学生時代、「哲学」にこっていたことは以前書いたと思う。年末に本を整理してい
たら、学生時代に読んだ本が何冊も出てきた。
立花 隆さんの「ぼくはこんな本を読んできた」のひそみにならい、少しくご紹介し
よう。
本書は昭和47年4月15日に購入している。角川文庫の「白帯」である。
著者澤潟久敬は当時大阪大名誉教授。デカルトからベルグソンまでのフランス哲学
の研究家であった。
当時、私はたしかにデカルト的考え方--「我思う、ゆえに我あり」--をしてい
た。
同じクラブのKさんに「あなたはデカルトでしょう」と言われたこともある。
本書の目次は次のとおりである。
「理性の窓をあけよう」(昭和35年『文芸春秋』)
「思想の英雄・デカルト」(昭和25年2月11日関西日仏学館講演-デカルト生誕300年祭)
「ほんとうの文明」(昭和33年1月30日~2月2日NHK放送)
「個性というもの」(昭和35年11月19日日本ステンレス直江津製造所講演)
「読書について」(昭和36年12月12日、13日愛知県小学校長会議中学校長会議講演)
本書の主張は、「好き嫌いとか感情で判断するのではなく、理性とか合理主義で判
断しよう」というものである。今から考えれば、ごく当然のことを述べているよう
に思うが、当時は一生懸命赤鉛筆で線を引いていた。
「一つの事柄は好き嫌いで決められてはならぬ。むしが好かぬということはしばし
ば私たちの行動を決定するものであり、それから逃れることはなかなか容易ではな
いが、しかし人間的行為は感情によって左右されてはならない」。
なお、元東京地検特捜検事河上和雄の著作に『好き嫌いで決めろ』(日本テレビ放
送網)があるが、それはまたの機会に。
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