人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
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レオンカヴァッロ「道化師」

2008-07-11 05:50:01 | 音楽
伝説のイタリア・オペラ・ライヴ・シリーズDVD(モノクロ) レオンカヴァッ
ロ「道化師」を観た。昭和36(1961)年10月25日東京文化会館における演奏であ
る。
キャストは、
カニオ:マリオ・デル・モナコ(テノール)、ネッダ:G.トゥッチ(ソプラノ)、
トニオ:A.ブロッティ他。G.モレルリ指揮、NHK交響楽団、NHKオペラ合唱団
他。

なんという熱気を帯びた演奏、なんと熱い聴衆!
ブロッティ(バリトン)が緞帳(どんちょう)の前で「シ プオ?シ プオ?」と
歌う口上、その仕草がなんと様(さま)になっていることだろう。録音も悪いし、
N響の演奏とてけっしてよくはないだろう。しかし、ブロッティのソロの間は身動
きすることができないほど強烈に惹(ひ)きつけられる。
最後のフェルマータが終わり、「さあ、開演!」と歌い終わると、ブラボーこそな
いものの、「ようこそ遠くイタリアからいらっしゃいました、そして力一杯の、一
度きりの熱演を有難う!」という日本人の大変な拍手である。一人ひとりが、手が
痛くなるほど、自発的に、精一杯の拍手を送っている。

主役のデル・モナコの熱唱はいうに及ばない。「衣裳を着けろ」、そしてクライマ
ックスの「もう俺はパリアッチでないぞ」で聴衆の興奮はピークに達する。これぞ
不世出のテノール。デル・モナコの前にデル・モナコなく、デル・モナコの後にデ
ル・モナコなし!いつまでも続く、カーテン・コールでの大拍手。満場総立ちであ
る。本場のオペラに飢えていた時代。その拍手を聞き、観るたびに私は感動の涙を
流す。


CDはほとんど同じキャスト(題名役デル・モナコ)で1959年に録音された、不朽
の名盤がロンドンから発売されている。なお、当該DVDはNHKソフトウェアか
らの発売である。







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