたボスは、警官隊に引きずられて連行される中、ロン毛のフィルに向かって悪党の決め台詞の定番「覚えてろよー!テメェのガキもぬっころす!!」と吠えるのでした。

 

 時を経て2年後。どう考えてもロン毛が似合わないと菩提樹の下の釈迦牟尼ブッダが覚った如くに思い知ったフィルは、何処か見慣れた感が漂う短髪に刈りあげて再登場。

捜査官を引退した彼は、暫し妻と娘の3人で暮らしていましたが、長年病に伏していた妻が病死し、娘マディと共に小さな田舎町に引っ越してきました。

 娘のマディは背も小っちゃくて体格も華奢な女の子。転校したばっかりでお友達も居ません。或る日、学校の休み時間に遊んでた時、

絵に描いたようないじめっ子デブッチョ3人組に絡まれますしかし、マディーは心優しき争いを好まぬ少女。3人を言葉で優しく諭すのでした。

が、そのお諭しに調子こいたデブッチョが、からかうのを止めるどころか追い打ちかけたもんだから、後は御約束の展開。ステイサムの娘がタダで済ますわけ無いですよね。

で、タダでは済まなかったデブッチョのオトンとオカンってのが、所謂モンスターペアレントとして学校にカチこんでくるんですが、

殊更このケイト・ボスワース演じるオカンってのが薬中で薬が切れかけたついでにカチこんできたもんだから常軌を逸しとるわけ。

しまいに旦那に「アノ男をとっちめておくれ」とけしかけたもんだから、旦那も調子こいちゃって、、、、後はお察しの通りです。

 

 で、子どもの前で大恥かかされたことに頭にきたイカレ母ちゃんが、今度は兄貴に「仇を取っておくれ」とか意味不明な依頼をした訳ですが、

この兄貴のゲイター(ジェームズ・フランコ)ってのが、妹の三倍イカレた男で薬物の密売なんかやってるイカレポンチ。

妹にけしかけられたゲイターは、先ずこの小さな田舎町に突然引っ越してきたフィル・ブローカー父娘が何者かを突き止めるべく、

まさか無敵のハゲとは知らずに二人が留守の間にコッソリ家に侵入しちゃいまして、そこでフィルの素性に辿り着いてしまうんですが、、、、

 

 元特殊部隊とか元諜報員とか元殺し屋とか、とかく”元”がつくトンデモ職業経歴を持つハゲ役が多いステイサムですが、本作では元潜入捜査官というポジション。

マーシャルアーツや護身術の達人で、娘にも護身術を教えて強者に育ててるという、何となくセガールと被っちゃうところがアレですが、

私腹を肥やしすぎてブクブク肥っちゃったセガールと違って、どんな役でもこなすし鍛錬も怠らないらしく体格もキレも全然変わらずってとこが違う。

 サム・ライミ版「スパイダーマン」でスパイダーマンのライバルとなるハリー・オズボーン役だったジェームスフランコ。それ以降も着実にキャリアを積んできたが、

今作での役どころは、敵役とかライバルと言うよりはステイサムの噛ませ犬(笑。むしろ途中で出て来た全身タトゥーのサイラスの方が敵としての釣り合い加減は良かった気がする。

本作の唯一残念な点は、真に倒すべき敵(ゲイター/フランコ)がステイサムの敵としてはショボかったって点だけかも知れない。

 

 で、ウィノナ・ライダーは何処行ったって話ですが、物語中盤から登場するゲイターのスケベ相手で薬中で元娼婦で情報屋というこれまたイカレた役どころ。

納屋でゲイターに尻叩かれながらズッコンバッコン犯られるわ、全身タトゥーのサイラスに脅されて簡単にゲイターを裏切るわ、

フィルの娘のマディーを拉致っちゃうわと、もう絵に描いたようなビッチ役。「ビートル・ジュース」「シザー・ハンズ」「ドラキュラ」「若草物語」なんかでヒロインやってた頃のノニーは何処行った(笑。

まぁ、彼女の場合少々ヤンデレ入ってるらしく、かの有名なデパート万引き事件以降はすっかりイメージダウンしちゃって、結果その陰りが彼女のキャリアそのものの陰りにもなっちゃった感じ。

