人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
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田三郎「水のいのち」(2)

2008-09-22 05:55:35 | 音楽
高野喜久雄作詩、田(たかた)三郎作曲合唱組曲「水のいのち」は合唱の大ヒッ
ト曲である。昭和39(1964*)年混声合唱組曲として発表され、山田和男指揮、日
本合唱協会の合唱によって初演された。初演されるや昭和41(1966)年女声合唱に
編曲され、最後には昭和47(1972)年男声合唱版にまで編曲された。人気の高さが
うかがえる。
*東芝EMIのLP解説に1944年とあるのは明らかな間違い。

LP、CD(ライヴを含む。)は、混声、女声、男声となぜかたくさん持ってい
る。指揮者でいえば、作曲者の田三郎をはじめ、木下保、畑中良輔、福永陽一
郎、宇野功芳、北村協一、堀俊輔など10枚ほどである。それぞれに「持ち味」とい
うものがある。


先日久しぶりに聴いたのが、木下保指揮、ピアノ木下歌子、日本女子大学合唱団の
演奏(東芝EMI)である。これを一言でいえば、虚飾と思い入れを排した演奏であ
る。1曲目の「雨」にしても速めにインテンポで流れていく。一歩間違うと「棒読
み」になるが、そういう感じではない。いわば「バックハウスのベートーヴェン」
である。(詩をよむときの、サトウハチローの読み方にも通じる。)外に発散する
のではなく、知らないうちに心の内にしみこむ演奏である。女声合唱3声のシンプ
ルさが生きている。合唱団の若々しく(平均20歳)、透明感ある声も魅力的であ
る。木下先生の「遺産」といえよう。

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