ゆるゆるらいふ

とりあえず、今日も一日機嫌よく・・・

【観劇メモ】ブレス・オブ・ライフ ~女の肖像~

2014年10月21日 | 演劇

 

新国立劇場で企画されている「二人芝居 ―対話する力―」のシリーズ第1作目となるこの作品。

若村麻由美さんを一度観てみたいと かねてから思っていたので、
公演直前に思い切ってチケットを買って、行ってきた。

若村麻由美さんが演じるマデリンが一人で暮らすイギリスのワイト島にあるテラスハウス。

そこに久世星佳さんが演じるフランシスが突然訪ねてくるところから物語は始まる。

どうやらフランシスが離婚した夫とマデリンは不倫関係にあったらしい。
二人が愛したマーティンは、すでに若い女性と再婚し、アメリカに渡ったようだ。

二人の子供を育てる専業主婦だったフランシスは今は流行作家となり、
マデリンは未婚のキャリアウーマンで、研究者として活躍している。

ありがちなドロドロなのかと思いきや、フランシスはいたって冷静で、
3人の関係の回顧録を書くための取材、などと言う。

かくして、夜を徹して二人の対話が始まる。

品のいい、セレブな奥様って感じの久世さんが、本妻の自信のような上からの感じで感情を抑えて淡々と話す。
対するマデリンは、突然押しかけられ、終わったことを蒸し返され、いらだちを隠せない。

第1部では、皮肉や当てこすりの応酬がとてもリアルで、話がさっぱり噛み合わず、お互いの本音が見えない。

第2部になり、マーティンの知らなかった顔をお互いに知ることになる。
フランシスに無い部分をマデリンに、マデリンにない部分をフランシスに、
自分にとって都合のいい部分、理想の部分を求めるマーティンの愚かさ、幼さが見えてきて、
女性二人が徐々にお互いを理解しはじめ、最終的には今までの自分から新たな一歩を踏み出す予感を残す。

とにかく、二人の応酬が息もつかせないテンポで進んでいく。

穏やかに話していたと思ったら、抑えきれない悔しさに涙ぐみ、怒り、落胆し・・・。
観ている私まで、交互に感情移入してしまい、一度も現れないマーティンがホントに腹立たしく思えてくる

こんなに二人を傷つけて、自分は若い女とアメリカってどういうこと
って感じでいらいらしてきちゃう

翻訳劇ってこともあり、台詞が吹き替えの洋画を観ているように響く。
それがとても洗練されている感じがして、なんだか心地よい。

時折、感情を表すものの、終始冷静に静かな笑みをうかべている久世さんとは対照的に、
不快感をあらわにして、くるくると表情が変わり、大人げない態度をとり続ける若村さんはとってもキュートで魅力的。
そして何よりホントにきれい

現実の世界でこんなシチュエーションがあったら、きっともっとドロドロなんだろうなあ、と思いつつ、
自分だったら愛人に会いに行ったりするかなあ、なんて考えてみたり・・・。

自分に都合のいいところをいくつも持ち合わせた理想の相手なんて、そうはいないってことを、
男性たちはなかなかあきらめきれずに追い求めてしまうのかしら・・・?

願わくば、こういうことが自分の身に起こることなく、人生を終えられますように・・・
などと考えてしまった午後でした。















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