本作の役どころも、ノニー側からすれば一種のイメージチェンジ的な要素を売りにしたのだろうけど、正直痛々しいという感想しか無いな~。

Homefront Official Trailer #1 (2013) - James Franco, Jason Statham Movie HD
  

 監督は、ゲイリー・フレダー。ゲイリー・フレダーと言えば個人的には「デンバーに死す時」。本作を見て久々に見たくなって棚を探してみたんだが、どうも今まで買い逃していたようで無かった。

Andy Garcia Things to do in Denver when you are dead

で、アマゾンで探したら知らない間にコッソリ廉価版BDが出ていたらしく買ってしまいました。考えてみれば、本作のストーリーの流れも、或る意味「デンバーに死す時」と被るね。

ともかくも、ステイサム作品としては中々好印象の本作。スタローンがマジ脳筋俳優なだけに、脚本としての脳筋現役アクション俳優の立たせ方は上手いと思った。

 

「ワイルド・カード」

二本目は、日本ではドマイナーな過去作「ビッグヒート」(バート・レイノルズ主演1986年)のリメイク作である「ワイルド・カード」。

この作品、主演はステイサムで監督はサイモン・ウェスト。サイモン・ウェストと言えば、代表作はニコラス・ケイジかJステイサムのどっちかが主演してるという印象が強い。

そういや、「エクスペンダブルズ2」にもステイサムが出てたな~。で、脚本がチョット面白い事にオスカー受賞の脚本家ウィリアム・ゴールドマイン。

そう、「明日に向かって撃て」「マラソンマン」「遠すぎた橋」「ミザリー」「目撃」なんかの脚本を手掛けた大御所です。

っつーか、そもそもこの作品の元ネタである小説「Heat」の作者がゴールドマインなんですがね(笑。原作者が脚本を手掛けてるって話ですな。

 

 ステイサム演じる主人公ニック・ワイルド。元特殊部隊の隊員だった過去を持つ男で、その類い希なるスキルを生かし、今ではラスベガスで用心棒稼業を営んでいた。

用心棒と言っても、その実は何でも屋であり、所謂”用心棒”の仕事も引き受けるけど、パイオツカイデーな尾根遺産に気に入られたいバカ男の依頼で、

わざわざ酒場で尾根遺産に絡んでバカ男にワザと殴られて尾根遺産が「きゃーすてきー、あなたみたいな男を待ってたのよー(棒」て感じに落ちる為の殴られ役とか、

まぁ何でも引き受けちゃう”何でも屋”稼業というのがホントの所。

 或る日、一人の女性が病院前の道路に瀕死の状態で置き去りにされているのを発見される。ホリーというこの女性は、実はニックの元恋人であった。

イタリア系の男に無理矢理部屋に連れ込まれ、レイプされた挙げ句に動けなくなるまで殴られたのだった。ホリーはニックに連絡を取り、

自分をこんな目に遭わせた男に復讐をしたいと願い出る。場所がマフィアの巣窟で、とある因縁からオーナーのベイビーとは相互不可侵の約束をしているホテルが舞台だった。

そのことから、ニックは事件の首謀者がマフィア関係者とさとり、ホリーの願い出を一旦は断る。しかし、そこは何だかんだ言っても腐れ縁の元恋人の依頼。

試しに探りを入れてみれば、案の定イタリアマフィアの大物ボスの跡取りバカ息子が首謀者と解り、ホリーには「アブナイからやめとけ」と諭すのだが、

あまりに酷い扱いを受けたホリーの怒りの虫が治まることは無く、成り行き上ホリーの復讐に荷担することになってしまうのだった。

 

