人生ブンダバー

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【臨時増刊】小貫岩夫テノールリサイタル2012 第55回神奈川県合唱コンクール

2012-09-06 05:00:00 | 音楽

本日は臨時増刊号!です。
9/1(土) 残暑は続いているが、「芸術の秋」到来である。
9月の初日、同志社グリーから大阪芸術大学を卒業され、二期会会員である小
貫岩夫さんのテノールリサイタル(東京文化会館 小ホール)に行ってきた。
小貫さんは現在45歳--東京二期会の来年2月公演喜歌劇「こうもり」でアイ
ゼンシュタインをやることが決定している。


地下鉄東京メトロを出たところ--JR上野駅不忍口


「ツタンカーメン展」の宣伝が出ている。


昔は映画館だったところ。上野はいつ来てもなんとなく上野という感じがする。


JR上野駅公園口 東京文化会館前は人手があふれている。



開場13:30、開演14:00を目指し、13:25東京文化会館に着いた。
写真のように、開場前の小ホールに多くの人が並んでいる。私の経験では、これ
ほどのことは初めてである。女性の係員が「ハ~イ、こちらが小ホールの最後尾
ですよ~。大ホールはあちらですよ~」と叫んでいる。


13:30開場 13:31になって少しずつ列が動き出した。当日券も売り切れそう
だ。



13:40の会場内 ものの10分くらいでほぼ満席になった。座席数649席。


<プログラム>
【第一部】
F.シューベルト「音楽によす」
   〃  「鱒」
F.メンデルスゾーン「歌の翼に」
アイルランド民謡「ダニーボーイ」

トスティ
「私の歌」
「別れの歌」
「可愛い唇」
「暁は光から」

【第二部】
山田耕筰「風車の歌」
多 忠亮「宵待草」
福井文彦「かんぴょう」
近衛秀麿「ちんちん千鳥」
成田為三「浜辺の歌」

<ピアノソロ>
ショパン ノクターン「遺作」
プッチーニ『マノン・レスコー』間奏曲
「涙そうそう」~「千の風に乗って」

ドニゼッティ『愛の妙薬』より「人知れぬ涙」
ヴェルディ『仮面舞踏会』より「告げておくれ」
プッチーニ『トスカ』より「星は光りぬ」


以下は私のつたない感想、ご容赦を。
【第一部】
1.F.シューベルト「音楽によす」
14:03会場暗転、小貫さん、河原さん登場に大きな拍手が起こる。小貫さんは正
面、上手、下手3方向にきっちり一礼。表情あるピアノ伴奏にやや硬めながら格
調高く歌い上げた。

小貫さん「え~、皆さんこんにちは。まだまだお暑い中、こんなにもたくさんの方々
においでいただき有難うございます。リサイタルは7年前から大阪で始めまして、
東京はおととし、去年と市ヶ谷ルーテル教会で行いましたが、今年は歴史ある東
京文化会館小ホールで思い切って(拍手)・・・・・・さわやかに、時に情熱的に歌い
上げたいと」。人柄あふれるトークである。
以下、小貫さんのご紹介により、坂井美樹さんの進行で進んだ。

2.F.シューベルト「鱒」
3.F.メンデルスゾーン「歌の翼に」
4.アイルランド民謡「ダニーボーイ」

プログラムには松本美和子さんの「将来、日本のホセ・カレーラスといわれるテノ
ールになられる様」という言葉が寄せられていたが、声は違うが、いかにもカレー
ラスのような折り目正しい歌い方である。

トスティ
1.「私の歌」
2.「別れの歌」
3.「可愛い唇」
4.「暁は光から」
初めて聴く曲が多かった。2番がフランス語のニュアンスもあり、しみじみとした
歌唱だった。

【第二部】
日本の歌
1.山田耕筰「風車の歌」
15:02会場暗転の中、小貫さんは和服--はかま姿で登場に「ワァ~」という歓
声が起こった。
「風車の歌」は初めて(!)聴く曲だったが、日本語の母音が美しかった。
2.多 忠亮「宵待草」
3.福井文彦「かんぴょう」
4.近衛秀麿「ちんちん千鳥」
5.成田為三「浜辺の歌」
3番は歌詩がおかしいのか客席から笑いが起こった。早口言葉の滑舌がすばら
しい。4番、5番は(私には)難曲だが、心にしみた。

<ピアノソロ>
1.ショパン ノクターン「遺作」
2.プッチーニ『マノン・レスコー』間奏曲
3.「涙そうそう」~「千の風に乗って」
いずれも左右ともに繊細さあふれるピアニズムがすばらしかった。河原さんのお
しゃべりを初めて聴いたが、テノールのいいお声で、何よりお話が中身があって
お上手でおもしろかった。こんなにお客様が入られるのも最近では珍しいといっ
ておられたが、本当だろう。

<オペラのアリア>
1.ドニゼッティ『愛の妙薬』より「人知れぬ涙」
2.ヴェルディ『仮面舞踏会』より「告げておくれ」
3.プッチーニ『トスカ』より「星は光りぬ」
いずれもパトスある歌を聴かせてくれた。個人的にはネモリーノがよかった、カナ。


アンコールはオペレッタからレハールなど2曲と、最後にデ・クルティスの「忘れな
草」が歌われ、ピアノ伴奏とともにじわじわと心にしみ、最後は f で高く張ってくれ
た。客席ではブラボーも飛び出し、最後は、前方でスタンディング・オベーションと
なった。



