「発声法」の三本柱は、(物の本によると)
1.鼻腔共鳴
2.腹式呼吸
3.姿勢
だ。
鼻腔共鳴とハミング
『水のいのち』を歌う時など、長年(?)、(私自身は)どうも
ハミングが響かないナ~と思っていた。
最近、遅まきながら、あらためて松尾篤興『美声学』(以下の部
分)を読んで、「目からウロコ」となった。
松尾篤興『美声学』(p95)
ハミングは[n]の発音で歌うように心がけるべきで、舌を上顎にくっつけて
ブレスを鼻へ抜いて歌う、こうすると見違えるようによく響くハミングが生ま
れます。
学校の音楽の授業や合唱活動の指導者によっては、口を[o]の発音のように
ひろげて口をつむり、ハミングを歌わせますが、これでは篭(こも)った声に
なるばかりで、ハミングとして聞えません。
なるほど、よく響く(笑)。
共鳴をつかむことは、「歌」に限らず「話す」場合もいいだろう。
次に、より難しいのは「呼吸法(腹式呼吸)」だ。
学生時代、ソリストだった某パートリーダーに「腹式呼吸がどう
も分からないのですが、教えてください」と言ったら、「腹式呼
吸ができたらプロになれるよ」と断られてしまった。
一つ教えてもらったのは、「下あごには力を入れてはいけない」ということだ。
腹式呼吸については早川直記さんの「ココウィズちゃんねる」
Youtubeが(あくまで個人的には)<参考>になる。(早川さん
は声楽家ではないようだけれど)。
例えば、
【腹式呼吸】声の土台を作る2つのブレストレーニング
腹式呼吸からの発声で『勘違いしがちな』お腹の動かし方 - You
Tube
声を支える「お腹を意識しない」腹式呼吸のやり方&トレーニン
グ法 - YouTube
腹式呼吸の簡単なやり方&力まずしっかり吸えるトレーニング方法
小貫岩夫先生がワグネルOBにボイストレーニングに来られた時
も、「ブレスは吐けば入るものです。お腹いっぱいに吸いすぎる
のはかえってよくありません」と言われていた。(R1[2019]/2)
いずれにしても、日々の(正しい)「練習」が大切で、「知って
いること」と「出来ること」はまったく違うけれど(笑)。
「現役」時代は、習慣的に、週4回の練習で毎回1時間の発声練習をしていたが、
「現在」はまったくやっていない。
したがって、以前、「現役時代を10とすれば、現在は3以下だろう」と書いた
と記憶するが、今やせいぜい1以下ではないかしらん(笑)。
Golf とまったく同様に、頭で分かっても「練習」しなければ出来
るものではない。
「完璧」に出来るのであれば、それこそプロになれる(笑)。
Golf 同様、やはり「いい教師」について導いてもらうのが近道か
しらん。
佐藤しのぶさんにしても、音楽大学では2年生になってもハミング
とうがい、腹式呼吸(ブレス)の繰り返しだったという(佐藤し
のぶ『出逢いのハーモニー』2003)。
畑中先生のインタビューでは、「完璧」なフィッシャー=ディー
スカウをして、「発声は本当に難しい」と言わしめたとか。
松尾篤興『美声学』2008
= = = = = =
<歌い手のための10の基本原則>
(J.=C.マリオン『はじめての発声法』より)
1.呼吸法のエクササイズによって、身体準備をする。
2.正しい姿勢をとる。
3.口を大きく開ける。
4.咽頭が良い位置にあるかどうか確かめる。
高声域においてもつねに低い位置を保つ。
5.口で息を吸いながらあくびを誘発する。
6.横隔膜はずっと支えを保ちつづける。
7.声を出している間中、胸郭はひらいて宙に浮いたままを保つ。
8.歌う。
9.発声の息を意のままにコントロールする。
10.表現する。
J.=C.マリオン『はじめての発声法』(2003、原書1997)
本書はもともと中学生、高校生を対象にしたもののようだ。
ソプラノ、テノールの「頭声」獲得には、孫引きとなるが、リリ
ー・レーマン女史の共鳴と声区の知覚図が参考になる(プロにな
るにはむろん大変な努力が必要だが・・・・・・)。
『新訂合唱辞典』--「発声」(畑中良輔)p506
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