 で、まんまとバカ息子であるデマルコ登場。いきなりサンタの帽子を被って訪問したニックを、手下と共にあろう事か脅すのだが、

ステイサム映画でステイサムを中途半端に脅すとどうなるかは推して知るべし以下説明不要。

 しかし、此処で話がスンナリ終わっちゃう訳が無く、この一件がニックにとっては命懸けの人生ゲームのスタートとなってしまうのだった。

 ん~~~、惜しい!!僅か85分という短い上映時間の作品であることから、製作サイドも或る種の失敗を予見していたのだろうけど、色んな意味で惜しい作品。

キャスティングも面白いし、物語のプロローグも悪くない。ただ、何というか、簡単に言えばテンポが悪いのだ。ダラダラと登場人物が冗長に会話するシーンも多いし、

かと言ってそうした会話の中に何かしらの布石があるわけでもなく、また水面の波紋の様に僅かな出来事が最後には大きな波紋に広がっていく的な展開も無い。

アクションは、ステイサム&アクション監督コリー・ユンってことで超一級品なんだけど、ホントにゴールドマインが脚本書いたのか?って首傾げたくなるストーリー展開。

終盤に至ってのクライマックス的な要素も無く、淡々と物語が進んで抑揚無く「これから!」ってところでイキナリ終わっちゃった感じで、

材料は全部揃ってるのに料理の仕方がいい加減過ぎたっていう印象だけが残った。なんか、もったいねー!
Wild Card Official Trailer #1 (2015) - Jason Statham, Sofia Vergara Movie HD

 

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「ケープタウン」&「ジュラシックワールド」

2015年08月08日 | ホームシアター&エンタメ

連日熱いっすねぇ。漢字間違ってないですよ。暑いよりも暑いが本音。車乗ってドサ周りしながら日に焼けていく毎日です。

412T2、ようやっとケースの台座に固定しました。今回は、アクリ屋.comさんに依頼して、ウェーブのQ型ケースの底面にピッタリ合うサイズで3mm厚のアクリルを切り出して貰いました。

まだ設置してないけど、カウル用の台座も今回は廉価版ながらアクリルのキューブを同時に注文して、これに乗っけて本体横に飾る事にしとります。目下ステアリングの切削研磨と

サイドミラーの整形&塗装作業をチマチマしとる段階。前も書きましたが、レジン材が多用されてるこのキットですが、開封して製作開始してから随分経ってるってのに、

何処も劣化してないのは凄いの一言。積んでるキットが随分あるんですが、当面安心して積んでおけますな。ちなみにデカールも未だちゃんと貼れます。クリアーもラッカーながら

時間置きすぎて枯れ果ててから磨いてるだけに全く問題無く艶を維持してます。投げずに丁寧に仕事しといて良かったと今更乍らに思うところです。

 

 

「ケープタウン」

 眼力の乏しい日本の配給会社にソッポ向かれてたフランス映画に「ラルゴ・ウィンチ」ってのがあった。コレが中々面白い作品で、実際欧州興行成績も良かったらしく、

これを監督監督したジェローム・サルの新作がこの「ケープタウン」。原題は「ZULU」という題で、ズールー戦争やアパルトヘイトを含めた南アフリカの血の歴史が本作の鍵となっている。

 主演は、「ロード・オブ・ザ・リング」で弓の名手レゴラスに扮し、多くの女性ファンを虜にしたオーランド・ブルーム。良くも悪くもレゴラスの印象が強すぎる彼だが、

今作では少々イカれた暴走刑事という役どころで、レゴラスの印象を払拭したいという思惑も手伝っての熱演だった。

 また、共演と言うより共同主演というポジションに収まるのが、オスカー俳優フォレスト・ウィテカー。「ラスト・キング・オブ・スコットランド」で各映画祭の主演男優賞を総ナメにした記憶も新しいが、

実際その演技力の幅は非常に広く、本作でも「南アフリカの黒人警官で非常にクレバーながら温厚で有能な管理職刑事」という役どころを見事に演じている。

 

 冒頭、アパルトヘイト時代の出来事か、目の前で父親を焼き殺された少年が、必死の形相で逃げているシーンから始まる。このシーンの意味は後々重要になってくるのだが、

その逃げていた少年が今では立派な殺人課の刑事になっていた。刑事の名はアリ(Fウィテカー)。或る日、彼の元に事件の一報が入ってきた。植物園で20歳前後の女性の撲殺死体が発見されたのだ。

所持品の中にレンタルビデオ店の会員証が入っていたことが糸口となり、被害者は友人からビデオの会員証を借りていた女性で、有名な元ラグビー選手の愛娘である事が判明する。

