勝海舟(1823-1899)と福沢諭吉(1835-1901)はほぼ同時代を
生きた。
どちらかというと、勝は政治家であり、福沢は学者、教育者、思想
家だった。
二人はウマが合わないというか、仲が悪かった(*)。共通点とい
えば、1860年、「咸臨丸で渡米」したことと「未」(ひつじ)年生
まれということだ(未年うまれの人は、温和で平和主義者だそうだ)。
(*)『福翁自伝』(1898-1899)に「勝麟太郎という人は艦長木
村の次にいて指揮官であるが、至極船に弱い人で、航海中は病人
同様、自分の部屋の外に出ることはできなかった」と悪口を書い
ている。「痩我慢(やせがまん)の説」(1901)でも勝を非難し
ている。
『氷川清話』(角川文庫)
学生時代に熟読したもの。
〇(人間の)上がった相場も、いつか下がるときがあるし、下がっ
た相場も、いつかは上がるときがあるものさ。・・・・・・その上がり下
がり十年間の辛抱ができる人は、すなわち大豪傑だ。
〇おれは、今までに天下で恐ろしいものを二人みた。それは横井小
楠と西郷南洲だ。
〇藤田東湖は、おれはだいきらいだ。あれは学問もあるし、議論も
強く、また剣術も達者で、ひとかど役にたちそうな男だったが、ほ
んとうに国を思うという赤心(まごころ)がない。
ご参考→こちら。
『文明論之概略』(1875)全文新訳(角川ソフィア文庫)
西洋文明によって日本の独立を護ることを説いた。
明治8年にしてこんな本を出版するとはビックリ!かな。
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