5月にドナルド・キーン(1922-2019)の朝日文庫新刊が発売され
た。
D.キーンの文庫新刊は先日も買ったばかりだったが、有隣堂横浜西口
店のウロウロで、ついつい、買ってしまった。
原文は英語であって、本書(元は単行本)は金関寿夫訳による。
D.キーンの自伝の一つと言っていいだろう。D.キーンには、長生きし
たせいかどうか、何種類もの自伝がある。
中公文庫になっている『ドナルド・キーン自伝』(*)は85歳までの
ものだが、本書は10代の頃から50代までの「思い出」を書いている。
「文は人なり」--D.キーンには、人柄が優しいというか(真の)平
和主義的というか人間的なところを感じる。
本書の中では、「三島由紀夫のこと(p238)」、「三島由紀夫の自決
(p329)」が何と言ってもおもしろい。
『このひとすじにつながりて』(朝日文庫)
*『ドナルド・キーン自伝』(中公文庫、2011/2)
(『私と20世紀のクロニクル』改題)
本書において、大江健三郎については、
「大江と会うことが日本にいる時の楽しみの一つとなった。・・・・・・し
かしある年、いつもの贈物を渡したいと思って彼に電話すると、大江
は何となく会う日取りを決めるのが気が進まないようだった。その年、
私たちは一度も会わなかった。もちろん私は理解できなかったし、悲
しかった」(p244)
とある。
「共産主義国家とファシズム国家」(p260)もまことにおもしろい。
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ある雑談で問題となったが・・・・・・
Q.「令和」のローマ字表記は、「Reiwa」か「Leiwa」か?
R.既に内閣官房が答えているが、公式なローマ字表記(パスポートな
ど)はヘボン式表記に従い、「Reiwa」が正しい。
日本におけるローマ字表記には、大別してヘボン式(チはchi)と訓令
式(チはti)とあるが、ラ行はどちらの方式であれ、「R」であ~る
(おもしろくないか)。 (つまりLeiwaというローマ字表記はない)。
--小学校の時は、たしか訓令式で習った記憶があるが・・・・・・。
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