 一方、妻と離婚し荒んだ生活に身を貶めていた刑事ブライアン(Oブルーム)は、アリから事件の一報を受け捜査を開始。問題ばかり起こすブライアンを疎ましく思っていた警察署長は、

上司であるアリにブライアンを捜査に加えることに疑問を呈すが、アリは「彼は非常に優秀な捜査官だ」とツッパねる。

 アリ、ブライアン、そして彼らの良き友であるダン(コンラッド・ケンプ)の三人は、スタンと呼ばれる男が事件の鍵を握っていることを突き止めるのだが、

植物園の遺体から、謎の成分を含んだ新種の合成麻薬が検出されたこと、同じ成分の合成麻薬が入った金色の包み紙が、最近頻発していた黒人少年失踪の現場から見つかっていたこと等が絡み、

これが単なるレイプ殺人ではない様相を呈してくる中、彼ら三人に突然の悲劇が訪れる。

 

 本作は、単なるミステリーでは無い。一つの殺人事件が発端ではあるが、アパルトヘイト解消後に南アフリカが抱える事となった新たな人種問題や民族問題、

取り分け19世紀の大英帝国との争いで身を滅ぼしてしまったシャカ・ズールー王率いる族の歴史が根底に有る。

 更には、刑事三人の私生活を掘り下げて描き出し、その私生活が事件解決へ向かっての進展に大きく関わってくるところも斬新。

アリは、昔父親を差別主義者に殺された過去を持ちながらも、差別意識の強い所長の下にありながら出世を果たし、

アリの母は敬虔なクリスチャンで、年老いながらも未だ息子のアリの身を案じ続けていて、そんな母に心配掛けまいとアリは常にデスクワーク中心の事務方刑事を装う。

その部下であるブライアンは、父親が差別主義的な思想の持ち主で、それへの反発もあって父親が死んでも未だ墓に墓標を刻むことを拒み、

離婚した元妻との間に生まれた子の養育費を巡って元妻と啀み合っており、ダンは難病を患った妻を気遣いながら、アリやブライアンの前では気丈に振る舞う。

友情の三すくみとでも言うんだろうか、三人それぞれがお互いにとってのブレーキにもなっていて、そのバランスが崩れたときに”日常”が脆くも崩れ去っていく。


映画『ケープタウン』予告編
 

 これは素直に面白かった。登場人物の内面まで描くってのは多々有るんだけど、その内面こそが主題であって表だっての描写は内面を表現する為のオマケでしかない様な描き方。

結局の所、人間の行動というのはその内面にある心理面が行動に出ただけの事であって、問われるべきは行為よりもむしろ心理であるという話だった。

ラルゴ・ウィンチではどちらかというと痛快なアクションの方が印象強かったのだが、本作では逆にズドーーンと重い張り詰めた空気感が最後まで漂い続けたのだが、

その重々しさに反するかのような南アフリカケープタウン付近のビーチや砂丘の乾いた空気感とのコントラスト差が、何とも言えない絶妙な雰囲気を作品に持たせている。

巷では解りにくいとか抑揚が無いとか酷いのになると救いが無いなんて評もあった本作だが、どうしてどうして、そこいらのありきたりな結末が見えるミステリーより余程面白かった。

惜しむらくは、「ラルゴ・ウィンチ」同様に何故か日本では小規模上映で終わってしまったことか。

 

「ジュラシックワールド」

もう20年以上も前のこと。マイケル・クライトン原作の「ジュラシック・パーク」が映画化された。この小説版「ジュラシックパーク」を大学生の頃読んだ自分にとってみれば、

これをどうヴィジュアル化するのか非常に興味があったのだが、このシリーズ最初の映画化では、脚本に原作者のクライトンが関わっていたこともあって、

概ね原作の流れやテーマに沿う内容になっていて何度見たか解らない位、自分にとってリピート鑑賞数の多い作品の一つとなった。

 しかし、続編の「ロストワールド」が全てをぶっ壊してしまう。クライトンの本意は今となっては知ることも出来ないのだが、原作小説では一作目に増して非常に面白く、

またスペクタクル要素も満載の素晴らしい内容だったのに対し、映画版はスピルバーグ側に「原作無視しても良いからご自由に」と小説版と並時進行での製作となった事も災いして、

