6月24日(土)、新日本フィル定期C.デュトワの興奮冷めない中、
錦糸町から御茶ノ水御乗り換えで池袋に向かう。
18時開演で第72回東西四大学合唱演奏会を聴く(於東京芸術劇
場大ホール)。
余談だが、(以下「余談」は無視いただいても結構です。余談の方がおもしろ
い?)ワグネルのHPからチケットを購入しようとしたら、S席はあっという
間に売り切れ。やむなくA席を購入。
何日か後、早稲田のHPをチェックするとまだS席も販売中だったので、それ
を購入。
手元のA席は後輩にロハであげようと思ったら、機嫌よく「ボクはお金はたく
さん持ってるから買いますよ」(笑)。
閑話休題。私が現役4年の時の「四連」は「第22回」で東京文化
会館の2回公演。
その時のプログラムは、忘れもしない、同志社:「三声のためのミサ」(指揮:
福永陽一郎)、早稲田:「日曜日」(同小林研一郎)、関学:「航海詩集」
(同金房哲三[学生])、ワグネル「シベリウス男声合唱曲集」(同木下保)、
合同:「海の構図」(同福永陽一郎)だった。
今回は、「あれから50年」だ。
しかるに四大学の演奏会を聴く気分は当時と変わらない。
・当時、木下先生は70歳。現在の私よりお若かった!今年は120歳!
--その年は3校合同で「木下保先生古稀祝賀演奏会」を開催した。
・コバケン先生は33歳~現在は83歳だ。
もっとも、ワグネルにとって(ワグネルOBと言わない限り、通常は「現役」
のことだが。)、「昔は昔」。
大切なことは、誰にとっても常に、「今」だと言えるのかもしれない。
<プログラム>
エール交歓
1.同志社グリー
東欧の響き~東ヨーロッパ男声合唱曲集~
指揮:伊東恵司 トランペット:松原一樹 パーカッション:樽井美咲
2.慶應ワグネル
男声合唱組曲『雪明りの路』
作詩:伊藤整 作曲:多田武彦 指揮:佐藤正浩
--休憩--
3.関学グリー
『Barbershop Showtime』
編曲:David Wright他 指揮:広瀬康夫
4.早稲田グリー
『三宅悠太男声合唱作品ステージ』
(一部男声版委嘱初演)
指揮・作曲:三宅悠太 ピアノ:渡辺研一郎
--休憩--
5.四大学合同ステージ
男声合唱組曲『終わりのない歌』
作詞:銀色夏生 作曲:上田真樹
指揮:高谷光信 ピアノ:渡辺研一郎
以下、いつもながらつたないコメントを・・・・・・。
--今回は自分の耳を信じて、いつにも増してフラットに感じたことを。
エール交歓 以下、( )内は人数(概算)
同志社:Doshisha College Song (26人)
慶應:慶應義塾塾歌 (50人強)
関学:A SONG FOR KWANSEI (35人)
早稲田:早稲田大学校歌 (35人)
以下[ ]内はステージ時間(概算)
1.同志社グリー (26人) [16分30秒]
東欧の響き~東ヨーロッパ男声合唱曲集~:5曲
余談だが、プログラムを読むと、同志社には3人のヴォイストレーナー(北村、
大西、小貫の各氏)がいる。役割分担はどうなっているのかしらん。
「東欧の響き」というタイトルだが、要は、コダーイ作(1882-
1967/ハンガリー)1曲とエウゲン・スホニュ作(1908-1993/
スロヴァキア)4曲だ。
二人の作曲家の共通点は、ともにオーストリア=ハンガリー帝国
の生まれだ。前者がハンガリー人、後者はスロヴァキア人。とも
に84歳で亡くなっている。
舞台後列に譜面台とドラムが置かれ、1曲目の後半にトランペッ
トとドラムが入った(1曲目の後、退場)。
