昨年暮れ(12月29日)、野田宣雄京都大学名誉教授(1933/12/4
-2020/12/29)が亡くなっていたことが分かった。87歳だった。
野田さんは名著『ヒトラーの時代』で知られていた。--私も20
年ほど前、講談社学術文庫版で読んだ。
本書の「まえがき」には、
この書物は、ドイツでヒトラー政権が成立した1933年から、第二次世界大戦
のおわった1945年までの約12年間の歴史を、ヨーロッパを中心に概観したも
のである。・・・・・・なお、同じ文庫におさめられている林健太郎『両大戦間の
世界』は、第一次世界大戦から1930年代初等までの時期をあつかっている。
本書とあわせて読まれれば、20世紀の歴史にたいする読者の理解もいっそう
深まるものと信ずる。
とある。
野田宣雄『ヒトラーの時代』(講談社学術文庫/1976)
<関連本>
いずれも価値あるものと言えるのではないかしらん。
どれを読んでもおもしろい。
林健太郎『両大戦間の世界』(講談社学術文庫/1976)
--第一次大戦の終わった1918年から1933年のドイツ・ヒトラー政権の成立ま
での時代を概観。当時の「ヨーロッパ文化」にも言及している。
文庫本解説は野田宣雄先生。
A.J.P.テイラー『第二次世界大戦の起源』(同上/2011)
--第二次大戦は「邪悪なヒトラー」による計画的な侵略戦争だったのか?
林健太郎『ワイマル共和国』(中公新書/1963) →こちら。
--ヒトラーを出現させたもの
村瀬興雄『アドルフ・ヒトラー』(同上/1977)
--「独裁者」出現の歴史的背景
林健太郎と村瀬興雄は、ともに大正2(1913)年生まれかつ東大
文学部西洋史学科卒業。
両先生は、同世代として、類似の問題意識を共有した?
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