人生ブンダバー

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半藤一利『昭和史 戦前篇』(2)(平凡社ライブラリー)

2009-08-25 05:11:22 | 近現代史
引き続き半藤一利『昭和史 戦前篇』。

『詳説日本史』(山川出版社。2006年文部科学省検定済版)より
  張作霖が国民革命軍に敗北すると、関東軍の一部に、謀略によって張作霖を排
 除して満洲を直接支配するという考えが台頭してきた。1928年6月、関東軍は中
 央にはからず独断で、満洲へ帰還途上の張作霖を奉天笄で列車ごと爆破して殺害
 した(張作霖爆殺事件)。

当時、張作霖爆殺事件の真相は国民に知らされず、満州某重大事件とよばれたが、
上記4行足らずのことについて、半藤氏の本書では15ページにわたって説明してい
る。(証拠にも触れている。)文字どおり重大事件という認識であろう。

この爆殺事件の首謀者は、『昭和天皇独白録』に昭和天皇が語っているように河本
(こうもと)大作であるとされている。それを当時の田中義一首相が河本以下への
処罰をうやむやにしようとしたから、昭和天皇はお怒りになられたのである。

アパグループの「真の近現代史観」懸賞論文最優秀藤誠志賞を受賞した田母神俊雄
論文「日本は侵略国家であったのか」(--何回も繰り返し読んだが。)では、こ
の事件は「最近ではコミンテルンの仕業という説が極めて有力となってきている」
と書いており、日本は侵略国家ではなかった一例としている。

しかし、もしそうであれば、河本大作を停職処分する必要もなければ、田中義一首
相が天皇に怒られて、3ヶ月もたたないうちに狭心症で亡くなることもなかったの
ではないだろうか。



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