先日、といっても何週間か前、増山先生から「こんな素敵なCDが
できましたのでお貸しいたします」と『TBSと日本の巨匠--團伊
玖磨』が送られてきた。
今年2月に発売になったもので、販売価格は税込4,499円だ。
(限定盤につきお求めはお早めに!)。
TBSラジオに残っていた團伊玖磨(1924-2001)先生関係の録音
(音楽とお話)が一種の「アーカイブ」として3巻のCDにまとめ
られている。
興味深く、繰返し聴かせていただいた。以下は、ささやかなレポー
トである。
<内容>
第1集 團伊玖磨その音楽/谷川俊太郎、アラブ、東京オリンピック
1.混声合唱のためのディヴェルティメント(1968/12/22放送)
2.シンフォニック・ルポルタージュ《アラブ》(1958/2/23)
3.オリンピック序曲(1964/10/10実況)
第2集 團伊玖磨の人生/聴き手:倉本聰
倉本聰「ニッポン人生録」(1997/2/9、16、23)
・幼少期 ・東京音楽学校 ・戦争、軍隊、終戦 ・戦後
・オペラ ・倉本聰:インタビューを終えて
第3集 團伊玖磨が語る/音楽、タバコ、母、旅
1.百万人の音楽(芥川也寸志、野際陽子。1988/5/8)
2.暮らしのサロン~タバコの話(1967/10/11)
3.母を語る(1968/5/10)
4.一口ゼミナール~島の話(1984/7/23、24、25、26、27、28)
第1集では、
「混声合唱のためのディヴェルティメント」(作詩:谷川俊太郎、
指揮:木下保先生、フルート:宮本明恭・植村泰一、合唱:日本合
唱協会。芸術祭賞受賞)がすばらしい。
懐かしい木下先生のお声(コメント)も聴ける。
第2集では、
團先生のお話がおもしろい。作曲家になりたくて、中二の時に山田
耕筰と面会した話は以前何かでお聞きしたことがあったが、下総皖
一(--ヒンデミットに師事した。)の厳しい指導、イントネーショ
ンに厳しかった山田耕筰(--ユーミンの歌の話まで登場。)、戦
時中から終戦後の「貴重な、具体的なお話」など興味尽きない。
第3集では、
アメリカ育ちの母上の話(教育方針等)がおもしろい。
音楽学校に進学する時に、「卒業するまではあなたの面倒をみます。
その代わり、卒業したら音楽の専門家(プロ)になるんだから面倒
をみませんよ」という約束だったが、終戦と卒業が重なり、誰しも
生きて行くのが精一杯の時期にその約束は忘れていると思いきや、
母上は「約束をお忘れじゃないでしょうね」。(→下記1をご参照)。
<ご参照>
1.「ニュース:TBSヴィンテージクラシックス」→こちら。
2.「TBSと日本の巨匠:團伊玖磨」→こちら。
-----------------------------------
團伊玖磨については、いままでも、つたないながら、いくらか書い
てきたので、以下の「こちら」で少々振り返ってみると・・・・・・
團伊玖磨交響曲全集
指揮:山田一雄 管弦楽:ウィーン交響楽団
→こちら。
オペラ『夕鶴』
指揮:團伊玖磨 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
つう:三宅春恵 与ひょう:木下保 ほか
→こちらとこちら。
團伊玖磨『パイプのけむり 1』と『さて パイプのけむり』
真面目さとユーモアが入り混じったエッセーだ。
→こちら。
『團伊玖磨歌曲集』(木下保) 復刻盤は発売されないかな?
→こちら。
『岬の墓 團伊玖磨[合唱]作品集』
→こちら。
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Q.『團伊玖磨歌曲集』(木下保) 復刻盤は発売されないかな?
A.復刻盤は『木下保の藝術~信時潔、團伊玖磨歌曲集~(VZCC-1042発売元財団法人日本伝統文化振興財団・発売元ビクターエンターテインメント株式会社2011年3月)』
これは、郡修彦氏による東芝音楽工業のオリジナルマスターテープからの復刻です。ブログにあるプライヴェートCDは、1972年3月に発売された疑似ステレオLPレコードのダビングです。両者を聞き比べるとかなり印象が異なりますが最後は好みの問題でしょうか。
この機会に木下/團「岬の墓」、木下/清瀬保二「冬のもてこし春だから」(いずれもCBC合唱団、三浦洋一ピアノ)、木下/橋本國彦「川」(東京音楽学校生徒)などが復刻されるといいなと思います。「川」、「冬のもてこし」は特に名演です。木下記念スタジオに状態の良いSP盤や録音テープが有ると良いですね。
「混声合唱のためのディヴェルティメント」は名曲ですが・・・
の、コメントの件です。