スピルバーグ自身の恐竜好きからくる誇大妄想をヴィジュアル化した自慰的作品に成り果ててしまう。終盤アメリカ本土の岸壁で咆哮するT-REXを見たときには、

手に持ってるジュースのコップをスクリーンに投げてやろうかと思ったほどだった。

 そして三作目。監督がスピルバーグからジョン・ジョンストンに変わり、原作者のクライトンも全くと言ってイイほど関わらない中制作された続編。二作目は無かった事にして、

この三作目を第一作の正式続編と考えた方が幾分精神衛生上は良いかも知れない。ただい、あくまで「ロスト・・」よりマシってだけで、内容は原作小説は言うまでも無く

劇場版第一作にも遠く及ばない。

 そして、今回の4作目。既に原作者のクライトンもリチャード・アッテンボローも他界した今、本作がどう転ぼうがお咎め無い環境ってのもあるのか知れないが、

まさかまさかの4作目である。図らずも家族で新規オープンしたJR大分駅の駅ビルに遊びに行ったところ、偶々その日が公開初日だったこともあって、

カミさん&娘2人の女子組がウィンドウショッピングに勤しむ間、駐車場の無料券をお確保すべく1人で同ビル内のシネコンでコレを鑑賞。

当初は「ターミネーター・ジェネシス」かもしくは「アヴェンジャーズ」の新作を観ようかと思っていたのだが、生憎どちらも日本語吹き替え仕様での上映だった為断念。

BD出たら家で観ればいいやと思っていた「ジュラシックワールド」を鑑賞するしか無かった。昔は日本語吹き替え仕様なんてのは家庭用パッケージソフトのオマケでしか無かったのに

今やスッカリ市民権を得て、むしろ字幕版よりも上映スケジュールに恵まれている場合が多い。個人的にはリップシンクが合わないと生理的にキモいので吹き替え版は有り得ないんだけど。

 ターミネーター・ジェネシスのようなリブート作ではなく、本作はあくまでシリーズ4作目という位置付け。旧シリーズの親玉ジョン・ハモンド(故リチャード・アッテンボロー)が遺したジュラシックパークは、

度重なる事故により多大な人的被害を出したこともあって大失敗。しかしながら、彼が遺した恐竜たちは、パークのあったイスラ・ヌブラル島は今やハモンドと懇意だったサンジェイの息子サイモン・マスラニの手によって

20年の月日を経て「ジュラシック・ワールド」として再生され、今や世界的に大人気の恐竜テーマパークとして賑わっていた。

 しかし、恒常的な黒字運営を図るには、今やT-REXやトリケラトプスといった定番の恐竜たちだけでは物足りなくなってきており、サイモン達施設の上層部は禁断の手法に手を染めてしまう。

ジュラシックパーク時代にも計画に参画していたヘンリー・ウー博士の指揮の下、遺伝子工学の粋を尽くして様々な生命体の遺伝子を掛け合わせたハイブリット恐竜を生み出そうとしていたのだった。


←20年前のウー博士。原作だと恐竜にぶっ殺されるんすけどね。

 公開されたばかりなので詳細は書かないけど、今作は金の掛け方と内容の出来映えのアンバランスさが酷いと思う。例えるならハリウッド超大作としては最大級とも言える金を掛けておきながら、

内容は「ジュラシックポーク」とか「ジュラシックパンク」ってタイトルが付きそうなビデオスルーのB級ビデオ映画レベルの内容。スピルバーグと言えば「ジョーズ」という歴史的超大作があったけど、

この「ジュラシックパーク」もシリーズを追うごとに酷くなる御約束は未だ健在って感じ。疾走するラプトルと共にバイク乗った人間が最凶の暴君を倒すべく森を疾走するしーなんか見せられた日には、

クライトンが生きてたら全身の関節が脱けて崩れ落ちるんじゃなかろうか。

 た・だ・し、ヴィジュアルエフェクト的には素晴らしい映像だったのも間違いない。今やラプトルはもっと小型で全身が羽毛で覆われていたことが解っているにもかかわらず、

「ジュラシックパーク」当時の考証からの再現、即ちトカゲっぽい姿を踏襲していたり、今回初の海生巨大生物としてモササウルスが出て来たり、あくまで本シリーズに於ける恐竜像をしっかりトレースしていて、

