人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

モーツァルト「ピアノ・ソナタ第11番『トルコ行進曲付)』」

2008-07-14 05:56:16 | 音楽
モーツァルトの「ピアノ・ソナタ第11番『トルコ行進曲付)』」は、モーツァルト
のピアノ・ソナタの中でも最も親しまれている曲である。この曲を作曲した時期
に、モーツァルトは最愛の母をなくしている。しかし、不幸の微塵(みじん)も感
じられない楽しい曲である。

有名な曲だけあってこの曲の名盤は数々ある。志鳥栄三郎『不滅の名曲はこのCD
で』(朝日新聞社)には、ギーゼキング、ブレンデルなどが載っており、私もそれ
らを持ってはいるが、私が好んで聴くのは内田光子(昭和23年生)である。

内田光子は、今から26年前の昭和57(1982)年に、ロンドンでモーツァルトのピア
ノ・ソナタ連続演奏会を開催し、大変な評判となった。

このCDは昭和58(1983)年10月のスタジオ録音である。「トルコ行進曲」などた
った3分半のことであるが、その強弱感、ほんの一瞬の間、ハッとする表情がたま
らない。



もうひとつ、時々聴くのが天才グレン・グールドの演奏である。

第3楽章「トルコ行進曲」を聴かれるがいい。テンポがものすごくゆっくり(第1楽
章など止りそうである。)で、一聴素人(しろうと)の演奏ではないかと耳を疑っ
てしまう。マリオネットが踊っている様が見える。まさしく天才のなせる業(わ
ざ)である。楽しい曲ではなく、虚無感ただよう演奏である。吉田秀和氏いわゆる
「モーツァルトの偶像破壊」なのである。G.グールドが亡くなって、26年になろう
としている。生きていれば、今年76歳だった。


CDは、内田光子とグレン・グールドの両方を持っていたい。







コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ステージ上の同窓会(1) | トップ | 羽佐間正雄『勝者の流儀』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

音楽」カテゴリの最新記事