人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

山川『もういちど読む~』シリーズ

2020-11-01 05:00:00 | 読書

山川の『もういちど読む~』シリーズがおもしろい。
その中から『世界現代史』、『日本戦後史』、『倫理』について。

木谷勤『もういちど読む山川世界現代史』(2015/4)★×3。
48年8月、アメリカ帰りの亡命政治家李承晩を大統領に迎えて大韓民国がつくら
れると、それに対抗して、北にもソ連が推す金日成を国家主席に朝鮮民主主義
人民共和国が成立した。以来、、南北の対立は激化しつつあったが、50年6月、
38度境界線で起こった衝突は全面的軍事対決に発展した。(p189)

・・・・・・この記述は、事実をぼかしており、、北朝鮮の宣伝にも配
慮した、いささか「時代遅れ」の書きぶりだ。

現在は、北朝鮮が計画的に韓国に侵攻したことがハッキリしてい
る。したがって、次のような記述が正しいだろう。


木村靖二・岸本美緒・小松久男『詳説世界史B』(2019/3)
南北に分断されていた朝鮮では、1950年6月、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)
軍が南北統一をめざして境界線である38度線をこえて侵攻し
、朝鮮半島南端の釜
山近郊にせまった。(p379)


「学問の自由」などは当然だが、真実を目指す競争によって(?)、
誤っている部分は是正されていく必要があるだろう。



老川慶喜『もういちど読む山川日本戦後史』(2016/4)★×3.5。
1950(昭和25)年6月25日、朝鮮半島の北緯38度線で戦闘が開始された。・・・・・・
朝鮮戦争は、南北双方の思惑によって
開始された内戦であった。(p61)
この記述も如何かしらん。

鳥海靖『もういちど読む山川日本近代史』(2013/4)★×4。
幕末の開国から昭和20年の敗戦まで。
コラムで「アメリカの日本人移民」にも触れている。



小寺聡『もういちど読む山川倫理』★×3.5。
高校時代、倫理の先生は、たしか上村という教師だった。受験に
は関係ないのでボ~っと聴いていた。
しかし、あらためて読むとなかなかおもしろい。

彼(モンテーニュ)は当時の悲惨な宗教戦争を目にして、思想や宗教を絶対視
する人間の思いあがりから、戦争という野蛮な行為が生まれると批判した。彼
は「私は何を知るか?(ク=セ=ジュ?)」と自分に問いかけ、どのような思
想についても、つねに疑い、みずから吟味し、探究し、独断をさしひかえるよ
うに心がけた(懐疑主義)。

モンテーニュの代表作『エセー』(『随想録』)を読んでみよう
と、近所の市立図書館に行ったが、大部でとても読めるものでな
いことが分かった(笑)。
代わりに、宮下志朗『モンテーニュ』(岩波新書)を読んでみよ
うか・・・・・・と。

ちなみにモンテーニュもデカルトもフランスの哲学者だが、モン
テーニュの方が63歳の年長--すなわちモンテーニュから見れば、
デカルトは孫の世代だ。

余談:どんな哲学者であろうと、その人の性格が考え方に影響し
ている、と言ったのはフロイトだったかしらん。


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2 コメント

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Unknown (tkgmzt2902)
2020-11-01 08:11:52
現代史をたくさん読み込まれているから比較ができるのですね。
ずいぶん違いがあるものですねぇ。
人って最初に目にしたものが頭に残りがちです。
「受験に出ない」、確かに私の受験時代には現代史はそんな感じで
旺文社の受験問題集にも出ていなかった記憶があります。
教科書の終わりきらない最後の方は家で読んでおくように・・・と。
いまだに軽視されたその部分がネックになっています。
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Unknown (katsura1125)
2020-11-01 08:28:25
私の高校時代、母校では、日本の古代史について、「欄外」までかなり細かくやりました。
しかし、やはり昭和史に近づくに従って駆け足授業でした(笑)。
(私の場合)「戦前昭和史」は予備校時代に補習した形でしょうか?
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