「奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話」イキウメ
原作 小泉八雲
脚本・演出 前川知大
2024/8/21,28 東京芸術劇場シアターイースト
2回も観てしまった!
劇団からの優先予約で同じ日に申し込めるのが2枚まで。
友人二人が行きたいということで、私はそれぞれと出かけることに。
2回目は1回目よりも細かいところに気が付いて
より楽しむことが出来た。
こういうのもなかなかいい。
今回の「イキウメ」の公演は夏にぴったりの怪談話。
小泉八雲の怪談5編を劇中劇にして、現実に起こった事件とからみ合わせて、不思議な世界へといざなわれる。
自殺した女性の遺体が警察の遺体安置所から何者かに持ち去られた。
犯人らしき小説家が逗留する古い宿に二人の刑事が聞き込みにやってくる。
そこで語られる百物語のような怪談話。
その内容と、事件がなんとなくリンクして、真相に近づいていくけれど・・・
語られるのは
「常識」
「破られた約束」
「茶碗の中」
「お貞の話」
「宿世の恋(牡丹灯籠)」
の5編
小説家(浜田信也)
二人の刑事(安井順平・盛隆二)
女将(松岡依都美)
や、宿の従業員たちが、現代の事件の話をしながら、
すっと昔の怪談話の登場人物に変わる。
死んだ後に後妻を呪い殺す前妻になったり、
僧侶になったり、死んでしまった恋しい女に憑りつかれて自らも死を選ぶ武士になったり・・・
服はそのまま、セットもそのまま
でもすっと怪談の世界に自然に変わるさまが、
何の違和感もなくて、引き込まれる。
ちょっとコミカルなところもあり、
ぞっとするところもあり、
切ないところもあり・・・
小説家役の浜田さんの無表情でミステリアスな感じと
刑事役の二人のちょっととぼけたコミカルな感じと時々シリアスな雰囲気が絶妙で、
遺体が消えるとか、思わぬところに思わぬ人と埋まってたとか、
そして死亡推定日時に大きなずれがあるとか、
泊まっていた宿が実は・・・とか
毎回毎回あるはずのないことが、あるかも、って思わされてしまうのが、
イキウメのすごいところ。
現実には起こりえない事件だけれど、
違和感なく、受け入れられる。
恋人だった女性の幽霊に導かれて、
皆の制止を振り切って、扉を開ける武士(浜田さん)に
僧侶が「地獄に堕ちるぞ」と必死で止めたとき
ほんの少しの角度で後ろを振り返り「それが不幸とは限らない」ってつぶやく浜田さんの凄みみたいなものが焼き付いている。
あ~おもしろかった!
イキウメの公演はいつもあまり大きくない劇場で上演されるので、年々チケットが取りにくくなってきている。
次回も頑張ってゲットしなければ
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