3曲目はTop Tenorをはじめ、ブレスもしっかり、見事なfを出す。
4曲目、5曲目もビシッとハモるア・カペラで、東欧の言語と音楽
の響きを聴かせてくれた。
終わると両手を挙げて拍手する高齢の男性もおり、退場にも温か
い拍手が続いた。
2.慶應ワグネル (55人) [13分50秒]
男声合唱組曲『雪明りの路』:6曲
1年生がほぼ半分。私が知る限り、四連でこのようなことは、全
大学にして初めてだ。とても勇気のいること。
(1)「ふんわりと」の出だしはsoftで、55人ながらの厚みが感じら
れる。佐藤先生のかなりのアゴーギクにピタリと付いている。
(2)attacca(以下すべて)の緊張の中、語気鋭い「梅ちゃん」。
速いところは速く、遅いところは遅い演奏だ。楽譜には書けない
表現も。
(3)繊細な「月夜を歩く」だ。微妙なクレッシェンド、ハッとする
subito p。--歌う方もコンセントレーションが求められる。Top
もここではリリックだ。「いたどりの多い忍路・・・・・・」ppの響き
がすばらしい(録音にはよほどマイクがよくないと入りきらない
だろう。)
(5)ここも難しい表現がかなり徹底されている。
(6)「雪夜」の出だしは大きな迫力。Sec.のパートソロもなかなか
だ。「覗いてごらん」の後で長めのpauseを取り、伊藤整の想い
が昇華されていった。
attaccaによる演奏で1年生も多いことから、アンサンブル、ハー
モニーが崩れるのではないかと思ったが、杞憂だった(プログラ
ムのメンバー表を見なければ、1年生が多いとは分からないだろう)。
佐藤先生ご多忙の折、まったくの憶測だが、学指揮の「サポート」(というの
か?先生の指示を徹底させること)もよかったのでは?動画での復習も??
早速、LIVE CDを申し込んだ。
合唱団の退場ではこのステージの暗転のタイミングが早すぎた?
3.関学グリー (21人) [22分15秒]
『Barbershop Showtime』:6曲
21人という人数にビックリ!もしかすると、私が「経験」した四
連のステージで最少ではないかしらん。
関学は、「合唱コンクールの優績→人数増」という図式(仮説)があるように
考えていたのだが・・・・・・。新型コロナの影響?
前列から6-7-8のフォーメーションで整列する中、広瀬さんが駆
け足で登場、すぐ1曲目に入る。最後のフェルマータで広瀬さん
も客席を向いて盛り上げる。
拍手に続いて、広瀬さんがマイクを握る。「衣裳がちょっと違い
ますが、関西学院です(笑)。前半すばらしかったですが、どう
です?緊張されませんでしたか?ここでは、大いに楽しんでいた
だこうと」(前半への対抗心むき出し[笑]?)。
2曲目はおもしろい編曲。室内合唱団的な薄い声がいい。フィン
ガースナップや手拍子も飛び出す。
「次に2曲、ゴスペルナンバーを。メンバーたちが考えた振り付
けもお楽しみください」
「今の若者」らしい、動きのはやい見事な振り付けがすばらしい。
大いに盛り上げ、広瀬さんも一緒にfinish。
この後のトークの途中に気づき、「失礼。ここではMCは不要で
したね(爆笑)」
終曲は、5分以上の曲で、速いマーチ風、精緻なハーモニー。最
後はきれいなdim.からppで終わった。
あえて言えば、なぜか、全体に上手すぎるというかF=Dの歌唱のように「どう
だっ(マネできないだろう)」と聴こえるかしらん。
途端、大声で「ブラ~」と叫んだ人がおり、せっかくの音楽をダ
イナシにした?
