天才(--凡才たる私に対して)小林秀雄は、68歳の時に次のよう
なことを言った。
「今の歴史というのは、正しく調べることになってしまった。いけない
ことです。そうではないのです、歴史は上手に『思い出す』ことなの
です」
「歴史家とは、過去を研究するのではない、過去をうまく蘇らせる人
を歴史家というのです」
「歴史における客観的事実はありますよ。しかし、それを僕たちの裡
にまざまざと生き返らさなければ、客観的事実とならないではないか。
主観と客観を両方使って、生き返らさなければいけない」。
加藤陽子著『それでも日本は・・・・・・』は、まさしく過去を蘇らせる歴史
書だ。新潮文庫の新刊となって発売されたのを機に読み直したが、
まことにおもしろい。
加藤陽子『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』
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