人生ブンダバー

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慶應ワグネル男声合唱団第139回定期演奏会

2014-11-23 05:00:00 | 音楽

私がワグネルの現役時代、最後の定期演奏会は昭和49(1974)年第
99回だった。木下保先生は当時71歳、畑中良輔先生は52歳。
今からちょうど40年前である。

現在の正指揮者佐藤正浩先生は、ちょうど当時の畑中先生くらいのお
歳かしらん。

あれから40年。99+40=139回定期演奏会が11月22日(土)17時
から昭和女子大学人見記念講堂で開催された。

午後4時5分発の急行で三軒茶屋へ。会場へは4時半過ぎに着いた。
会場に入ると、今年の六連のCDが1,000円で売られていた。思わず、
「安くない?」と衝動買い。「月光とピエロ」の名演を思い出す。

ロビーを見るとOBもかなり来場していた。2階席もかなり埋まっていた。

休憩時間には、名古屋から上京したご夫妻をはじめ、久しぶりに親しい
OBとも懇談した。

<プログラム>
塾歌
1.「パドヴァの聖アントニウスの讃歌」、「酒飲みの歌」プーランク作曲
  指揮;佐藤正浩

2.「メンデルスゾーン男声合唱曲集」より
(1)死者に祝福あれ
(2)目覚めた人々は天空の星のように輝き」
(3)トルコの酒場の歌
(4)乾杯の歌
  指揮;星野洋二郎(学生)

3.「鎮魂の賦」
(1)時の逝く
(2)家居(いえい)に
(3)鎮魂の呪(じゅ)
(4)死は安らかである
(5)春の日
  作詩;林 望、作曲;上田真樹、指揮;佐藤正浩、ピアノ;前田勝則

~休憩~

4.「Someone's Knocking on Your Door」
  作曲・編曲;牧戸太郎
  指揮;辻 博之、ピアノ;永澤友衣、ベース;山田章典、ドラム;呉 文慧



以下は、私の、いつもながらのつたないコメント、お許しください。

塾歌
 塾歌を聴くとその演奏会の声の調子がよく分かる。1+56人のメンバー。
 よく伸びる、立派な声を出していた。緩急緩のメリハリはしっかり。

1.「パドヴァの聖アントニウスの讃歌」、「酒飲みの歌」プーランク作曲
  指揮;佐藤正浩
 今年の四連でなかなかの評判を取ったと聞いた曲。人数的には40人
 くらいかしらん。
 佐藤先生は黒の上下で登場。指揮台に乗らず、指揮棒を使わない指
 揮。発声(ピッチ)、アンサンブルとも精緻といってよく、プーランクの「音」
 を実にいい声で歌っていた。フォルテ(f)はいかにもワグネルらしいフル
 ボイス。ピアノ(p)との対比に惹きつけられる。
 プーランクをもっと知りたくなった。

 合唱は、つまるところ、発声とアンサンブルと音楽性?

2.「メンデルスゾーン男声合唱曲集」より
(1)死者に祝福あれ
(2)目覚めた人々は天空の星のように輝き」
(3)トルコの酒場の歌
(4)乾杯の歌
  指揮;星野洋二郎(学生)
 第1ステージ同様、前半が宗教曲、後半が世俗曲という構成。選曲も
 よく、古典派に近い、キッチリした演奏で、中声部もよく鳴らしていた。
 2曲の後に、星野さんが少し曲の紹介--学生ステージのオシャベリ
 は初めて?
 学生指揮者は、一般にキッチリした曲をキッチリ演奏するのがいいか
 な?(選曲の大切さ?)

3.「鎮魂の賦」
(1)時の逝く
(2)家居(いえい)に
(3)鎮魂の呪(じゅ)
(4)死は安らかである
(5)春の日
  作詩;林 望、作曲;上田真樹、指揮;佐藤正浩、ピアノ;前田勝則
 タキシード姿の佐藤先生が演奏前に少しお話をされた。
 畑中先生が亡くなられてから今回が3回目の定期演奏会になるとい
 う。光陰矢のごとし(Time flies 云々)。畑中先生が指揮されたステ
 ージに乗った学年は4年生だけになった。畑中先生のためにレクイエ
 ムを歌いたいと考えていたところ、いかにも先生に合った混声合唱曲
 があったので、作曲者(上田真樹さん)に男声版に編曲していただい
 たものだそうだ。

