人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

『民主党政権 失敗の検証』(中公新書)

2016-09-01 05:00:00 | 読書

山内図書館から、日本再建イニシアティブ『民主党政権 失敗の検
証』(中公新書、H25[2013]/9/25)を読んだ。

「はじめに」にあるように
・民主党政権はどこで間違ったのか。
・それは、誰の、どういう責任によるものなのか。
・そこから何を教訓として導き出すべきか。
を<分析>したものだ。

日本再建イニシアティブというのは、元朝日新聞主筆船橋洋一氏
が理事長である独立系シンクタンクである。
無論、中身が問題であって、何事も日本再建イニシアティブのとお
りにやれば、必ずしも「再建」できるというわけではない。

ちなみに船橋氏は民主党の「党改革創生会議」の議長に就任して
いたようだが、その後どうなったのかしらん。

<目次>
はじめに 船橋洋一(日本再建イニシアティブ理事長)
序章 民主党の歩みと三年三ヵ月の政権 
   中野晃一(上智大学国際教養学部教授)
第1章 マニフェスト--なぜ実現できなかったのか 
   中北浩爾(一橋大学大学院社会学研究科教授)
第2章 政治主導--頓挫した「五策」 
   塩崎彰久(長島・大野・常松法律事務所パートナー弁護士)
第3章 経済と財政--変革への挑戦と挫折 
   田中秀明(明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科教授) 
第4章 外交・安保--理念追求から現実路線へ 
   神保 謙(慶應義塾大学総合政策学部准教授)  
第5章 子ども手当--チルドレン・ファーストの蹉跌 
   萩原久美子(下関市立大学経済学部国際商学科教授)
第6章 政権・党運営--小沢一郎だけが原因か 
   中野晃一(上智大学国際教養学部教授)
第7章 選挙戦略--大勝と惨敗を生んだジレンマ 
   フィリップ・リプシー(スタンフォード大学政治学部助教授、同大
   アジア太平洋研究センターフェロー)
終章 改革政党であれ、政権担当能力を磨け 
   船橋洋一(日本再建イニシアティブ理事長)
(肩書は本書刊行当時のもの)


民主党政権3年3か月のいろいろなこと--例えば、普天間基地問
題では、鳩山由紀夫首相(当時)の
「最低でも県外」
「トラスト・ミー」
「学べば学ぶにつけ、(沖縄の米軍により)抑止力が維持できるとい
う思いに至った」
という発言が思い出される。

 ※私はそれまで「loopy」という単語を知らなかった。

また、漁船衝突事件(平成22[2010]年9月、菅首相、仙石官房長
官)では、船長釈放で、厳しい批判となった。


財源裏付けのない「マニフェスト」に至っては、「絵に描いた餅」と言
えるのではないだろうか。

本書から少しく離れるが、経済学的にも、納得のいかない政策が多
かったのでは?
菅首相は「増税すれば経済成長する」と言った。枝野官房長官は、
「利上げすれば景気が回復する」と言ったのではなかったかしらん
(--枝野氏は法律には強いが、経済[学]には弱い??)。

政治家は経済学に疎い場合があるが、それにしても・・・・・・、ではな
いかしらん。


ともあれ、私は、民主党であれ自民党であれ、こういうことをするとこ
のようになるのだというように本書を読んだ。

今の民進党は大丈夫かな?


本書作成にあたっては、主だった岡田、海江田、菅、仙石、野田、前
原各氏など民主党議員にヒアリング、アンケートを行っているが、そ
の中に鳩山由紀夫氏の名前はないのはいささかの疑問だ。

*鳩山氏は、本書発刊前の平成24(2012)年11月に政界引退、平
 成25(2013)年6月に民主党を離党しているのだが・・・・・・。


巻末の「民主党政権 関連年表」は参考になる。



日本再建イニシアティブ『民主党政権 失敗の検証』(中公新書)


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ユン・チアン/ジョン・ハリ... | トップ | 『卜部日記富田メモで読む ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事