人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

中村真一郎『王朝物語』(新潮文庫)

2009-03-23 05:28:49 | 読書
この本はすごい!日本の物語を論じたエッセイであるが、一読して著者が大変な勉
強家であることが分かる。



中村真一郎は大正7(1918)年の生まれ。私の父と同年である。平成9(1997)年79
歳で亡くなっている。開成中から一高、東大仏文卒。

文庫にして500ページを超える大作であるが、その一部をご紹介しよう。この部分
を読んだだけで読みたくなること「間違いない!」

 私は十六歳の秋にはじめて『罪と罰』を読んで、その後数日、ほとんど発狂状態
 にあり、ようやくその発作が収まったあと、人生はもう再びそれ以前の平和で円
 満な姿に戻らなくなってしまったという、恐ろしい体験を、一生、忘れることが
 できないだろう。


カバーの裏側には
「世界文学史上の奇跡である『源氏物語』とプルースト、カーニバル的感覚の『今
昔物語』とラブレーなど、わが国の王朝物語の特筆を外国文学との類似にまで言及
した、かつて誰も成しえなかった壮大な文学論的随想」
とある。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 杉山通敬『中部銀次郎 ゴル... | トップ | 『1943年晩秋 最後の早慶戦... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事