余談だが、先日NHKを視ていたら、テレマン室内オーケストラの延原武春さん
(80)が「演奏の合間にトークを入れてます。演奏の出来をトークでカバーし
てんのや、とおっしゃる方もおられますが、それでも楽しけりゃよろしおます
やん」と言っておられ、ナルホド関西らしいサービス精神かと。
早稲グリとは異なるが、いささかエンタメ路線に近づいたステー
ジだったと言えるかもしれない。
4.早稲田グリー (35人) [20分40秒]
『三宅悠太男声合唱作品ステージ』:3曲
三宅さんは40歳前後?藝大作曲科、同大学院修士作曲専攻修了の
作曲家だ。自作自演のステージ。長身。若々しい。指揮棒なしの
指揮。譜面台の譜面は閉じたままだ。
余談だが、3曲のオリジナルは混声合唱だ。混声版は聴いていないが、混声版と
男声版では印象が異なることが多い。
1曲目の比留間美代子の「なみだきらめく」(「なみだ」が「き
らめく」とは!)をはじめ、谷川俊太郎、覚和歌子の詩がいい。
音楽(曲)もみずみずしい。
終曲はトライアングルが4つ入った、おもしろい曲だった(トラ
イアングルは最後列の方がよかった?)。
ただ、もしかすると初めて聴くせいかもしれないが、集中力を持
って聴いても、fになると歌詩が聴きとりにくい所(例えば、
「地 」、「死」、「落葉」、「十五」など)があった。
一般に、合唱のfでは子音もそれなりにfにしなければならない。プロの合唱
団ならば大体各人がきれいに発語するが、アマには子音の大きさも含め、発語
(発声)の仕方を丁寧に指導することが必要だ。
5.四大学合同ステージ
男声合唱組曲『終わりのない歌』:5曲 [18分30秒]
オンステ人数はざっと130人?
高谷さん(と早稲グリ)は何回か聴いている。初めて聴いたのは、
15年前の早稲グリの定演だ。
高谷さんは登場するとピアニストの渡辺さんと握手し、マイクを
握る。大きな声で、
「皆さん、こんにちは~。お楽しみいただいてますか?合同ステ
ージ、高谷光信です(一瞬、選挙演説かと)。
12年前、私が初演させていただいたこの曲は大きく成長いたしま
した。・・・・・・」
高谷さんは指揮(法)が上手い。この日の演奏は、スケールの大
きな骨太の音楽だった。歌詩(言葉)もよく聴きとれる。
久しぶりに高谷さんを聴いたが、この10年で合唱演奏がかなり上
手くなられたのではないかしらん。
5曲目は「救い」のある音楽。雄大なrit.からpにdim.していった。
ピアノ伴奏のppはすばらしかったが、fでは合唱に負ける部分
があった?
合同のアンコールは、「お送りすることができれば」(拍手)。
同じく上田真樹さんの「若き日は燃えて」。若人の歌を語感よろ
しく、大きく歌わせた。手拍子も入り、最後は「フレー、フレー」
(音なし)。
最後の最後は、ブレザーの交換も元に戻して、恒例のステージス
トーム。
同志社:英語
ワグネル:何語 ツイッターが見られなくなり、未確認(笑)。
7/8追記:「Pseudo-Yoik」→こちら。
関学:ウ・ボイ
早稲田:斎太郎節
プログラム表紙
チラシ 「男声合唱を終わらせない」
16:45 錦糸町
16:57 御茶ノ水
16:59
17:00 JR御茶ノ水駅 まだまだ工事中
17:01
17:03 丸ノ内線に乗り換え
17:15
17:18 相変わらず人が多い。
17:23
17:24 東京芸術劇場
17:25 続々と・・・・・・
17:33
17:33
17:33 大ホール入口前
17:34
17:34 「花束受付」も復活?
17:36 CD、DVD販売中
17:48
18:52 休憩1回目
18:52
18:57
ドリンクコーナーは、人が少なく、カップを返す時に思わず「寂
しいですネ」。
18:57
19:01
19:01
19:54 休憩2回目
20:55 お開き
20:57
20:58
21:00
21:02 池袋
21:20 渋谷
21:31 田園都市線へ
21:56 あざみ野に戻る。
21:57
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そうでした。あの頃は、関学も同志社も少ない人数でした(学生運動の影響?)。
間違っているかもしれませんが、一説には「やめたけりゃ、やめたりゃよろしい」という方針だったとか?そういえば、学指揮とボイトレ先生の軋轢もありましたっけ?(これはオフレコ?時効?)
協一先生が帰国されたら、黒髪が銀髪になっていたので「ビックリしたなも~」でしたね~(笑)。