人生ブンダバー

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NHK BS「全貌 二・二六事件 完全版」

2023-03-26 05:00:00 | 近現代史

NHK BS「全貌 二・二六事件 完全版 前編・後編」(2023/3/9。
2020/2放送の再放送)を視聴する。
<前編>→こちら
<後編>→こちら


終戦時の富岡定俊海軍少将が保管していた二・二六事件に関する
海軍の極秘資料6冊がオープンになったことにより制作されたも
のだ。

これにより「細かな新たな事実」が判明したということだろうが、
「大きな流れ」は変わらない?

ひと言でまとめれば、「二・二六事件は1936(昭和11)年に起き
た(陸軍)青年将校によるクーデター事件」(筒井清忠)である。

(参考)→Wikipedia「二・二六事件」


本放送を視聴して・・・・・・(個人的にはあらためて整理が必要?)
・伏見宮と昭和天皇のやり取りの全貌は?
・木戸幸一の動きはここには出てこない?
・奉勅命令は、(やはり)小藤恵(さとし)大佐が下達しなかった。
・閑院宮参謀総長は、どこで何をしていた?
 --「病気で小田原の別邸にあり」(高橋正衛『二・二六事件』)



NHKは本放送の最後に
「事実とは何か。私たちは、事実を知らないまま、再び誤った道
へと歩んではいないか」
とまとめているが、このコメントが100%正しいとは言えない??


ちなみに当日は水曜日であり、当時、三田の「第六」に通っていた(私の)母は
登校後すぐに下校になったという(と言っていた記憶が)。


(参考図書)
文庫の発行年月は、原則として単行本初版のもの。

左から
高橋正衛『二・二六事件 増補改版』(1994/2/中公新書)
初版は1965/8。最新の研究では「上書き」された部分があるが、「大きな流れ」
は変わらない?「陸軍大臣告示」問題は既に言及されている。

澤地久枝『妻たちの二・二六事件』(1972/2/中公文庫)
第4回大宅壮一ノンフィクション賞の最終審査に残った3作のうちの一つ(結果、
鈴木明「『南京大虐殺』のまぼろし」と山崎朋子「サンダカン八番娼館」が受賞)。
死刑となった青年将校等の未亡人14人の「その後」をフォローした力作。

澤地久枝『雪は汚れていた』(1988/2/日本放送出版協会)
陸軍法務官(検察官)匂坂(さきさか)春平が保管していた新資料を基に書かれ
ている。今日から考えれば、「仮説」を「断定」している部分がある?



中田整一『盗聴二・二六事件』(2007/2/文春文庫)
元NHKプロデューサーがまとめたもの。


北博昭『二・二六事件 全検証』(2003/1/朝日新聞社)
北博昭(1942-2022)の力作。現時点で事件について信頼のできる「研究書」の
ひとつ(筒井清忠)。
「ずるい、といえばいえる。うさん臭い弁明も多い。だが、事実、真崎(甚三郎)
は黒幕ではなかった」(本書p197)



左から
筒井清忠『二・二六事件とその時代』(2006/10/ちくま学芸文庫)
筒井清忠編『昭和史講義』第7講(2015/7/ちくま新書)

筒井清忠編『昭和史研究の最前線』(2022/11/朝日新書)
「第9章二・二六事件」(筒井清忠)文字どおり最新の研究成果をコンパクトに
まとめたもの。



みすず書房編集部編『ゾルゲの見た日本』(2003/6/みすず書房)
「東京における軍隊の叛乱(二・二六事件)」(『地政学雑誌』1936/5)
--「当時」のコメントとしてはなかなかのもの?







本放送に関する私のノート


出動する「決起部隊」(反乱部隊)


分刻みの記録


海軍(軍令部)の諜報網


奉勅命令(天皇の直接命令)「戒厳司令官ハ三宅坂付近ヲ占拠シ
アル将校以下ヲ以テ速ニ現姿勢ヲ徹シ各所属部隊ノ隷下ニ復帰セ
シムベシ」
小藤大佐が様子を見ていたので(?)下達しなかった。


上空からばらまかれたビラ「下士官兵ニ告グ」


昭和11(1936)年7月7日号外


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