音楽書の品揃えは、私の知る限り、東京オペラシティのくまざわ書店
と丸善本店が充実している。
先日、丸善本店に立ち寄った際に、宇野功芳の新刊『私のフルトヴェ
ングラー』(河出書房新社、2月28日新刊)が縦積みになっているのを
見つけた。
本書には、何よりも、宇野功芳(昭和5[1930]年生)と福永陽一郎先
生(大正15[1926]年生)の対談「フルトヴェングラーを再評価する」
(音楽現代編『フルトヴェングラー 人と芸術』芸術現代社、1975.5)
が載っていたからだ。
さらには、宇野功芳と佐藤眞(昭和13[1938]年生)の対談「フルトヴェ
ングラーvs.トスカニーニ 仁義なき戦い--ベートーヴェンの『第九』
と『第五』をめぐって」もおもしろい。
宇野功芳と福永先生、佐藤眞、それぞれの専門的な「自己主張」が
痛快だ。
福永先生と佐藤眞が、異口同音に、フルトヴェングラーは即興的に演
奏したのではなく、かなり練習した上で演奏しているという趣旨のこと
を言っている(本書p81、p125)のにハッとした。
なるほどベートーヴェンの「第九」の第4楽章「vor Gott」のフェルマー
タで伸ばす所は、事前に伝えて、カンニングブレスの練習をしておかなけ
れば、本番ではガタガタになってしまうというのは、まったくもってもっと
もだ。
ブル先生も、ある曲のある部分で(マーラーだったか?)、フェルマータを
どこまで伸ばすか?本番にならなければ分からないけれどついてきて、
とおっしゃっていた。
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