人生ブンダバー

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9/26 『ゲッベルスと私』 ★★★★★

2018-10-01 05:00:00 | 映画

9月26日(水)、川崎アートセンターで、ドキュメンタリー映画『ゲッ
ベルスと私』(→こちら)を観る。

怖い映画だった。

監督は、C.クレーネス、F.ヴァイゲンザマー、O.S.ミュラー、R.シュ
ロットホーファーの4人。

ゲッベルスの秘書だったブルンヒルデ・ポムゼル(103歳)に対するイ
ンタビュー映像(モノクロ)の間に、当時のアーカイブ映像(実写フィ
ルム)が入る。

インタビュー、アーカイブ映像ともにナレーションはない。


B.ポムゼルのインタビュー(独白)の一部--
・ゲッベルスは見た目のいい人だったわ。やたらと洗練されていたわ。

・ナチ政権になって、ナチスへの入党が殺到したわ。みんな仕事が欲
 しいから。

・強制収容所が作られるようになって、政府に逆らった人とかケンカを
 した人を矯正するために入れられる所だと思っていたわ。

・今の若い人は当時の私たちよりずっと大人よ。若い人たちはもし自
 分があの時代に生きていたらユダヤ人を助けたはずだと言うわ。誠
 実さから言うのね。
 (しかし)彼らも私たちと同じことをしていたと思う。

・みんなは、当時の私たちが知っていたと思っている。忽然と消えたユ
 ダヤ人は人口が減少したズデーテン地方へ移住されたと信じていたわ。
 私たちは何も知らなかった。とうとう最後まで。

・黒とか白ではないわ。グレーもあるわ。

・私に罪があったとは思わない。ただし、ドイツ国民全員に罪があると
 するなら話は別よ。結果的にドイツ国民はあの政府が権力を握ること
 に加担してしまった。そうしたのは国民全員よ。もちろん私もその一
 人だわ。

・悪は存在するわ。何と言えばいいのか分からないけれど、神は存在し
 ない。悪魔は存在する。正義なんて存在しない。正義なんてものはな
 いわ。



ポムゼルは、終戦時、ベルリンでソ連に拘束され、その後5年間、ソ連
の強制収容所で捕虜生活を送った。

撮影時103歳だったポムゼルは106歳で亡くなった。


<参考>
1933 ヒトラー、首相に就任
1934 ヒンデンブルク大統領死去、ヒトラー総統に(国民投票)
1935 ニュルンベルク法 ユダヤ人の公民権はく奪
1939 ユダヤ人の国外移住計画(ユダヤ人国外移住中央本部)
1941 ドイツ国内ユダヤ人の東方移送始まる(ドイツ国内からの追放)。
1942 ヴァンゼー会議(--「ユダヤ人問題の『最終解決』」に係る
   次官級会議、1/20)
1942 アウシュヴィッツでユダヤ人大量ガス殺始まる。
1943 ゲッベルス「総力戦演説」(2/18)


戦時中のアーカイブ映像(*)には強制収容所での死体の山なども写っ
ている。

女子高校生(or大学生)数人が引率者と観に来ていたが、小学生の女
子が保護者と観に来ていたのにはいささかビックリ。
「R15+」(15歳以上の指定)ではなかったが・・・・・・。


*アーカイブ映像
・「注意!極秘指令」(ドイツの宣伝映画)1941-42
・「カウボーイとアメリカ先住民」(独)1930年代
・「だまされるな」(米)1945
・「イタリアのニュース映画」(伊)ゲッベルスのベネチア訪問1940
・「マーチ・オブ・タイム」(アメリカのニュース映画)シオニズムの
  讃美歌を歌う子供たち1933
・プライベートフィルム ナチ党の集会1939
・ソ連のオリジナル映像 ベルリンとポツダムの選挙戦1928/30
・「ある街の物語」 ポーランドの地下組織による抵抗1939-44
・アメリカのオリジナル映像「(ドイツの)国家労働奉仕団」1937
・アメリカの宣伝映画
・「戦争犯罪裁判」ニュルンベルク裁判の大臣裁判用1947
・「注意!極秘指令」(独の宣伝映画)
・ドイツの宣伝映画 「国民突撃隊」の入隊宣誓式(1928年生まれ17
  歳の志願兵)1944-45
・アメリカのオリジナル映像 非ナチ化の編集前素材1945
・アメリカのオリジナル映像 解放後のエーベンゼー強制収容所1945
・アメリカのオリジナル映像 解放後の強制収容所、ガス室の調査1945
・アメリカのオリジナル映像 戦後のベルリン(航空撮影)1945
・「ドイツ人よ 目覚めよ!」(米)1945戦後、ユダヤ人の死体処理を
  させられ、見せられる一般ドイツ人(見守るドイツ人女性が泣いて
  いる)。


入場料;シニア(60歳以上)1,000円(川崎アートセンター)



チラシ
「ナチス宣伝大臣ゲッベルスの秘書、ブルンヒルデ・ポムゼル103歳。
 彼女の発言は、20世紀最大の戦争の記憶を呼び起こす」
「終戦から69年の沈黙を破り、ゲッベルスの秘書が独白する」
「なにも知らなかった 私に罪はない」


プログラム <岩波ホール創立50周年記念作品>



ちなみにヒトラーの出現について、新書としては、
林健太郎『ワイマル共和国』(中公新書1963)(→こちら
石田勇治『ヒトラーとナチ・ドイツ』(講談社現代新書)(→こちら
が参考になる。




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