人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

倉持裕作『イロアセル』(鵜山仁演出)

2011-11-07 05:00:00 | Weblog

11月2日(水)、翌日が休日なことをこれさいわいと新国立劇場(小劇場)へ倉持
裕作、鵜山仁演出『イロアセル』を観た。

私が鵜山さんの演出物を初めて観たのは、20年くらい前のことだったかしらん、
新宿コマにかかった『オズの魔法使い』が初めてだった。主演は早見優。家族4
人で出かけたと記憶している。次に観たのは、今から10年ほどだったか、陣内
孝則主演の『おばかさんの夕食会』だ。抱腹絶倒、おもしろかった。再演されない
ものだろうか。

CASAで夕食後、6時35分、会場入り。観客はいかにもお芝居好きなフンイキを
かもしだしていた。私の左には60代と30代の親子3人、右側は見るところお芝
居ガールだ。

【美×劇】-滅びゆくものに託した美意識-シリーズⅡ
平成23年度(第66回)文化庁芸術祭協賛公演
本シリーズⅠは三島由紀夫作、宮田慶子演出「朱雀家の滅亡」(國村隼ほか、
9-10月公演)、Ⅲは泉鏡花作、白井晃演出「天守物語」(篠井英介ほか、11
月公演)。

(ものがたり)
 「ある小さな島。その島民の言葉には色があり、
 それぞれ異なる固有の色を持っている。
 いつどこで発言しても、その色によって
 誰の言葉かが特定できてしまう。
 そのため、この島の住民はいつも慎重に発言し、
 決してウソをつかない。

 ある日丘の上に檻が設置され、
 島の外から囚人と看守がやってくる。
 この男との会話はなんと無色透明。
 やがて島民が次々と面会に来て、
 打ち明け話をしていく。」


作;倉持 裕
演出;鵜山 仁

キャスト(台本順)
囚人;藤井隆
看守;小嶋尚樹
ナラ(前科のある女);島田歌穂
ネグロ(町長);剣 幸
バイツ(町議会議員);木下浩之
ポルポリ((株)プルプラン社長);ベンガル
グウ((株)グウ電子社長);花王おさむ
アズル(カンチェラ選手);加藤貴子
ライ(カンチェラ選手);高尾祥子
エルデ(カンチェラ審査員);松尾洋平
声の出演;釆澤靖起


プログラムにあった「スタッフの仕事」から抜粋させていただくと
「『イロアセル』の台本には、冒頭からこんなト書きが出てくる。
ネグロ(剣 幸)   さあ着いた。
バイツ(木下浩之) 着きました。
  二人が声を発した途端、ネグロの周囲には「黒く濃い色の何か」が、バイツの
 周囲には「白く淡い色の何か」が立ち上る。

  ほかにも、
  二人が言葉を発するとやはり色の付いた何かが立ち上がる。グウの色は茶色。
 ポルポリの色は紫。
 ・・・・・・
などなど。」

ちらしにある「その島民の言葉には色があり、それぞれ異なる固有の色を持ってい
る」を、実際問題どのように舞台化するのか興味津々だったが、なるほど舞台上方
の、一種の「スクリーン」に島民が話すとそれに応じて色が映るようになっていた。
それにしてもよくうまくできるものだ、と感心してしまった。

私の悪い癖は「ナラはどのような罪で前科のある女になったのだろう?」とか「カン
チェラとは何?どのような運動なんだろう?」とか芝居の進行中に疑問を持ちすぎ
てしまうことだが、今回は最初からそういうことは考えず、素直にストーリー(状況
設定)に乗っていくようにした。

藤井隆演じる囚人が中心人物--膨大な台詞量!--であることはいうまでも
ないが、島田歌穂のナラと加藤貴子のアズルがキーパーソンだ。囚人は終始檻
にいるが檻の中の方が「自由」に見えてくる。
囚人が作成する新聞(かわら版?)がばらまかれるたびに島の世界が変わってい
き、最後は言葉の色がなくなってしまう。看守がテレビの「アズル優勝!」に向か
って拍手を送るラストシーンが印象的だった。

いつものことながら場面転換の音楽が効果的に使われていた。

題名が『色褪せる』ではなく、『イロアセル』となっていることは伊藤整を思い出さ
せた。(--伊藤整は「文化クンショー」などカタカナを使って物事の本質を論じ
た。)

カーテンコールでは、藤井隆と木下浩之が残り、ちょっとしたトークを繰り広げた。
藤井隆のトークの相手は、毎日違うようだった。
初演を成功させたキャストと演出家を含めたスタッフに拍手を送りたい。

午後9時15分終演。


夕食は 東京オペラシティのCASAにて


コーンスープ


夕食のメイン ハンバーグ和風ソース






新国立劇場ロビー













11月2日(水) 11時ごろ帰宅したが、芝居の興奮が治まらない。普段であれば
熟睡の時間だが、テレビをつけたら、「マツコ&有吉の怒り新党」にはまってしま
った。マツコ・デラックスと有吉弘行が視聴者の怒りを採点する。アナウンサーは
夏目三久(みく)。
この日は「女性誌のマタニティー・ヌードは腹が立つ」など。(ちょっと人生幸朗師
匠を思い出した。)


11月7日(日) 慶應ワグネルOB合唱団定期演奏会2011を聴く。この詳報はま
た来週。



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 しています。(あらためて読み直すとアラが見つかりますね~。)



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 ろしく!

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