11月21日(火)、夜は私にとって、今年一番のイベント、ガッティ指揮、
ロイヤル・コンセルトヘボウの来日公演だ(今年はウィーン・フィルの
来日はない)。
アンディーパパさんから「早く着きました」というメール。「ドトール行こ」
とメールするが、「ドトールどこ?」というので、サントリーホール前のト
ルタリカでコーヒーを飲む(350円)。
<プログラム>
1.F.J.ハイドン チェロ協奏曲第1番 ハ長調
チェロ;タチアナ・ヴァシリエヴァ
--休憩--
2.G.マーラー 交響曲第4番 ト長調
ソプラノ;マリン・ビストレム
指揮;ダニエレ・ガッティ
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
座席はA席、2F-13-35。発売日にピンポイントの座席指定で予約し
た通路側だ。今年一番のチケット。2階は意外にもわずかながら空
席がある。
19時ジャストにチャイム。スマホで写真撮影する人が注意されてい
る。「場内での写真撮影はご遠慮願います」などお客様へのお願い
アナウンスが入る。
3分遅れで第1ヴァイオリンからステージに入場してきた。拍手がわ
く。全員が登場するまで、立ったままだ。全員がそろった段階で正面
を向き、大きな拍手となった。
ガッティは何を隠そう、ザルツブルク音楽祭で『ラ・ボエーム』を聴き、
ファンになった。これからどんどんクレッシェンドするだろう。
1.J.ハイドン チェロ協奏曲第1番 ハ長調(概算演奏時間;24分)
チェロ;タチアナ・ヴァシリエヴァ
ヴァシリエヴァは、以前新日本フィルで聴いたことがある。平成22年
2月だから、もう7年前になる(→こちら)。
ハイドンのチェロ協奏曲を聴くのはほとんど初めてではないかしらん。
少なくともこの10年は聴いていない。
今回の弦は、1st8、コントラバス2、チェロ3、ヴィオラ4、2nd6という
小編成だ。管楽器はオーボエが2本、ホルンが2本だけである。
1stヴァイオリンに東洋系の女性が二人入っている(後で調べたら、
Iwataさん、Kuritaさんという日本人らしい)。
第1楽章 Moderato ハ長調、4/4拍子、協奏的ソナタ形式
チェロを持ったヴァシリエヴァに続き、ガッティが登場。すぐに演奏が
始まった。ガッティは、最初のアインザッツはともかく、ほとんど4拍子
を振らず、譜面台の譜面をめくるだけ。ほとんど室内楽だ。小編成と
いうこともあろうが、弦のピッチが薄く、すばらしい。
ハイドンの曲はほとんどが長調であり、明るくていい。この協奏曲も
全楽章とも長調だ。音楽はモーツァルトに似ている(これは逆という
もので、モーツァルトはハイドンの発展したものだが)。10分過ぎた
頃、独奏チェロのカデンツァに聴き惚れる。
第2楽章 Adagio ヘ長調、2/4拍子、三部形式。
オーボエとホルンはお休みだ。この楽章ではガッティが少し振ってい
る。柔らかく艶のある弦がすばらしい。聴き合う音楽だ。客席は微動
だにしない。
第3楽章 Allegro molto ハ長調、4/4拍子、ソナタ形式
第2楽章後、客席の咳払いがするが、すぐに第3楽章に入った。出だ
しから前へ前へと行く音楽だ。ノースリーブのヴァシリエヴァの白い腕
がよく動く。ヴァシリエヴァは下を向いて、一心不乱。
終わるとすぐ「ブラボッ」と大きな男声が響いた(私ではありません)。
25分弱の比較的短い曲だが、この曲を好きになった。すべて、いい
演奏で聴くと何でも好きになるかしらん。
オケも一体となって拍手が続く中、ヴァシリエヴァに花束が贈呈される
(スポンサーの富士電機から?)。花束を置いてのアンコールは、バッ
ハの無伴奏チェロ組曲第3番よりプレリュードがスラスラと演奏された。
--休憩--
2.G.マーラー 交響曲第4番 ト長調(59分)
ソプラノ;マリン・ビストレム
19:55 オケはすでにスタンバイ、盛んにおさらいちゅう。そこへコン
マスがヴァイオリンを2丁持って入ってきた(ヴァイオリンを2丁持って
は「マラ4」だけ?)。マリン・ビストレムは?無論まだいない。どこから
登場するだろう?
