ここんとこ忙しかったのですが、漸く日付変わる前に仕事を終われる様になってきた@河童です。
ムルシロドスタ、ここまで復活しております。
一部パーツを箱形ムルシエラゴと共有しているせいなのか知らないけど、
リアのエアインテイクの蓋とエンジンフードの合いが、前回殉職した一号機に比べてカナリ悪くなってましたので、
今回はインテイクとフードはボディーに固定してしまいスジ彫りも全部埋めてから彫り直してます。
そんな訳でフード固定です。またかよ(笑。詳細は次回更新にて。
三台続けてボディー塗装して、サフもメタリックもマジョーラも吹きまくったこともありまして、
ムルシロドスタの塗装の前に、一度エアブラシの大掃除をカマしました。お馴染みのウガイ掃除でもかなり綺麗になるとはいえ、
先に塗っちゃってる二台と違ってロドスタには彩度も明度も高い色を塗るつもりなのですが、
いざ塗ってるときに得体の知れない顔料のカスとかブリブリっと出てきては嫌ですし、
ボタンも渋くなってきたこともありまして、バラし掃除してみました。そういやkazuさんも、
「変なのがエアブラシから出てくることがある!」
とか吠えてましたよね。参考になりますでしょうか?
手持ちはオリンポスのPC101改(コンプ用)、タミヤのHGダブルアクション、クレオスのLWAの三本が我が家では現役です。
実は先日三割引&送料無料に釣られて某所でクレオスのFWAプラチナ0.2mm買っちゃったので、
101はソレが届いたら現役引退ですな。でも折角なので三つともお掃除です。
エアブラシのメンテは、メーカー提出のOH処理で無く、専用の洗浄道具をユーザーが持っていない限り、
以下の図のポイントがメンテ可能箇所となります。
①がノズルキャップ、
②がキャップを外すと出てくるノズル、
③が塗料の吐出経路、
④がカップ別体型に限りますがカップ接続部、
⑤がカップ、
⑥が操作ボタン、
⑦(青点線部)がニードルとなります。
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先ず、洗浄溶剤について。ラッカー塗料を使用する場合が殆どであることと、プラモ用薄め液よりも強力で売値が安いので、
私はホームセンターなどの塗料コーナーに売ってるラッカー薄め液を使用していますが、
今回はクレオスのツールクリーナーを使用。臭いがアセトンっぽいのですが、まんまアセトンだったりして(笑。
いずれにせよ、ラッカー薄め液より更に強力ですが揮発が激しいので要ガスマスク。
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先ず、深めの塗料皿にツールクリーナーを入れ、エアブラシ先端の二段重ねのノズルキャップを外してクリーナーに浸けます。
①
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次に最後部のニードル開度調節用のネジを取り外し、更に後部カバーも取り外します。
するとニードルストッパーが出てくるので、これを緩めてニードルを少しだけ引き出します。
塗料カップから覗き込んで、ニードルの先端が見えるか見えないか位で再度ストッパーを閉めて、
これから使用する溶剤がボタン機構部なんかに進入しないようにします。
⑦
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次に、ノズルを分解します。タミヤやクレオスのノズルには分解用レンチが同梱されてますが、
そもそも規格品なのか、タミヤの工具を使用して、タミヤ以外にクレオスやオリンポスも外せます。
ノズルは非常に壊れやすいパーツでもありますので、取り外しと再取り付けには細心の注意をはらうこと。
特に取り外し時よりも取り付け時にヤラかす事が多いトラブルです。
トラブルとしては先端部吐出口の変型と割れるってなとこですかね?もしやらかしても、
タミヤやクレオスなんかはアフターでノズルやニードルは個別に買うことが出来ます。
オリンポスは、気がつくと取り扱い店が模型系では激減しちゃったし、通販サイトもないので
取り寄せに苦労するかも知れません。ノズルが外れたら、これもクリーナーに浸け置きます。
②
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ノズルが外れたら、今度は塗料の通り道を洗浄します。
これについては、ホームセンターや生活雑貨店で売ってる歯間洗浄歯ブラシを使います。
このブラシがスゲェ便利でしてね、ブラシ部分を溶剤に浸して、
ノズルが外れた穴からソロっと突っ込んでクリリっと磨きますと、
そらもう得体の知れない汚れがゴッソリ出てきます。まるで汚れきった自分の人生の様です。
クリアー吹いたり白吹いたりしても大丈夫だったはずなのに、いざ掃除してみるとこのザマっすから、
腹黒いというかなんというか、ともかく嫁の不倫を知ってしまったような衝撃です(大袈裟)
内部に無駄な傷を付けないよう注意しながらですが、経路をキッチリ洗浄してやります。
③
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次にカップを洗浄します。