 (1)「生きてきたこと 思えば すべては 一度っきりのことだったよ」
   にグッと来た。
 (2)前田先生のリリシズムあふれる伴奏に乗って、「帰ろうよ あの
   家に あの時に 帰ろう」で涙があふれた。
 (3)ベースのソロがいい声で歌う。佐藤先生は長身を利した、大きな
   指揮に大きな音楽。前田先生のピアノもすばらしい。
 (4)アタッカで続けた4曲目。「安らかなる顔の上の ただ無量のやさ
   しさが あなたの思いを語るだろう」に後ろのご婦人がすすり泣く。
 (5)ゆったりとした、この組曲の終曲らしい終曲。「悲しみはいつか薄
  れるとも 身にしみてわすれはすまい」にグサッと来た。「陽よ、昇
  れ! 光よ、輝け!」では涙が止まらなくなった。エンディング、佐藤
  先生は静かに棒を置いた。


 盛大な拍手の中、佐藤先生から客席の上田先生の紹介があり、一段と
 会場が盛り上がる。最後は全員でお辞儀をして、どん帳が降りた。

 後ろのご婦人方も「もう、す~っと入って来ちゃって、泣いちゃった~」と。

 「高校時代、私はリンボウ派だったの」というご婦人も(慶応女子高?)


 私にとっては、木下先生も、畑中先生も、「去る者日々に近し」である。

~休憩~

4.「Someone's Knocking on Your Door」
  作曲・編曲;牧戸太郎
  指揮;辻 博之、ピアノ;永澤友衣、ベース;山田章典、ドラム;呉 文慧
(1)Rhythm on Stage
 辻先生は客席前方からの指揮。ワグネリアンは足踏みと手拍子。自由
 に動き回るはDVD、映像の世界。
(2)Life is Just a Bowl of Cherries
 ステージ後方に固まっていたと思ったら、歌いながら前方まで広がる。
 すごいポップスコーラスグループの出現?ワグネルではないみたい?
 ただし、某合唱団のようなドヤ顔でないのが好ましい。(ドヤ顔とは精神
 的未熟なり?)
(3)I Got Rhythm
 ピアノの永澤さんもコント風に絡んで楽しそう(だが、難しそう)。最後に
 前方に固まると大きな拍手となった。
4)But Not For Me
 女子学生(ルモ?)も次々登場で、「シャボン玉ホリデー」を思い出すっ
 て、古いかしらん?
(5)This is The Moment
 「時が来た 今日がその時だ」といういかにもアメリカらしい歌詞と曲。
(6)One
 難しい手と足の動き。振付は辻先生。少々ほほえましい動き。
(7)Life is Just a Bowl of Cherries(Reprise)
 振付に傘も登場。20代でしかできない演奏かしらん。辻先生の盛り上
 げ方もすばらしい。少しバーンスタインを思い出した。
 最後は、いったん上手に引っ込んで、学年別(??)に登場、ミュージ
 カル風にカーテンコールをして、幕となり、ブラボーの嵐となった。

その後、アンコールまでの間、辻先生の、おもしろいお話があり、「それ
では、すてきなアンコールに盛大な拍手をお願いします」と辻先生が下
手に退場すると、ものすごい、心からの拍手となった。

今回の演奏会、次々登場のゾリ(のべ何人?)もすばらしかった。

<アンコール>
○プーランク
○木下杢太郎/多田武彦「両国」

○「若き血」
○「我ぞ覇者」
○「丘の上」


私は、年間40回の演奏会を聴きに行くが、この演奏会は、今年のマイ
ベストスリーに入るだろう。それほどにすばらしい演奏会だった。

三軒茶屋までOBと談笑しながら、すがすがしい思いで帰路に着いた。



午後、ノモンハン戦争のシンポジウムが開催されていた。


晩秋


正面入口


たくさんの学生がお手伝いに


2階座席から





演奏終了後のロビーストーム






当日のプログラム


[本稿は若干追記する可能性があります]


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2 コメント

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Re;何故か心の乱るる (katsura1125)
2014-11-23 09:37:28
minorerさん、お早いですね~(笑)。

筆力、表現力のつたなさから、生の感動を十分にお伝えできなくて残念です。

ワグネルはいまも「クレッシェンド」しています。センプレ クレッシェンド?
返信する
何故か心の乱るる (minorer)
2014-11-23 08:35:24
昨日は自分自身のコンサート1週間前の練習のため
ワグネル現役の定演は行けませんでした
こうしてkatsuraさんのレポートを拝読して
聴きたかったという思いが募ります

アンコールで歌われた『両国』はワタシが高校1年のとき
男声合唱に初めて足を踏み入れた年に全日本合唱
コンクールの自由曲として歌った懐かしい曲です
爾来47年、この曲が演奏されるのを聴いたことがありません

昨日の定演には行きたかったですね
返信する

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