人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
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F.L.アレン『オンリー・イエスタデイ』(ちくま文庫)

2009-06-11 05:12:41 | 近現代史
F.Lアレンの『オンリー・イエスタデイ』は1920年代のアメリカを記録した傑作で
ある。アメリカ人は--それは歴史が浅いためにそうするという説があるがはたし
てどうだろうか。--なんでも記録する。

以下は、本書第5章「生活のしかたと道徳(モラル)の革命」からの抜粋である。
1960年代の話ではない。
  親たち、教師、道学者などの驚愕の声が世間を揺るがしはじめたのは、戦後、
 いくらも経たぬうちであった。ようやく大人になったばかりの少年少女たちが、
 道徳律をめちゃめちゃにしてしまったからである。

  “きちんとしている”はずの娘たちが、公然と、挑むようにたばこを吸った。
 もっともそれは往々にして、ぎこちなくわざとらしい感じではあった。彼女たち
 は酒も飲んだ、--公然とではないが、時には大いにききめがあった。模範的な
 両親の娘が、禁酒法体制のおかげでできた尻ポケット用携帯ビンの中身を飲んで
 酔っ払い--彼女の友だちの愉快な表現によれば“へべれけ”状態で--朝の4
 時に男友だちとドライヴにでかけた、などという話がよくあった。

  道徳問題に関係ある諸勢力は、これを攻撃しようとして結集した。キリスト教
 奉仕会の創始者で会長でもあるフランシス・E・クラーク博士は、最近の「下品
 なダンス」は、「まさしく家庭生活ならびに市民生活の根源である女性の純潔に
 対する犯罪」だと言明した。


上記の「戦後」とは「第一次大戦」後のことである。



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