当日のチラシ



当日のプログラム




9月2日(日) 第55回神奈川県合唱コンクール(大学・職場・一般部門)が神奈
川県立音楽堂で開催された。時間の都合で16:30からシード4団体の演奏を
聴いた。


小田原少年少女合唱隊(指揮;桑原妙子)35名
1.課題曲 In black mourn Ⅰ
自由曲 
2.「五つのわらべうた」から「烏かねもん勘三郎」
3.「七つの子ども歌」から「てぃんさぐぬ花」
4.「紀の国のこどもうた3」から「ことばあそびうた」
1は均一、ノンビブラートな声。出だしの4小節を聴いただけでなぜかしら涙がに
じんできた。2は一転してリズミカルで強い声。3はゆっくりとした歌にニュアンス
たっぷりで筆舌に尽くしがたい。4は上半身をゆすり、七色の声。最後はストップ・
モーション。「音楽は言葉よりずっと雄弁である」ということを痛感させられた演
奏だった。

富士通川崎合唱団(指揮;加藤雅子)女声16名+男声16名
1.課題曲 Ego sum panis vivus
自由曲
2.Ave Maria Ⅲ(幸いあれマリアさま3)
3.Cantate Domino(主に向かって歌え)
1は流れがあり、男声もよくピッチがそろっていた。2はいつ頃の曲かしらん、おも
しろい曲だった。3は「私には」母音がやや浅く聞こえるのだが、ラテン語はこう
いうものかしらん。

マルベリー・クワイア(指揮;桑原妙子)女声17名
1.課題曲 In black mourn Ⅰ
自由曲
2.Karacsony, Fekete Gloria(クリスマス、黒いグロリア)
3.「Primitive Music(原始的な音楽)」から
  「The Ritual Dance(儀式の踊り)」
1は小田原~と同じ曲だが、やはり大人っぽい。2は p から f までのデュナーミ
クがすごい。ハンガリー語の語感がよかった。(その昔、ワグネルでコダーイを
歌ったことを思い出した。)3はヴォーカリーズにフィンガー・スナップあり、手拍
子足踏みあり、身体の動きあり。しかも、その法則性が分からない(笑)難曲。
--私は絶対ムリ(笑)。
5月に初めて聴いた時は、大変失礼ながら「高望み」ではないかと思ったが、
今回あらためて聴いたら、そうでもないように感じた。

マルベリー・チェンバークワイア(指揮;桑原妙子)女声17名*男声15名
1.課題曲 Ego sum panis vivus
自由曲
2.「Three Sacred Hymns(3つの宗教歌)」から Ⅱ
3.Kyrie(あわれみの賛歌)
4.The Conversion of Saul(サウロの改宗)
1はパートごとの声質もよくそろい、レガート唱法もすばらしい。「木のホール」に
よく響く。自由曲はいずれも宗教曲。おがむポーズが出てきたり、座り込んだり。
4では男声の強い声と激しい足踏み、そして後半は一転透明感ある合唱と幅広
い表現に感動。

この日の演奏を聴き、4団体とも関東大会、全国大会で活躍されること間違い
なしと思われた。




ガス灯発祥の地



新しく紅葉が植えられた紅葉坂
急こう配に自転車を押して登っている人がいる。



県立音楽堂



神奈川県立音楽堂 左手に審査員席が見える。
ちなみに、この日の審査員は、片山みゆき、鈴木成夫、古橋富士雄、向井正雄、
渡辺三郎の各氏。



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4 コメント

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小貫さん (sho)
2012-09-06 13:05:26
聴きに行きたかったですね。同志社グリー時代の同期Iさんと一緒に歌ってますが、「あいつがね・・・。」と言われてました。同期で有名人が出るのは素晴らしいです。ワグネルのヴォイトレ、これも頼もしいですね。
返信する
いつも有難うございます (桑原妙子)
2012-09-06 22:11:38
2日はコンクールをお聴きいただきましたとのこと
いつも有難うございます。
アッチも、コッチも、まだまだ・・・で
お恥ずかしい限りです。

一番嬉しいことは一人一人が一生懸命歌っていること
心と心 声と声を合わせて歌っていることです。

関東まで可能な限りの努力を重ねたいと思っています。

昨日から小田原の姉妹合唱団が東京に誕生しました。
山川啓介氏のネーミングで「東京ネバーランド」という
児童合唱団です。

毎週水曜日16:30~18:30
六本木ルーテル教会
代表 島田祐子

幼稚舎からも参加しています。
お知り合いがいらっしゃいましたら
御紹介ください。

御礼がお願いになって失礼致しました。

不順な毎日、御身ご自愛ください。
   
返信する
Re;小貫さん (katsura1125)
2012-09-06 22:39:54
shoさん、いつも有難うございます。

私たちの「一発芸」と違い、あれだけいろいろバライティーあふれる曲を日本語、ドイツ語、イタリア語、フランス語で歌い分けるとは、失礼ですが、さすが「プロ」ですね~。

来年もぜひ拝聴したいと思いました。
返信する
Re;いつも有難う・・・ (katsura1125)
2012-09-06 23:01:33
桑原先生、お忙しいところ、わざわざ恐縮です。
当日はご挨拶せず帰路に着き、失礼いたしました。

姉妹合唱団ができたとのこと--ぜひ聴きにまいります。「宣伝」させていただきます。
(ルーテル派は、J.S.バッハの聖トーマス教会でも有名ですね。)

まだまだお暑いですが、皆様のご自愛とますますのクレッシェンドをお祈り申し上げます。
返信する

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