カップ内そのものは通常使用時の洗浄で大抵は綺麗になってると思いますが
⑤、
カップの取り外しが可能な機種は、本体との接続部分の細い穴やネジ溝が汚れてるので、
先ほどの歯間ブラシで汚れを落とします。
④
タミヤのように真上にカップが付くモノは比較的楽ですが、
オリンポスの様に再度カップのモノはジョイント部も別体になってますんで面倒くさいですな。
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次にピストン部のメンテ。ニードルが外れてるのを確認して、
後部のスライド部を後方に引き出しながら(スプリング制御になってます)、ボタンを真上に抜きます。
ボタンとピストンが一体のモノであれば、これでOK。オリンポスのようにボタンとピストンが別体のものは、
ボタンを引き抜いてから、程良い太さの金属線なんかでピストンを本体下に押し出して外します。
外したら、先ずは溶剤に漬け込んで洗浄します。
ピストン部とは画像の赤丸部の事でして、此所の潤滑が悪くなると、使用時にボタンを押したら戻りが悪くなったり、
酷いときはエアが出っぱなしになったりしますので、ピストンにグリスを注します。
グリスは万能タイプでも良いのですが、シリコングリスだとパッキン部の変形防止も兼ねてくれるので私はそっちを愛用。
グリスを注したら、ニードル通過部分にグリスが付着したりしないよう注意しながらピストン&ボタンを元に戻して完了。
別体のものなら下から差し込めば適正位置で止まるはずです。
⑥
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ノズルの清掃は、小一時間も溶剤に浸け置けば、大抵の付着した汚れは溶け出してる筈なので、
ティッシュ等をコヨリ状にして溶剤に浸し、それをノズルの根本(ネジ溝側)から差し込んでクリクリすれば、
コヨリが汚れを吸い出してくれます。汚れが取れないと言って歯間ブラシ突っ込んだりすると破損の元です。
ノズルは使ってる内に傷んでくるモノなので、掃除したのに塗料の出が良くないとかの症状が出たときは新品ノズルに交換します。
小さいクセに高いパーツですが、それでも1500円強程度なので、ブラシを買い換えるよりは遙かに経済的です。
作業が終わったら元通り装着します。この時、本体側タップに真っ直ぐ正確に填めますが、
或る程度ねじ込むまではタップを潰したりノズルを破損する要因となるので工具は使いません。
締め込みもほーーーんも僅かでOKです。ここで力を入れすぎると折れたり曲がったりねじ切ったりの元なのでお気を付けを。
②
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次にニードルの掃除。
先ずは本体内部の溶剤が揮発して乾燥してることを確認の上、後部のストッパーを外しニードルを引き抜きます。
ニードルは、溶剤を浸した綿棒(毳立ちのない質の良い物)で拭き上げます。こびり付きが酷ければ、
コンパウンドで磨いたりも良いのですが、ノズルやニードルは消耗品なので、
あまりに状態が酷ければ新品ニードルに交換するのも良いと思います。
タミヤやクレオスやエアテックスのブラシなら、こうしたパーツの入手は簡単です。
⑦
完了したら、真っ直ぐにニードルを本体内部に戻します。
この時、パッキンを通過する際に僅かに抵抗を感じるはずですが、このパッキンがゴム製で傷んでる場合は、
スカスカに通りますので、その場合本体の塗料経路外に塗料や溶剤が進入しやすくなってしまいますので要交換です。
タミヤやクレオスのはゴム製でも何か加工してあるか、ひょっとすると他の素材のパッキンが使用されてるのかも知れません。
オリンポスのは、ゴム製で傷みやすく、また交換作業がかなり面倒くさいモノになってます。
今回のメンテでは、既にOリングが劣化して消失したに近い状態になってまして、内部がカナリ汚れてしまっています。
これはOH出さないと元の性能が戻らないでしょうなぁ・・・。或る意味潮時だったって事ですか。
OH出せよって話もあるんですが、ここのメーカーのOHって塵も積もれば山となる方式で請求してきやがるので、
油断して頼むと、模型メーカー系Wアクションが買えるくらい請求されることもあるのです。
10+α年前でそうでしたから今ならどれくらいとか考えるだけでも恐ろしいw
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最後に、浸け置いたパーツをブラシで洗って溶剤を拭き取って、元通りに本体に装着していけばメンテ完了です。
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エアブラシの分解メンテって、昔は面倒この上なかったのですが、
今では色々なメーカーからメンテまで考えて設計された模型に使えるエアブラシが沢山出てますし、
更に色々掃除に便利なモノが在るお陰で、随分と楽になったように思います。タミヤやクレオスのは楽だったのですが、
老舗とも言うべきオリンポスのが非常に面倒で嫌になっちゃいました(笑。
そんなわけで、年末らしく掃除ネタでした。