弦は、14型--下手側から、14、7、10、10、12と並ぶ。
第1楽章 落ち着いて、急がずに--まさにゆったりと ト長調、4/4
出だしは、テレサ・テン「別れの予感」そっくりの「鈴」が出てくる。鈴を
持った奏者が立ってスタンバイ。静かに、大人しく、室内楽的に始ま
った。ガッティは暗譜、譜面台も置かれていない。テンポを微妙に動
かすのがすばらしい。始まって10分ほどで熱が入ってきた。やや長
めの指揮棒でどんどん振っている。デュナーミクも大きくなった。
第2楽章 ゆっくりした動きで、慌てないで ハ短調、3/8
この楽章は、たびたびコンマスのソロが出てくる。そのたびに目の前
のヴァイオリンと持ちかえる。長2度高めに調律されたヴァイオリンだ。
ホルンソロもまったく危なげなく、すばらしい!この楽章も微妙なアゴ
ーギクが続く。「情報量」がまことに多い。
第3楽章 安らぎに満ちて ト長調、4/4
出だしは、チェロ、コントラバスとヴィオラの弦から始まる。それに加わ
るヴァイオリンが何とも言えず美しい。5番のアダージェットに劣らず、
すばらしい楽章で大好きだ。(CDであれば)この楽章だけ繰り返し聴
いてもいい。息を飲むコンセントレーションはガッティの世界。気持ち
が上に上がっていく。
最後は、管楽器、ティンパニ、トライアングル、鉄琴等いろいろ登場
に思い切り振っている。もしかしてここから第4楽章?と思う人もい
るかしらん。音楽が静かに落ち着くに並行して、はたして上手よりソ
リスト--ビストレムがしずしずと登場。やや細身の長身(スウェー
デン人は概して背が高い。)、海の緑(カタカナで何と言ったかしらん。)
のドレスだ。第4楽章に続く。
第4楽章 非常にくつろいで ト長調、4/4
ビストレムの第一声は、はたして会場全体に響き渡る、ムチャクチャ
いい声!どこから声が出ているのかしらん。「天国の楽しさ」に浸る。
ビストレムはlegatoがすばらしく、歌がうまい人だ。徐々に両手を動
かして歌い上げた。
幸福感がpppに行きつく終止。指揮棒が止まり、1秒、2秒、3秒、4
秒・・・・・時間が長く感じられ、ガッティの両腕が下りると、一斉に拍手
となった。ガッティはコンマスと握手。
拍手の中ガッティは下手へ、ビストレムは上手に引っ込んだ。あらた
めて下手から二人が登場。ガッティは、まずコンマス、そしてホルン
を立たせた。拍手が続く。私もはたしてブラボーを叫ぶ。
また花束(を持った女性)が登場、ガッティ、ビストレム、コンマスに
渡される。ガッティは自分の花束もビストレムへ。最後の最後は、全
員でP席にも挨拶。期待にたがわずすばらしい演奏にすばらしいエ
ンディングだった。
(21:07終演)
音楽は、突き詰めれば、テンポ~アゴーギク~accel.とritard.、強
弱~デュナーミク~クレッシェンドとdim.、さらにいえば音色だ。
アンサンブルはそれらの総合といえるのかしらん。
アマは、それ以前のリズムと音程に苦労するのだが(笑)。
生で聴いた「マラ4」では、総合的に最もよかったのではないかしらん。
アンディーパパさんと興奮冷めやらず、帰りを(寄り道せず)共にした。
プログラム
16:44
17:06
17:33
17:42
17:47
17:48
17:49
17:52
17:55
17:55
17:58
18:21
18:24
18:24
18:26 撮影はアンディー・パパさん
18:30
18:31 プログラム売場 1冊1,000円
18:31
18:31
18:33
18:39 モニターより 弦は対向配置
18:42 M.T.T(マイケル・ティルトン・トーマス)
18:45
19:40 休憩時間
19:45
19:54
19:54
21:11
21:11 アンコール掲示
21:12
21:14
21:20
21:25 東京メトロ赤坂駅
21:26
21:31
21:42 表参道
22:13 あざみ野着
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大熊一郎先生墓参会(→後報)に行ったり、返信が遅くなり、恐縮です。
コンセルトヘボウは、私はたしか3回目かと思いますが、今までで一番よかったかもしれません。もう少し上書きしたいと。
マーラーとの所縁のオケ、今でもホールに
とけ込んだ弦・管楽器の艶やかな音色が脳裏
に蘇ります。素晴らしかった。ご一緒出来て
良かった。