科学的考証をガタガタ持ち込まないならば、動く恐竜を巡るサバイバルアクションという意味での迫力は過去最高の出来。これだけの映像を作れるのであれば、

発表当時映像化は無理なんじゃ無いかと言われていたクライトンの小説版「ロスト・ワールド」もリブートすることが可能なんじゃなかろうか。むしろそっち方向に舵取りして欲しかった気がする。

まぁ、小説版を映像化するとすれば、興行的な面で考えるとどうしてもレーティングの問題が出てくるだろうし、日本以上に海外、殊更アメリカでは恐竜が子供に人気があることを考えると、

本作のようなギリギリのラインで尚且つ救いのある形で幕を閉じさせる必要があるのだろう。

また、本作には過去作同様に子供が絡んできます。実は原作小説でも「ジュラシックパーク」「ロストワールド」で各々登場する子供が大活躍。

しかし、その活躍には意味があって、たとえば「JP」では非常に頭の良い少年ティムが一々騒いで周囲を危機に陥れる妹のレックスを護りながら、

最後は大人達が子供たちを護って次々命を落とす中、勇敢にもパークのシステムを再稼働させ急死に一生を得るという重要な役どころであったし、

「LW」では、頭脳派草食系男子のアービーと肉体派肉食系女子のケリーをはじめとする子供達の機転によって何人もの大の大人が命を救われていたりする。

本作では、全力中二病の兄ザックと恐竜マニアで臆病者のグレイという2人の子供が半ば主人公的に出て来ますが、今作のこの2人の子供は、

殆ど逃げ回るだけで何も仕事はしません。むしろ、コイツらのお陰でタダでさえ危機的状況にあったパーク内の被害が更に拡大してしまう事となってしまいます。

本作の主演はクリス・ブラッド。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」で地球人とエイリアンのハイブリットな主人公を演じた彼が、今回はハイブリット恐竜に酷い目に遭わされる。

立ち位置的にはシリーズ御約束の博士系ではなく、一作目のマルドゥーンの様なポジション。ジュラシックワールド内では主にヴェロキラプトルの飼い慣らしに挑戦中であり、

自らラプトルのボスとなるべく、ラプトル4姉妹の行動を綿密に研究している。お陰で恐竜の生態にも非常に詳しい。

こういうプロットが好きじゃ無いんだよなぁ。恐竜と人間が相容れちゃいかんすよ。まぁエイハブ船長の物語生んだ国も今や日本やノルウェーを目の敵な位ですから、

「愛さえあればわかり合える」と寝ぼけたことおもうんでしょうけどね。

して、本作のヒロイン(?)は、ザック&グレイの叔母であるクレア女史役のブライス・ダラス・アワード。どっかで見たことあると思ったら、

美人なヒロインのキャスティングを本能で避ける漢サム・ライミ版のスパイダーマン3で、サブヒロインだったグェイン役の女優さんでした。

ちなみに本作では、エロくもカユくもありません。華になってないというか、逃亡劇の立派なお荷物ですよ。

っつー感じで、内容はアレだしキャスティングもゴニョゴニョなのでぶっちゃけこれをレンタルで借りてきて普通に観ちゃうと30分で眠くなる可能性もあるんですが、

自宅に5.1ch以上の再生環境があるなら、大音量再生とかしちゃうと結構楽しめる作品かも知れません。それと、今回は「進撃の巨人」や「ターミネーター新機動」に3Dを取られてたらしく

IMAX画角さえ楽しめないホールでの鑑賞だったのだが、本来はIMAX 3Dで鑑賞するよう設計されている作品であり、事実3Dだとのけぞっちゃうようなエフェクトも沢山ありましたんで、

家庭用で発売されたらもう一回本来あるべき鑑賞形態で観てみようと思うところです。

映画『ジュラシック・ワールド』日本版予告編3

 

尚、ジュラシックワールドの公式サイトは結構面白い作りになってます。或る意味本編よりもコッチの方が面白いかも(笑

ジュラシックワールド公式

コメント (3)
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